【旅して開運】金沢<石川> 加賀百万石の縁起物めぐり
平岡結納舗の金沢水引体験は所要1時間~1時間30分、3000円~3500円
加賀百万石が育んだ伝統と文化が息づく金沢へ
兼六園で雪吊(つ)り作業が始まったというニュースが流れると、新しい年が近づいているのを感じる。加賀百万石が育んだ伝統と文化が息づく金沢へ、縁起物を探す旅に出かけた。
まずは、加賀藩藩祖の前田利家と正室まつを祀(まつ)る尾山(おやま)神社を参拝。武将にあやかり、受験や試合などの必勝祈願に訪れる人が多いという。利家とまつは仲が良く、11人の子にも恵まれた夫婦なので、夫婦円満や良縁、子宝などのご利益も期待できそうだ。1875年建造の神門は、国の重要文化財。最上階の第3層にはめ込まれたギヤマンと呼ばれるステンドグラスが美しい。
尾山神社からすぐの平岡結納舗(ゆいのうほ)は、結納品にかけられる水引の専門店。「縁起の良いアイテムとして、水引細工の人気が高まっているようです」と、3代目店主の平岡慎子さん。ここでは箸置きやアクセサリーを作る金沢水引体験ができる。お正月に向けて、しめ縄作りに挑戦することにした。色とりどりの水引の束から7本を選び、梅結びという結び方を習う。水引をきれいにそろえる作業に手こずったが、平岡さんの助けも借りて完成。自分で作った世界に一つだけのしめ縄で迎える年は、良いことがあるに違いない。そんな気がして、来る年が待ち遠しくなった。
尾山神社から鼠多門(ねずみたもん)橋を渡り、金沢城公園へ。前田家の居城だった金沢城の門などが復元されている。兼六園では、雪吊りに庭師の技が光る。兼六園から徒歩15分のひがし茶屋街には、茶屋文化が今も残る。伝統的な職人技や文化が現代に受け継がれているのも、金沢の魅力。
金箔(きんぱく)も、そんな金沢で400年以上続く伝統工芸品だ。今や、国内産の金箔はすべて金沢で生産されているそうだ。身を守り、幸運を呼ぶと言われる金の縁起物を求めて、箔座本店に寄った。金箔の老舗には、アクセサリーや化粧品、食品など金箔製品がたくさん。金箔入りサイダーや料理用金箔があると、新年の食卓が華やぎそう。店内に作られた「黄金の茶室」は、豊臣秀吉の黄金の茶室がモデル。壁や天井にはられた約4万枚の金箔が放つ上品な輝きを眺めているうちに、気分が高揚してくる感じがした。
金沢には、新春に好んで食べられる縁起菓子も多い。おみくじ入りの「辻占(つじうら)」を買い求めて帰ることにしよう。
文/出口由紀
【モデルコース(日帰り)】
金沢駅
↓(バス7分+徒歩3分)
尾山神社
↓(徒歩すぐ)
平岡結納舗
↓(徒歩8分)
金沢城公園、兼六園
↓(徒歩15分)
ひがし茶屋街
↓(徒歩10分)
箔座本店
↓(徒歩2分+バス10分)
金沢駅
尾山神社
■拝観自由/無休/北陸新幹線金沢駅からバス7分、南町・尾山神社下車徒歩3分/TEL076-231-7210
平岡結納舗
■10時~16時(水引体験は要予約)/火曜休、12月31日~1月3日休/北陸新幹線金沢駅からバス7分、南町・尾山神社下車徒歩2分/TEL076-231-6770
箔座本店
■9時30分~17時30分/無休/北陸新幹線金沢駅からバス5分、小橋町下車徒歩2分/TEL076-251-8941
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2025年1月号)
(Web掲載:2025年1月7日)