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多摩川の「源流の村」で温泉につかる 道の駅こすげ【47都道府県行きたい道の駅】

場所
> 北都留郡小菅村
多摩川の「源流の村」で温泉につかる 道の駅こすげ【47都道府県行きたい道の駅】

左はペペロンチーノ(ソーセージと小菅村産ヒラタケ)、右はミートソース(小菅村産ジャガイモなど使用)各1300円。奧は小菅村産ヒラタケのマリネ600円

 

2024年4月リニューアル イワナ、ヤマメ、ワサビに温泉 多摩川源流の恵みに浸る

東京郊外の青梅から車を走らせ山梨県東部の小菅(こすげ)村に向かった。カーブが連続する坂を上り、豊かな水をたたえた奥多摩湖に沿って走る。しばしの絶景ドライブだ。

小菅村は面積の約95%を森林が占め、多摩川と相模川の源流部でもある。清冽(せいえれつ)な水の恵みを生かし、ワサビの生産量は山梨県内トップクラス。日本で初めてヤマメの養殖に成功するなど養殖業の先進地でもある。そんな「源流の村」ならではの魅力を体験できるのが、道の駅こすげだ。施設は物産館、レストラン、日帰り温泉施設、フォレストアドベンチャー(森林アスレチック)などで構成されている。

物産館は今年4月にリニューアルオープンした
手作り感あふれるオブジェがお出迎え
フォレストアドベンチャーには子どもが楽しめるコースもある

「土・日曜は駐車場が満車になり、臨時駐車場に案内するほどです」と話すのは、道の駅こすげ事業統括部長の古菅(こすげ)芳勝さん。物産館は今年4月に建物の改修を終え、より買い物しやすい雰囲気となった。

物産館には、村内や近隣の特産品が所狭しと並ぶ。特に目立つのが「イワナの一夜干し」「山女魚(やまめ)の塩焼き」「やまめほぐし飯」などのイワナやヤマメの加工品だ。さらにわさび漬けや手作りこんにゃくなど、食欲をそそる商品がずらり。珍しいのは、ヒマラヤヒラタケというきのこ。傘の部分が崩れやすいため、あまり村外に流通していないそうだが、「油との相性がよく、炒め物にすると抜群のおいしさですよ」と古菅さん。

物産館の店内
「小菅村を体験しにきてください」と話すスタッフの亀井正子さん(右)と長瀬克敏さん
生ワサビは500円前後が目安(大きさにより異なる)

小腹がすいたら、小菅村名物の「チャーちゃんまんじゅう」がおすすめ。あんこ、よもぎ、餃子(ぎょうざ)など中身の餡(あん)の種類が豊富だ。しっかり食べるなら「源流レストラン」へ。豊かな自然を眺めながら、村の食材を使ったピザやパスタなどを味わおう。

小菅村産名物の数々。(左)ヤマメのアンチョビ1188円。一般的なイワシのアンチョビよりクセがなく軽い風味(中)手づくり唐辛子みそ650円(右)チャーちゃんまんじゅう(つぶあん)173円ほか
マルゲリータピザ1400円。ピザ目当てに訪れる人も多い
明るい雰囲気の店内。料理はカウンターに受け取りに行くフードコート方式

日帰り温泉施設「多摩源流温泉小菅の湯」は、泉質も抜群だ。無色透明なpH9.98の高アルカリ泉があふれ、手足がつるつるになる感触が楽しめる。館内は広く、休憩スペースも充実している。「時間制限はないのでゆっくりしていってくださいね」とスタッフ。「旅の途中で立ち寄るというより道の駅自体を目的に訪れる方が多いですね」と古菅さんが話すのも納得だ。

自然光が差し込む明るい大浴場。寝湯や打たせ湯などもある。温泉は間伐材を活用した薪(まき)ボイラーで加温している

湯上がりにはレストランのテイクアウトコーナーで売っているシャインマスカットソフトクリームを。さっぱりしていて、酸味が心地いい。すっかりリフレッシュして奥多摩の山を下った。

文/星 裕水 写真/阪口 克

シャインマスカットソフトクリーム

こすげ
TEL:0428-87-0765
住所:小菅村3445
営業:【物産館・ふれあい館】9時〜17時(12月〜3月は10時〜)/無休【源流レストラン・テイクアウト】10時〜16時(ピザ・パスタは11時〜14時30分)、土・日曜、祝日は~17時(ピザ・パスタは〜15時30分)※火曜はピザ提供休み/水曜休(臨時休あり)【多摩源流温泉 小菅の湯】10時~17時20分、
食事処は〜16時/金曜休(8・11月は第4金曜のみ休〈変更の場合あり〉)/800円
交通:圏央道青梅ICから47キロまたは中央道大月ICから25キロ
駐車場:【普通車】93台【大型車】4台

※記載内容はすべて掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年9月号)
(Web掲載:2024年8月21日)


Writer

星 裕水 さん

旅行ジャーナリスト・編集者。鉄道、航空、クルーズに関する企画・執筆・編集を多数手掛ける。著書に「絶景の空旅」(小学館、共著)、企画・編集として「脳内&リアルに楽しむ!達人が教える鉄道旅」(JTBパブリッシング)ほか。国内小規模観光地の振興策を研究し、MBA(経営管理学修士)を取得。近年は観光手段としての交通機関やモビリティの研究を行う。横浜育ちの団塊ジュニア世代で、大人になるまでサンマーメンは全国どこにでもあるメニューだと思っていた。プライベートでは、新型コロナ禍の間お休みしていた着付けの稽古も再開したいと考える今日この頃。

 

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