【鉄道ひとり旅】観光列車で存分に車窓を楽しむ(2)信越線-篠ノ井線-大糸線

白馬駅周辺を走る「リゾートビューふるさと」。冠雪した白馬連峰が見られることも。現在、ラッピング列車は走っていない(写真/ピクスタ)
北アルプスの水の恵みを体感
【鉄道ひとり旅】観光列車で存分に車窓を楽しむ(1)信越線-篠ノ井線-大糸線から続く
南小谷駅からは白馬方面に向かうバスもあり、ロープウェイやゴンドラでさらに絶景を楽しむこともできる。が、2日目は信濃大町駅で途中下車することにした。車窓から眺めた雄大な山々や流れる川の光景が心に残り、麓の暮らしを垣間見たくなったからだ。
駅構内にある観光案内所で地図をもらい、駅前から続く大きな通りを歩く。飲食店、洋品店、呉服屋さん、草履(ぞうり)屋さんなどが並ぶ本通りだ。かつてここは、糸魚川から松本まで塩や海産物を運ぶ千国(ちくに)街道で、大町は宿場町としてにぎわったという。今も所々に、往時の面影を残す町家風の建物が残る。

通りの両脇には水場が点在し、自由にくんで飲めるようになっている。大町市は上水道の水源のほとんどが湧水で、本通りの西側は北アルプス上白沢が水源の「男清水(おとこみず)」、東側は里山・居谷里(いやり)の「女清水(おんなみず)」と呼ばれ、味も異なるそうだ。


脇道には水道が引かれる前に使われていた水路が残る場所もあり、水が流れる音が心地いい。おいしい水でボトルを満杯にして、帰りの列車に乗った。
文/高崎真規子 写真/三川ゆき江ほか
👟信濃大町駅から訪ねる資料館
塩の道ちょうじや


江戸時代に麻問屋と塩問屋を営んでいた旧平林家の建物(国登録有形文化財)を資料館として公開。塩を運ぶ道具や旅装なども展示する。母屋は1890年、蔵は江戸後期に建てられたもので、歩荷(ぼっか<運搬人>)がわらじを履いたまま足を下ろせる「フンゴミ」といういろりも残る。
■9時~16時(11月~3月は~15時30分)/水曜・年末年始休/500円/大糸線信濃大町駅から徒歩8分/TEL0261-22-4018
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※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2024年11月号)
(Web掲載:2025年2月2日)