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【5000円で日帰り満足旅】日暮里、柴又、押上を巡り 下町の昔と今に思いをはせる(2)

場所
> 台東区、葛飾区、墨田区
【5000円で日帰り満足旅】日暮里、柴又、押上を巡り 下町の昔と今に思いをはせる(2)

門前とらやの店先は名物の草だんごを求める客でにぎわう。女将との会話も弾む。「たびよみリポーター」の大原陽子さんは「少し時間がたっても軟らかいと言われたので、触ってみたら本当に軟らかかった」と目を丸くしていた

 

江戸から昭和、そして令和へ

【5000円で日帰り満足旅】日暮里、柴又、押上げを巡り 下町の昔と今に思いをはせる(1)から続く

京成電鉄の「下町日和きっぷ」で旅に出た「たびよみリポーター」の大原陽子さんと佐野水香(みか)さん。日暮里から柴又へと移動し、帝釈天の参道を散策した。道の両脇には和菓子や佃煮、土産物などの店舗が並び、古き良き時代の風情が漂う。休憩を兼ね、名物の草だんごを食べるため、1887年創業の「門前とらや」に入る。店内では、「男はつらいよ」の撮影が行われたこともあったそうだ。

下町日和きっぷの割引で、1本200円の食べ歩き用の草だんごが100円で買える。「だんごもあんこも自家製で昔から変わらない味。映画のお陰で全国から寅さんファンに食べに来てもらえる」と女将の中村千恵さん。素朴なおいしさに、皿盛りの草だんごを追加注文した。「草の香りとあんこのまろやかさがマッチしてとてもおいしかった。また食べにきたくなりました」と佐野さんは話した。

参道の中でも目を引く門前とらやの店舗 ■10時〜16時30分(土・日曜、祝日は9時〜17時)/不定休/TEL03-3659-8111
門前とらやの店内では丼ものや麺類なども食べられる
食べ歩き用草だんご。1本200円、下町日和きっぷ割引で100円
時代を感じさせる店が立ち並ぶ帝釈天の参道。「団子のほかにもせんべいや佃煮など、おいしそうでのぞいてみたくなるお店ばかりでした」と佐野さん

江戸、明治、昭和の雰囲気を味わったら、一気に平成、令和の現代へ戻ろう。押上駅で下車すると、目の前に東京スカイツリーがそびえ立っていた。2012年に完成した高さ634メートルの電波塔で、タワーとしては世界一の高さを誇る。真下の広場から見上げるだけでも、目がくらむような不思議な感覚になる。

旅の締めくくりは、この展望台から東京の街を見渡すことにしよう。東京を代表する観光スポットだけに、ロビーは観光客でいっぱいだ。高速エレベーターであっという間に高さ350メートルの天望デッキに着く。ここは上から2段目の展望台で、入場料2100円(平日前売り券)だ。

下から見上げると迫力満点のスカイツリー。「見上げるだけでもすごい迫力ですね」と佐野さん
スカイツリーをバックに記念撮影。「写真に収めるのもひと苦労です」と大原さん
ガラス張りの床から地上を見下ろせる。「怖いのと楽しいのと。ドキドキワクワクでした」と佐野さん

壁面いっぱいのガラス窓から見渡すと、すぐ下に浅草、向こうに上野恩賜公園の緑が目に入る。その右手辺りが日暮里だろう。柴又は京成線のレールが延びている荒川の先のはずだが、あいにくの小雨模様でもやがかかっていた。進化し続ける大都会の一角で、下町では昔ながらの人情味あふれる人々が今日も元気に暮らしている。下町日和きっぷは時空を超える旅のチケットなのか。何やら、スカイツリーが巨大なタイムマシンのように思えてきた。

地上へ下りてきて、ひと息ついた。「下町はどこを撮っても写真映えする。お得なきっぷでいろいろ見て回れて、また行ってみたくなりました」と大原さん。佐野さんも「出会った人たちが皆さん温かくて優しかった。とても下町らしくて、よい旅になりました」。これで経費は総額4850円。なかなか充実した旅だった。

文/山脇幸二 写真/齋藤雄輝 ヘアメイク/依田陽子、金田仁見

 

東京スカイツリー

スカイツリーの天望デッキからの眺望。関東平野や東京湾などが見渡せる。「遠くまでよく見えて、いつまでも飽きずに眺めていられます」と佐野さん
上空からの絶景を楽しむ大原さんと佐野さん

■展望台10時〜21時(日曜、祝日は9時〜)/無休/TEL0570-55-0634

 

今回使った“お得なきっぷ”

下町日和きっぷ◎京成電鉄

大人530円。東京都内の京成上野(押上)―京成金町駅(江戸川駅)間が1日乗り降り自由。エリア内の提携施設や店舗で優待特典も受けられる。京成線各駅の券売機で販売。


※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2024年12月号)
(Web掲載:2024年11月15日)


Writer

山脇幸二 さん

2022年6月に編集部に着任し、8月から編集長。読売新聞の記者時代は27年にわたって運動部でスポーツ取材に明け暮れた。一時は月の半分近くが出張という生活で、旅行しながら仕事しているような状態だった。今やその旅行が仕事になろうとは…。趣味はロック鑑賞で、ライブやフェスに通うことで身も心も若さを保とうと悪あがきする。矢沢永吉さんを尊敬し、ともに歳を重ねていける幸せをかみしめる日々。

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