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鎌倉の古道歩きに挑戦!古社寺を巡り由比ヶ浜を望む(1)【駅から歩こう1万歩】

場所
> 鎌倉市
鎌倉の古道歩きに挑戦!古社寺を巡り由比ヶ浜を望む(1)【駅から歩こう1万歩】

源氏山公園から大仏ハイキングコースに入ってすぐの展望スポット

 

鎌倉駅をスタート。1万歩を歩いた先に、輝く海

1万歩を踏破した先に、輝く海。そんな光景を思い浮かべて、三方を山に、南側を海に囲まれた鎌倉を散策の地に選んだ。マイペースで歩けるよう、観光客でにぎわうメインストリートを避け、駅の西側にコースを設定。急坂や石段を含むので健脚向きだが、古都の歴史と自然を感じながら、湘南の海岸を目指す。

鎌倉駅西口を出たら、「梅体験専門店 蝶矢(ちょうや)鎌倉店」に立ち寄り、完熟南高梅(なんこううめ)入りアイスドリンクを購入。運動前にクエン酸を摂取しておくと、疲れにくくなるそう。爽やかな梅ドリンクを飲み、7キロを歩き通すための活力を得た。ここから進路を北に取り、横須賀線の電車が走る線路沿いや住宅街を経て源氏山公園に向かう。およそ800年前に開かれた鎌倉を訪ねたからには、歩いてみたいのが切通(きりどお)しである。

梅体験専門店 蝶矢 鎌倉店の完熟南高梅入りアイスドリンク550円。ソーダ割り、紅茶割りなど4種

鎌倉への出入り口として、山の尾根を切り開いて造られた切通は、鎌倉幕府の執権・北条(ほうじょう)氏によって整備されたという。標高93メートルの源氏山の北に位置する仮粧(けわい)坂は、鎌倉七口(鎌倉七切通)の一つ。住宅街の奥にある登り口から、ぬかるんだ坂道を越え、でこぼこと勾配のある道を上る。距離としては短く、10分とかからない。地元住民らしき制服姿の女子高生も見かけたが、初心者は歩きやすい服装と靴で臨もう。

仮粧坂を上り切ると源氏山公園。滑りやすい箇所があるので足元に注意

仮粧坂を上った先の源氏山公園は広さ9.5ヘクタール、葛原岡(くずはらおか)・大仏ハイキングコースの中継地点にあたる。広場で源頼朝(よりとも)像に挨拶し、ベンチでひと休みしてから、少しだけ大仏ハイキングコースに寄り道。山道に入る前の舗装路に海の見えるポイントがあるのだ。木々の向こうに海を遠望し、ゴール地点を思い浮かべた。

公園を出て南へと山を下る。急坂の途中には銭洗(ぜにあらい)弁財天 宇賀福(うがふく)神社。洞窟に湧く霊水でお金を洗うとご利益があるとか。金運アップを願うなら、しっかり時間を取ってお参りを。

銭洗弁財天 宇賀福神社。山の中腹にある岩窟から入る

坂を下りて住宅街に入り、佐助稲荷道と書かれた石柱を目印に右折。住宅街の奥へ進むと、山際に朱色の鳥居が連なっている。佐助稲荷神社は、源頼朝が畠山重忠に命じて社殿を造営させたと伝わる古社だ。鳥居をくぐり、石段を上って拝殿へ。境内に祀(まつ)られたたくさんの白狐を見ているうちに小雨が降り出し、神聖な空気が濃くなったように感じた。

佐助稲荷神社の鳥居の数は49基
境内の至る所で参拝者の奉納した白狐が見られる

文/内山沙希子 写真/齋藤雄輝ほか

 

鎌倉の古道歩きに挑戦!古社寺を巡り由比ヶ浜を望む(2)【駅から歩こう1万歩】へ続く(8/8公開)

 

【モデルコース】

●徒歩距離/約7.8キロ
●徒歩時間/約2時間30分

鎌倉駅
 👟(80メートル)
梅体験専門店 蝶矢 鎌倉店
 👟(1500メートル)
仮粧坂
 👟(100メートル)
源氏山公園(源頼朝像)
 👟(400メートル)
大仏ハイキングコースの展望スポット
 👟(350メートル)
銭洗弁財天 宇賀福神社
 👟(500メートル)
佐助稲荷神社
 👟(2000メートル)
鎌倉大仏殿高徳院
 👟(350メートル)
MOKICHI KAMAKURA
 👟(1000メートル)
長谷寺
 👟(1000メートル)
鎌倉海浜公園(実朝歌碑)
 👟(550メートル)
長谷駅

 

梅体験専門店 蝶矢 鎌倉店

  
  

完熟南高梅が丸ごと1個入ったテイクアウトドリンクが好評。予約制の梅体験では、梅・砂糖・酒の組み合わせを選び、オリジナルの梅シロップ・梅酒が作れる。自宅で作る「蝶矢梅キット」や店舗限定の梅酒も販売。

■10時~18時(土・日曜は~19時)/年末年始休/横須賀線鎌倉駅からすぐ/TELなし(問い合わせはホームページから)


鎌倉駅

1889年開業。現在の駅舎は1984年改築の3代目。JR東日本の駅は「関東の駅百選」の一つで、横須賀線と湘南新宿ラインが乗り入れている。藤沢駅と鎌倉駅を結ぶ江ノ島電鉄の終着駅でもある。

※記載内容はすべて掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年6月号)
(Web掲載:2024年8月7日)


Writer

内山沙希子 さん

京都生まれ。本や雑誌を作る仕事を求め、大学在学中に上京。その後、美術館やレストラン、温泉宿、花名所、紅葉名所等のガイドブックを中心に、雑誌や書籍の企画・編集に携わる。2017年頃から月刊「旅行読売」で原稿の執筆を開始。「旅行読売」での取材を通して、鉄道旅に目覚めるかどうかは未知数。

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