【大阪・関西万博】大屋根リングやパビリオン 夢洲に未来やいのちの花が咲く

大屋根リングの屋上から見渡した会場内の様子。パビリオンの建設が着々と進む(取材時)
いよいよ開幕!2025年4月13日-10月13日の184日間
地下鉄で夢洲駅に到着し、幾何学的な装飾の天井やSF映画のような照明に驚かされた。地上に出ると、目の前に万博会場が広がる。面積約155ヘクタールで東京ドーム約33個分。美しくデザインされた広大な空間を、まだ作業服姿の人々がせわしなく行き交っている。
夢洲駅コンコース 提供:2025年日本国際博覧会協会
夢洲駅出口 提供:2025年日本国際博覧会協会
夢洲駅(Osaka Metro中央線):万博会場の最寄り駅として、1月19日に開業。東ゲートからすぐに入場できる。改札内には、大阪の歴史などを紹介する大型ディスプレイを設置。顔認証改札機や完全個室型のオールジェンダートイレも整備されている。
最初に目を奪われたのは、海外パビリオンなどをぐるりと囲むように立つ大屋根リング。想像以上に迫力がある。京都・清水寺の舞台と同じ日本古来の工法と最新技術を組み合わせた壮大な木造建築物だ。
その屋上を周回する遊歩道「スカイウォーク」も見どころ。会場の個性あふれる建築群を、高所から眺めるのも面白い。取材に訪れた2月末の時点では、多くの海外パビリオンは急ピッチで建設が進んでいた。国内パビリオンはほぼ完成し、外観が確認できる状態だ。
迫力の大屋根リング
1周約2キロ、内径約615メートル、高さ12メートル(外側は約20メートル)と、世界最大の木造建築物。屋上からは会場全体を見渡せ、大阪の街並みや淡路島、大阪湾、瀬戸内海などの絶景が広がる
リング内側の中央部には、「いのち」をテーマに展開する全8館の「シグネチャーパビリオン」が並ぶ。主導するのは各界で活躍する8人のプロデューサーである。この日、内部を見学できたのはメディアアーティスト・落合陽一さんによるパビリオン「null²(ぬるぬる)」。鏡のような外装膜で覆われた建物が、風景を変形して映し出す異色の外観だ。
落合陽一さんのパビリオン「null²」。ヌルヌルした建物全体が生命体のよう
内部は鏡とLEDの映像で表現され、宇宙の無限や仏教の色即是空(しきそくぜくう)を連想させる。来場者はここで、デジタル化された自分の分身と鏡越しに向き合って対話する。人間とAI、リアルとバーチャルの境界が溶け合って生命(いのち)の概念が揺らぐ感覚だ。
「シグネチャーパビリオンの特徴は、プロデューサー8人それぞれの感性で生命が多面的に表現されていること。万物に生命を見るアニミズムや東洋の思想を、海外の方にも感じてもらいたい」と日本国際博覧会協会企画局の竹村昌彦さん。世界の多様な文化や思想が共鳴し、新たな価値観をともに生み出す。そんな万博になってほしいと期待が高まる。
文/北浦雅子 写真/宮川 透
【シグネチャーパビリオン/プロデューサー】
Better Co-Being/宮田裕章(慶応義塾大学教授)
いのちの未来/石黒浩(大阪大学教授)
いのちの遊び場 クラゲ館/中島さち子(音楽家)
null²/落合陽一(メディア アーティスト)
いのち動的平衡館/福岡伸一(生物学者)
いのちめぐる冒険/河森正治(アニメーション監督)
EARTH MART/小山薫堂(放送作家)
Dialogue Theater-いのちのあかし-/河瀨直美(映画作家)
河森正治さんのパビリオン「いのちめぐる冒険」。宇宙から見た地球がほぼリアルタイムに映し出される
河瀨直美さんのパビリオン「DialogueTheater - いのちのあかし -」は廃校を活用している
【チケット】
チケットは公式Webサイト👉こちら、コンビニ、旅行代理店などで購入できる。事前に来場日時の予約を忘れずに。会場内のパビリオンやイベントは事前予約なしでも楽しめる。
【アクセス】
電車:Osaka Metro中央線夢洲駅すぐ
バス:JRゆめ咲線桜島駅から駅シャトルバス(要予約)など
車:夢洲会場へ自家用車では来場できない。尼崎、舞洲、堺の万博P&R駐車場(要予約)にとめ、P&Rシャトルバスを利用
【大阪・関西万博の注意事項】
・来場はスマートフォンで日時を予約してから
・自家用車は会場への乗り入れができない。万博パーク&ライド駐車場の利用を
・会場内で現金は使用できない。キャッシュレス決済の準備を
・キャスター付バッグや大型荷物は会場内に持ち込めない。コインロッカーなどの利用を
※最新情報は「公式サイト」で確認してください。
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2025年5月号)
(Web掲載:2025年4月17日)