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トンネル駅、海辺の駅を訪ねて 谷川岳の麓から日本海へ(1)【フリーきっぷであの駅へ・フリーきっぷ編】

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 新潟県

> 利根郡、柏崎市、上越市ほか
トンネル駅、海辺の駅を訪ねて 谷川岳の麓から日本海へ(1)【フリーきっぷであの駅へ・フリーきっぷ編】

土合駅の長い階段。ほぼ一直線で途中に休憩用のベンチがある

 

週末パスで5500円お得!

上越新幹線越後湯沢駅で上越線の上り列車(水上方面)に乗り換えて〝日本一のモグラ駅〟こと、谷川岳の麓にある群馬県の土合駅を目指した。今回は土・日曜の限定ながら、フリーエリア内のJR線のほか一部私鉄の普通列車(快速含む)に2日間、乗り降り自由の「週末パス」を使い、個性派の駅を巡る。別途特急券などを買えば新幹線や特急にも乗れる、お得度抜群のきっぷだ。

土合駅の1駅手前の土樽駅を出るとほどなくトンネルに入り、期待感が高まる。ところが、車内は急に明るくなりそのまま土合駅に到着。えっ! 地上にホームがあるではないか! 鉄道ファンには笑われそうだが、門外漢には新発見。目当ての地下ホームは上り線ではなく下り線にあるのだ。

土合駅。谷川岳の麓にあり、旧駅務室はカフェ(不定休)になっている

心を落ち着かせ、改札口を左に見て進むと地下に続く長い階段があった。その数は462段。高低差は約70メートルあり、有人駅だった頃は階段を下りる時間を考慮して、最終列車の出発10分前に改札を閉めたそうだ。

下りホームの運用開始は1967年。それ以前は地上ホームだけだったが、複線化に伴い下り列車用の新清水トンネルが掘削され新設された。階段を下りてみると、トンネル内は想像していたより明るく怖さはない。特撮映画の秘密基地にでも行くようでワクワクしてきた。

階段を下り終え、ふと思った。この階段は上ってみないとその苦労は分からない。すぐさま階段を上る。大汗をかいて最上段に到着し、再び気付いた。越後湯沢駅に戻るには、また下りないと……。太ももに活を入れて足を進めた。

地下ホームには待合室もある

足腰の疲れを車内で癒やしながら、越後湯沢駅から上越新幹線で新潟駅へ。駅ビルのショッピングセンター「CoCoLo(ココロ)新潟」が4月25日にグランドオープンし、多くの人でにぎわっていた。

駅ビル内を見てから信越線の特急しらゆきに乗り、柏崎駅に向かった。特急を使ったのは日本海に沈む夕景に間に合わせるためだ。駅前のホテルで荷物を解き、夕暮れを待って、みなとまち海浜公園まで20分ほど歩く。待つことしばし。オレンジ色に空を染めながら、太陽が水平線の彼方に姿を消した。

柏崎駅が最寄りとなる「みなとまち海浜公園」で夕日を眺める

使ったのはこのきっぷ!

週末パス◉8880円

関東甲信越と南東北のJR線と一部私鉄の普通列車(快速を含む)の普通車自由席が乗り降り自由。別に特急券を買えば、新幹線・特急列車も利用できる。発売は利用開始日1か月前から前日まで。駅レンタカーも特別料金で利用できる。
■期間:2025年3月28日までの土曜、休日のうち連続する2日間(8月10日〜19日、12月28日〜25年1月6日は利用不可) 
■問い合わせ:JR東日本お問い合わせセンターTEL050-2016-1600

※記載内容はすべて掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年7月号)
(Web掲載:2024年8月3日)


Writer

内田晃 さん

東京都足立区出身。自転車での日本一周を機に旅行記者を志す。四国八十八ヵ所などの巡礼道、街道、路地など、歩き取材を得意とする。著書に『40代からの街道歩き《日光街道編》』『40代からの街道歩き《鎌倉街道編》』(ともに創英社/三省堂書店)がある。日本旅行記者クラブ会員

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