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いざ冒険映画の世界へ!幻想的な地下空間で涼む 大谷資料館(1)【日本の涼景】

場所
> 宇都宮市
いざ冒険映画の世界へ!幻想的な地下空間で涼む 大谷資料館(1)【日本の涼景】

大谷コネクトの旧大谷公会堂は、旧城山村議会や芝居などの会場として使われた

 

江戸中期から続く大谷石の産地・大谷町

宇都宮市の大谷資料館を初訪問したのは10年前のこと。当時は真夏でも分厚い上着の貸し出しがあり(現在は休止中)、そんなに涼しいの?と驚いたものだ。その〝涼しさ〟を求めて久しぶりにやって来た。

東北新幹線宇都宮駅からバスに乗り、大谷観音前バス停で下車。大谷資料館の最寄りバス停よりも手前で下車したのは、昨年11月に開設された「宇都宮市大谷観光周遊拠点施設大谷コネクト」を訪ねるためだ。施設は1929年に竣工した国の登録有形文化財の旧大谷公会堂とビジターセンターから成る。

「大谷町は江戸中期から続く大谷石の産地です。旧大谷公会堂は旧城山村の公会堂として建てられ、約2000本の大谷石が使われています。その石材の約90%を再利用して、現在地に移築、復元しました」と施設長の長瀬敦さんは語る。

建物正面には幾何学模様を刻んだ4本の付け柱が施され、設計者・更田(ふけた)時蔵のセンスの良さがうかがえた。

正面の付け柱には美しい細工が施されている
強度の強い洋風小屋組みの造りが見学できるよう天井の一部を開放している
ガイドの小森賢司さん

バス通りを歩き大谷公園へ。園内にそびえる平和観音は56年開眼の石仏で高さ27メートルもある。「大谷の奇岩群」の一つの御止山(おとめやま)を望む大谷景観公園に寄り、旧ホテル盤石(ばんじゃく)荘の客室の一部を改装したそば倶楽部(くらぶ)稲荷山でこだわりのそばを味わったら、いよいよ大谷資料館を訪問だ。

世界平和を願って開眼された大谷公園の平和観音
大谷景観公園。奥に見える御止山は江戸期に一般の立ち入りが禁じられたことから命名された
大谷では天狗が放り投げたと伝わる「天狗の投げ岩」などの奇岩も多く見られる

そば倶楽部 稲荷山

一番人気は2種のそばを選べる「合盛りセット〜食べくらべ〜」1600円。季節の天ぷらは揚げたてを提供する
テラス席は愛犬と一緒に食事ができる

そば粉は那須烏山市などの八溝(やみぞ)山地産のものをメインに使用。二八そば、十割そば、寒ざらしそば、発芽そばなど、常に3、4種のそばをそろえる。チタケ(乳茸)、栃木シャモなど郷土色豊かなつけ汁も好評。
■11時〜14時(土・日曜、祝日は〜15時。そばがなくなり次第終了)/火・水曜(祝日の場合は翌日)休/東北新幹線宇都宮駅からバス29分、大谷観音前下車すぐ/TEL028-612-5380
公式サイトはこちら


大谷資料館
営業:9時〜16時30分(12月〜3月は9時30分〜16時)/無休(12月〜3月は火曜〈祝日の場合は翌日〉休)/800円
交通:東北新幹線宇都宮駅からバス30分、資料館入口下車徒歩5分/東北道宇都宮ICから8キロ
住所:宇都宮市大谷町909
問い合わせ:TEL028-652-1232

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年8月号)
(Web掲載:2024年9月22日)


Writer

内田晃 さん

東京都足立区出身。自転車での日本一周を機に旅行記者を志す。四国八十八ヵ所などの巡礼道、街道、路地など、歩き取材を得意とする。著書に『40代からの街道歩き《日光街道編》』『40代からの街道歩き《鎌倉街道編》』(ともに創英社/三省堂書店)がある。日本旅行記者クラブ会員

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