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【紅葉の秘湯】山あいの名湯でトド寝を満喫 青森・古遠部温泉

場所
> 平川市
【紅葉の秘湯】山あいの名湯でトド寝を満喫 青森・古遠部温泉

うっすらと底が見えるくらいの濁り湯がかけ流されている。内臓疾患や神経痛などに適応

 

豊富な源泉を”トド寝”で堪能

秋田との県境に近い山あいにたたずむ一軒宿。「碇ヶ関(いかりがせき)ICからの道中の紅葉がきれいですよ」とスタッフの後藤裕次郎さんが迎えてくれた。

宿の名物は何といっても毎分500リットル湧く豊富な源泉。少し熱めの44度で男女別の内湯にかけ流されている。ぜひ挑戦したいのが独特の入浴法「トド寝」だ。浴室の床にトドのように寝転がり、5人も入ればいっぱいの浴槽からザバザバとあふれる湯を浴びる。浴槽に入ったり、トド寝をしたりを繰り返していると、体がほぐれて軽くなり、芯まで温まっていくように感じた。

源泉がドバドバと注がれる
宿では烏骨鶏を育てており、宿泊者向けに卵(1個150円)とレンジで温めるご飯(150円)を販売

宿は前社長の木村達夫さんが1970年に開業。昨年、廃業を考えたが惜しむ声が上がり、後継者を募集。常連客の長井めぐみさんとその親族の後藤正男さんが8月に継承した。現在、宿泊は素泊まりのみ。食事は碇ヶ関駅近くの道の駅いかりがせきで調達できる。建物の修繕のためクラウドファンディングを計画中で、今後は食事の提供も目指している。

客室から大きなモミジの木が見える。携帯電話がつながらない静かな環境で、風呂上がりに布団に入ると、不思議と落ち着いてスッと眠りにつけた。

文/堀内志保

客室はこぢんまりとした和室
宿から車で10分、国道282号坂梨峠の紅葉

古遠部(ふるとおべ)温泉

🍁紅葉の見頃:10月上旬~11月上旬
TEL:0172-46-2533
住所:平川市碇ヶ関西碇ヶ関山1-467
客室:全4室
温泉:ナトリウム・カルシウム―塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉

1泊素泊まり(1人分)
2人1室利用 平日7000円~・休前日7000~
1人1室利用(通年可) 平日7150円~・休前日7150円~
※冬季(11月〜3月)は1部屋につき暖房代別途500円
日帰り入浴:9時~20時/400円

交通:奥羽線津軽湯の沢駅または碇ヶ関駅から送迎あり(宿泊者は碇ヶ関駅から500円、日帰り入浴は津軽湯の沢駅から600円、要予約)/東北道碇ヶ関ICから6.5キロ

※料金などは掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年10月号)
(Web掲載:2024年11月26日)


Writer

堀内志保 さん

埼玉県生まれ。1999年から2年あまり社会人類学の調査でアフリカ大陸の沖に浮かぶマダガスカル島に滞在。『マダガスカルを知るための62章』(明石書店)では、市場と割礼祭の章を担当した。2003年から宮城県に住み、写真家の夫とともに東北各地の自然や歴史、食、温泉、手仕事などに触れ、新聞や雑誌に記事やエッセイを発表している。

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