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【5000円で日帰り満足旅】旅行ライターおすすめ「私ならこう使う!5000円満足旅」(2)

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【5000円で日帰り満足旅】旅行ライターおすすめ「私ならこう使う!5000円満足旅」(2)

【5000円で日帰り満足旅】旅行ライターおすすめ「私ならこう使う!5000円満足旅」(1)から続く

物価高が続き、旅に出るのも容易ではなくなってきました。そこで、旅行読売でもおなじみの旅行ライターさんたちに、「5000円あったらどんな旅を楽しまれますか?」とうかがってみました。お得きっぷ活用、1点豪華主義、レンタカーを賢く利用、自治体主催の特別ツアーなど、さまざまなアイデアが出てきましたよ!

心引かれる情緒ある風景と異界の奇景<千葉・群馬>

洞窟観音の景観。隣接して約6000坪の日本庭園があり、創設者の記念館などもある
小江戸の風情を満喫できる佐原の舟めぐり

還暦過ぎて“青春”とは赤面ものだが、近年「青春18きっぷ」を利用することが多い。日帰りなら2410円で遠くまで足を延ばしたり、周遊したりして低山ハイクや街歩きを楽しんでいる。例えば江戸の商都の面影を残す千葉・香取市佐原で街歩き&舟めぐり(1300円。12月になるとこたつ舟になる)して、老舗・東洋軒の名物インディアンライス(ドライカレー&ポークソテー)を食べても5000円で賄える。

最近、群馬・高崎市の洞窟観音(900円)が気になっている。「奇界遺産」で知られる写真家・佐藤健寿(けんじ)氏の雑誌連載で知った。観音山中腹を彫り抜いた全長450メートルの洞窟に39体の観音像が置かれている。高崎の豪商が私財を投じて大正〜昭和期に50年の歳月をかけて造った。宗教施設ではなく観光参拝場だという。その奇景に心引かれる。ランチは観音山にある古民家そば屋で、新そばを味わいたい。

  

田辺英彦/たなべ・ひでひこ◎東京都大田区生まれ、埼玉県在住。編集プロダクションを設立して旅行ガイドブックなどの制作を経てフリーランスに。低山ハイク、ソロキャンプ、鉄道旅、温泉、御朱印等々、取材対象がそのまま趣味になっている。

格安料金で車を借りて旅の充実度をアップ<東京>

色鮮やかな紅葉が楽しめる奥多摩湖(写真/ピクスタ)
石川県へ旅した時にカーシェアを利用(千里浜なぎさドライブウェイ)

クルマの運転が好きで、今回の企画で思いついたのもカーシェアを使ったプランだ。カーシェアは日常の足というイメージが強いが旅との相性も良い。タイムズカーなら地方の主要駅にも拠点があるので、鉄道と組み合わせれば渋滞回避もできる。奥多摩駅で車を借り、紅葉の奥多摩周遊道路を走って、エメラルドグリーンに輝く奥多摩湖を眺めながら、湖畔にあるのんきやで手打中華そば(850円)の昼食を。車はガソリン代込み15分220円~(車種によって異なる)、6時間パック4290円~(同)なので、5000円で十分楽しめる。

トヨタレンタカーの「片道GO !」は、乗り捨て車の回送を利用客にしてもらう仕組みで格安料金を打ち出している(24時間2200円、48時間4400円。ガソリン代別途)。直前にしか予約できず、車種、出発店の選択不可など条件はシビアだが、行き先や日程は空車次第の運任せの旅も面白い。

  

安部晃司/あべ・こうじ◎東京都生まれ。旅好きが高じてライターに。鉄道、航空などの乗り物系のほか、温泉、宿、グルメなど、幅広く取材、執筆。本誌ではガイド記事を中心に10年以上担当している。一男一女の父になり、最近は子連れ旅が一番の関心テーマ。

身を置くだけで大自然を感じられる<北海道>

氷の大地を歩く氷平線ウォーク(写真/別海町観光協 会)
ツノが立派な雄のエゾシカ

エゾシカ、キタキツネ、タンチョウ。道東の農村部に暮らしていると、これら身近な動物の毛や羽の色、行動、鳴き方の変化から、季節の移ろいを感じたりもする。牧草地に群れていたシカが、秋のある時、パタッといなくなる。それは狩猟期の始まりと一致していて、彼らはまるで安全な場所を知っているかのように、鳥獣保護区で身を寄せ始めるのだ。

別海(べつかい)町の野付半島はそんな野生動物の楽園の一つ。雄のエゾシカが大きなツノをぶつけ合い、キタキツネが獲物をくわえて走り去る。オオワシやオオハクチョウ、コクガンなどの冬鳥も飛来し、半島は無料のサファリパーク状態だ。

自然鑑賞の拠点・野付半島ネイチャーセンターでは真冬に白銀の原野を歩く「氷平線ウォーク」(2300円、4500円の2種)が人気。お金をかけずに大自然を楽しめる分、名産のホタテ料理やイクラ丼など食事を豪華にするのもいい。

  

春日明子/かすが・あきこ◎1979年、神奈川県生まれ。編集ライター。輸入商社の社員時代に釣りに目覚め、釣り新聞の編集部に転職。編集プロダクションに移籍後、鮭釣りに訪れた北海道で人生の伴侶を釣り上げ、別海町へ移住。道東の話題を中心とした執筆活動に注力中。


※料金等すべて掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年12月号)
(Web掲載:2025年2月26日)


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