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【紅葉の秘湯】色めく赤目の森にくつろぐ 三重・伊賀のかくれ宿 赤目温泉隠れの湯 対泉閣

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 三重県
> 名張市
【紅葉の秘湯】色めく赤目の森にくつろぐ 三重・伊賀のかくれ宿 赤目温泉隠れの湯 対泉閣

「山のDINING(ダイニング)滝のべ」とその外側に設置されたウッドデッキでのんびり紅葉観賞

 

『森のリゾート』をコンセプトにリニューアル

三重と奈良の県境を流れる滝川の上流に、美しい瀑布(ばくふ)が連なっている。室生(むろう)赤目青山国定公園の中心に位置する赤目四十八滝。現在は遊歩道の整備された紅葉名所だが、かつては修験道や伊賀忍者の修行場があったと伝わる。原生林を潤す神秘的な渓谷の入り口近くに立つのが対泉閣だ。

近鉄大阪線赤目口駅から送迎バスで10分。田園地帯を抜けて滝川沿いの山道を進んだ先にあり、本館、こもれびの館、楓韻(ふういん)の館からなる。ラウンジや露天風呂、最上階の客室などから渓谷を望み、秋はイロハモミジやカエデの紅葉が鮮やか。

「明治期は滝参りの方々を迎える茶屋でした。その頃から旅人をもてなす心は変わりませんが、近年は『森のリゾート』をコンセプトにリニューアルを進めています」と女将の玉置章子さん。昨年から今年にかけてロビーやラウンジ、大浴場などが生まれ変わり、露天風呂付き客室が新設された。まずはラウンジで秋の森を眺め、ウェルカムドリンクを手にくつろぎたい。ウッドデッキに出れば、渓谷を渡る風が頬を撫な でる。

半露天風呂付きのジュニアスイート客室

渓谷上流に忍者の隠し湯があったたという言い伝えが残り、温泉を掘削したのは1988年のこと。「隠れの湯」と名付けられた源泉はアルカリ性単純温泉で、しっとりなめらかな美肌の湯だ。大浴場は「上忍(じょうにん)の湯」と「くのいちの湯」が男女日替わり。外気浴のできるウッドデッキが備わり、湯上がりラウンジでは中庭の紅葉が眺められる。大浴場から回廊を渡って向かう露天風呂では、自然を間近に感じながら湯浴みしよう。

大浴場「上忍の湯」。渓谷を望みながらの外気浴も気持ちがいい
男性用露天風呂「半蔵の湯」。ウッドデッキから山々を眺められる

赤目四十八滝は「平成の名水百選」の一つで、夕食の楽しみは名水に育まれた伊賀牛、伊賀米、伊賀酒だ。希少な伊賀牛はとろけるような軟らかさと甘みが特徴。スタンダードな「月替わり会席」で伊賀牛の小鍋が登場するほか、「伊賀牛づくし会席」など多彩なプランがそろう。朝食の主役は伊賀米コシヒカリ。かまどで炊いたご飯、伊勢志摩産アオサのみそ汁などが元気をくれる。

伊賀牛のうま味をあっさりといただく「伊賀牛しゃぶしゃぶ会席」
赤目四十八滝の伏流水で仕込んだ「瀧自慢」など、伊賀の地酒を味わおう
赤目地区で栽培された伊賀米コシヒカリがおいしい朝食
幽玄の竹あかり

滞在中は心ゆくまで赤目四十八滝での紅葉散策を。「日中に滝巡りをされたお客様が、夕暮れ時や朝食前などに再び散策されることも多いようです」と玉置さんが話すように、錦に染まる森の中で、宿泊客ならではの過ごし方ができる。10月下旬~1月下旬の夜間は「幽玄の竹あかり」(上の写真)と題した渓谷ライトアップも行われる。

文/内山沙希子

紅葉の名所を満喫

  

赤目四十八滝

「日本の滝百選」の一つで、滝川の上流約4キロに滝が点在する。不動滝や千手滝など、赤目五瀑と呼ばれる滝が見どころ。ゆったり散策コースは所要1時間。渓谷入り口の日本サンショウウオセンターは、4月に赤目滝水族館としてリニューアルした。
■8時30分~17時(季節により異なる)、ライトアップは17時~20時(変動あり。12月以降は土・日曜、祝日開催)/12月28日~31日休、12月~3月第2木曜は木曜休/渓谷保全料(赤目滝水族館入場料)1000円/対泉閣から徒歩5分/TEL0595-41-1180


伊賀のかくれ宿 赤目温泉隠れの湯 対泉閣

🍁紅葉の見頃:10月下旬~11月下旬
TEL:0595-63-3355
住所:名張市赤目町長坂682
客室:全37室
温泉:アルカリ性単純温泉

1泊2食料金(1人分)
2人1室利用 平日2万3100円~・休前日2万7500円~
1人1室利用(繁忙期を除く)平日2万6950円~・休前日3万4100円~
日帰り入浴:10時30分~14時/1200円

交通:近鉄大阪線赤目口駅から送迎10分(要予約)/東名阪道亀山ICから60キロ

※料金などは掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年10月号)
(Web掲載:2024年12月20日)


Writer

内山沙希子 さん

京都生まれ。本や雑誌を作る仕事を求め、大学在学中に上京。その後、美術館やレストラン、温泉宿、花名所、紅葉名所等のガイドブックを中心に、雑誌や書籍の企画・編集に携わる。2017年頃から月刊「旅行読売」で原稿の執筆を開始。「旅行読売」での取材を通して、鉄道旅に目覚めるかどうかは未知数。

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