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【旅する喫茶店】サロンMonET(十日町)

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 新潟県
> 十日町市
【旅する喫茶店】サロンMonET(十日町)

白を基調とした明るい空間のサロンMonET(モネ)。書棚の合間には、美術家· 彫刻家の中谷ミチコ氏の彫刻作品「遠方の声」が点在する(写真/Nakamura Osamu)

 

アートと蔵書に囲まれた芸術空間

今年は「大地の芸術祭 越後妻有(つまり)アートトリエンナーレ2024」の開催年だ。十日町市、津南町を舞台に3年に1度開催される国際的なアートの祭典は、「越後妻有里山現代美術館 MonET」でも行われる。その2階、芸術祭開催中の7月〜11月のみ、来館者を対象に営業する喫茶店を訪れた。

まず目に入るのは、円弧状の壁面の書棚に並ぶ芸術関係などの蔵書の数々だ。貴重な書籍や雑誌、図版もあり、香り高いコーヒーを飲みながら、ゆっくりと読むことができる。

設置された白い丸テーブルには、それぞれ複雑な黒い〝筋〞が描かれている。12基あるテーブルをすべて並べると、近くを流れる信濃川の長大な形が現れる趣向だ。天井には約1000個のきらめく円盤(モビール)が微妙に動き、川面の輝きと空に浮かぶ雲を表現しているという。これらはイタリアのアーティストによる「Two River(トゥーリバー)」と名付けられた作品。芸術祭の施設らしく、空間の随所に作品があり、訪れた者を引き付ける。

美術館は口の字形に建物を配し、中庭には水をたたえた「Palimpsest: 空の池」の作品が広がる
窓越しに「Palimpsest: 空の池」を眺めるカウンター席

人気メニューは地元素材を使った妻有アイス。「今回限定の特別メニューとして酒粕のチーズケーキや焼き菓子もご提供予定です」とスタッフは話す。喫茶スペースは通年公開されているが、今年の営業は開催期間のみで、来年以降は未定。芸術祭とあわせ、この機会にぜひ訪れたい。

文/荒井浩幸 写真/阪口 克ほか

芸術作品にひたりながらコーヒーやスイーツを楽しめる。人気の妻有アイスはテイクアウトもできる(イメージ)写真/Nakamura Osamu

サロンMonET

新潟県十日町市本町6-1
TEL:025-761-7766
営業:11時~16時30分(2024年は7月13日~11月10日のみ営業)/火・水曜休(入店の際は美術館の入館料、芸術祭の作品鑑賞パスポートが別途必要)
交通:飯山線、北越急行十日町駅から徒歩10分

※記載内容は掲載時のデータです。営業時間、料金は変更になる場合があります。

(出典:「旅行読売」2024年8月号)
(Web掲載:2024年9月15日)


Writer

荒井浩幸 さん

1970年、埼玉県生まれ。旅に関することならジャンルを問わず、オールマイティにこなす、旅行ライター。食欲旺盛で、その「実力?」は特に味の店の連続取材の時にいかんなく発揮される! そして、昼はコーヒーを味わい、夜はお酒をたしなむ。旅とともに国内の民俗に関心をもち、研究もしている。

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