【新幹線で春は北陸へ】私が好きな北陸(2) ~松本 薫さん、俵 万智さん、津田寛治さん~
北陸3県ゆかりの著名人に、おすすめの観光地やお気に入りの場所を聞きました
柔道女子元日本代表 松本 薫さん<石川>
まつもと・かおり
1987年生まれ。2012年ロンドン五輪で金メダルに輝き、16年リオデジャネイロ五輪では銅メダルを獲得。結婚・出産を経て19年に現役引退。アイスクリーム店「ダシーズ ギルトフリーアイスクリームラボ」で体に優しく罪悪感のない「ギルトフリーアイス」の商品開発に携わる。12年に石川県から県民栄誉賞を贈られ、県の観光大使、スポーツ大使も務める。
高校まで金沢市で過ごしました。小学校のすぐ近くに兼六園があり、よく行きました。季節によってまったく違う景色が見られ、何度行っても楽しかったです。尾山神社や石川四高(しこう)記念文化交流館も写生会で訪れましたが、歴史や文化が詰まっているのはもちろんのこと、建物が美しく、夢中で描いていました。近江町市場はブリやカニ、加賀野菜などどれもおいしくて、遊び場のようでもあり、宝探しのようでもありました。
【お気に入りの場所】
◉ 尾山(おやま)神社(金沢市)……何とも言えない雰囲気があります。私のパワースポットだと思っています。
◉ 手取(てどり)フィッシュランド(能美市)……釣り堀、ペットショップ、ゲームなど楽しい施設が集まっています。
◉ カレーの市民アルバ(小松市など)……濃厚でガツンとくるカレー屋さん。おすすめメニューはホームランカレーで、最高の満足感です。
歌人 俵 万智さん<福井>
たわら・まち
1962年、大阪府出身。早稲田大学在学中に歌人・佐佐木幸綱氏の講義を受けたのをきっかけに、短歌を始める。神奈川県の高校教員だった86年に『八月の朝』で角川短歌賞を受賞。87年に出版した第1歌集『サラダ記念日』がベストセラーになり、88年に現代歌人協会賞に輝いた。最新刊の第7歌集『アボカドの種』まで多くの歌集・著書を出している。
中学2年生の時、大阪から武生(たけふ)市(現・越前市)へ転居しました。大学生の時も休みのたびに実家に帰省し、『サラダ記念日』に出てくる「ふるさと」という語は、福井のイメージです。2023年秋から24年2月まで福井県ふるさと文学館で「俵万智展」を開いていただきました。観光のおすすめは冬の越前海岸。日本海の荒波と可憐(かれん)な水仙の花との取り合わせが美しいです。越前がにもご賞味ください。越前おろしそばも美味です。
【お気に入りの場所】
◉ 越前海岸(越前町)……自然の迫力ある美しさ。「海鳴りに耳を澄ましているような水仙の花ひらくふるさと」という私の歌碑もあります。
◉ 足羽(あすわ)山(福井市)……桜の季節や紫陽花(あじさい)の季節。いつ訪れても、花や緑が楽しめます。山の茶屋の木の芽田楽もおすすめ。
◉ 福井鉄道福武線(福井市)……2両編成の味わい深い電車。私もこれで高校へ通いました。北府(きたご)駅には私のエッセーが展示されています。
俳優 津田寛治さん<福井>
つだ・かんじ
1965年生まれ、93年、北野武監督の『ソナチネ』で映画デビュー。2002年度ブルーリボン賞で助演男優賞、21年度日本映画批評家大賞で主演男優賞をそれぞれ受賞。10年代からは監督・脚本を務めるなど活躍の幅を広げている。故郷の観光PRに貢献し、東京五輪では福井県の聖火ランナーも担った。
福井市で18歳まで過ごしました。今は福井市観光大使とふくいブランド大使に加え、福井駅前短編映画祭の審査委員長も務めています。観光なら福井駅前の散策がおすすめです。福井城址の遊歩道や足羽川の桜並木をのんびり歩くとぜいたくな気持ちになれます。駅に隣接したショッピングモールのハピリンも楽しいですよ。福井のお土産なら何でも手に入るし、プラネタリウムもあります。
【お気に入りの場所】
◉ 越前おろしそば……世の中で一番好きな食べ物。シンプルに素材の味を生かしたおいしさは感動的です。
◉ 永平寺(永平寺町)……敷地に入ると空気が一変して厳かな気持ちになれます。信仰心があつい福井ならではの観光地でもあります。
◉ 三方五湖(みかたごこ<美浜町>)……レインボーライン山頂公園から望む三方五湖は絶景です。特に美浜テラスの美しさは息をのみます。
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2024年4月号)
(Web掲載:2024年4月25日)