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鎌倉の古道歩きに挑戦!古社寺を巡り由比ヶ浜を望む(2)【駅から歩こう1万歩】

場所
> 鎌倉市
鎌倉の古道歩きに挑戦!古社寺を巡り由比ヶ浜を望む(2)【駅から歩こう1万歩】

長谷寺の見晴台から鎌倉の海と街を一望。隣接の海光庵では、海を眺めつつ食事ができる

 

古刹の境内から相模湾を見晴らす

鎌倉の古道歩きに挑戦!古社寺を巡り由比ヶ浜を望む(1)【駅から歩こう1万歩】から続く

市役所通りに出て新佐助トンネルを抜け、山の緑に抱かれるような地形を味わいつつ長谷大谷戸(はせおおやと)を過ぎ、さらに南下。静かな散策コースも、県道32号に到達すると一気ににぎわいが増す。江戸時代に起こった観光ブームの頃から、鎌倉と言えば鎌倉大仏と長谷観音だ。

参拝の前にランチにしようと思い立ち、鎌倉大仏殿高徳院を一旦通り過ぎ、大仏トンネルのそばにある「MOKICHI KAMAKURA(モキチ カマクラ)」へ。レンガ造りの建物は旧神奈川県鎌倉加圧ポンプ所を改装。「ピッツァ ハーブ」2200円など、自家栽培のハーブを用いた料理が元気をくれる。

MOKICHI KAMAKURA(モキチ カマクラ)外観

鎌倉大仏殿高徳院にかつてあった大仏殿は、度重なる地震や津波によって失われたのだという。そのような歴史も踏まえ、「露坐(ろざ)の大仏」をじっくり拝む。与謝野晶子が歌に詠んだとおりの「美男」である。

観音山の裾野から中腹にかけて広がる長谷寺の境内には見どころが多く、外国人旅行客の姿もある。季節の花や和み地蔵にも癒やされるが、やはり海を眺めたい。「見晴台からもきれいに見えますが、眺望散策路も歩いてみてください。海抜が上がり、違った海景色を楽しめます」と学芸員の平井理恵さんに教わった。

アジサイ越しに望む相模湾
参拝者に人気の和み地蔵

ここまで来たら、と眺望散策路に続く長い階段を上り、由比ヶ浜と三浦半島を一望。5月下旬~7月上旬には40種2500株のアジサイに彩られ、さらに美しい景色となることだろう。境内の「てらやカフェ」でソフトクリームを食べてから長谷寺をあとにし、海岸へ。鎌倉海浜公園には鎌倉幕府3代将軍・源実朝(さねとも)の歌碑があり、実朝が平和な世を願った頃と変わらぬ波音が響いている。

鎌倉海浜公園(坂ノ下地区)で潮風に吹かれ、旅を締めくくる

文/内山沙希子 写真/齋藤雄輝ほか

 

【モデルコース】

●徒歩距離/約7.8キロ
●徒歩時間/約2時間30分

鎌倉駅
 👟(80メートル)
梅体験専門店 蝶矢 鎌倉店
 👟(1500メートル)
仮粧坂
 👟(100メートル)
源氏山公園(源頼朝像)
 👟(400メートル)
大仏ハイキングコースの展望スポット
 👟(350メートル)
銭洗弁財天 宇賀福神社
 👟(500メートル)
佐助稲荷神社
 👟(2000メートル)
鎌倉大仏殿高徳院
 👟(350メートル)
MOKICHI KAMAKURA
 👟(1000メートル)
長谷寺
 👟(1000メートル)
鎌倉海浜公園(実朝歌碑)
 👟(550メートル)
長谷駅

 

鎌倉大仏殿高徳院

写真/鎌倉市観光協会

鎌倉大仏と呼ばれ、鎌倉のシンボルとして参拝客を集めるのは、高徳院の本尊「国宝銅造阿弥陀如来坐像」。像高11.3メートル、重量121トン。仏像内は空洞で、大仏胎内拝観(50円)もできる。境内には与謝野晶子の歌碑もある。

■8時~17時15分(10月~3月は~16時45分)/無休/300円/江ノ島電鉄長谷駅から徒歩7分/TEL0467-22-0703 公式サイトはこちら

 

長谷寺

736年創建と伝わり、長谷観音の名で親しまれる。本尊の「十一面観世音菩薩像」は高さ9.18メートル。境内には観音ミュージアムやカフェもあり、海光庵では「お寺のカレー」が味わえる。アジサイ観賞は平日の朝がおすすめ。

■8時~17時(7月~3月は~16時30分)/無休/400円/江ノ島電鉄長谷駅から徒歩5分/TEL0467-22-6300 公式サイトはこちら

 

MOKICHI KAMAKURA

クラシカルな外観が目を引くレストランは熊澤酒造が運営。蔵元ならではの発酵食材や自家栽培のハーブを使った創作料理がそろう。平日限定ランチコース3700円。コースの一品「PLANT(プラント)」はハーブのプランターを表現。

■ランチ11時30分~14時30分、カフェ14時30分~15時30分、ディナー17時30分~20時/火曜休/横須賀線鎌倉駅からバス10分、大仏坂下車すぐ/TEL0467-33-4614 公式サイトはこちら


鎌倉駅

1889年開業。現在の駅舎は1984年改築の3代目。JR東日本の駅は「関東の駅百選」の一つで、横須賀線と湘南新宿ラインが乗り入れている。藤沢駅と鎌倉駅を結ぶ江ノ島電鉄の終着駅でもある。

※記載内容はすべて掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年6月号)
(Web掲載:2024年8月8日)


Writer

内山沙希子 さん

京都生まれ。本や雑誌を作る仕事を求め、大学在学中に上京。その後、美術館やレストラン、温泉宿、花名所、紅葉名所等のガイドブックを中心に、雑誌や書籍の企画・編集に携わる。2017年頃から月刊「旅行読売」で原稿の執筆を開始。「旅行読売」での取材を通して、鉄道旅に目覚めるかどうかは未知数。

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