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【新・日本の絶景】“世界で最も美しい”美術館「下瀬美術館」(1)

場所
> 大竹市
【新・日本の絶景】“世界で最も美しい”美術館「下瀬美術館」(1)

瀬戸内海の風景を表現した可動展示室。カラーガラスに覆われたコンテナのような建物八つが水盤に佇む(写真/下瀬美術館) ©SIMOSE

瀬戸内の多島美を表現した水盤に佇む美術館

2024年12月2日、ユネスコの建築賞「ベルサイユ賞」の授賞式が行われ、下瀬美術館が「Museums(ミュージアム)」部門の最優秀賞「ベルサイユ賞」を受賞した。

同賞は世界の空港や商業施設、ホテルなど8部門からなる世界的な建築賞で、「Museums」部門は今年創設されたばかり。部門ごとにノミネートされた施設の中から、最優秀のベルサイユ賞、内装特別賞、外装特別賞が選ばれる。下瀬美術館は24年6月、「世界で最も美しい美術館」7館のうちの一つとしてノミネートされていた。

広報の川口日耶(ひな)さんは、「美術館にはあまり見られないカラフルなデザイン、建物と自然との調和、そして広島の造船技術を生かした仕組みで配置を変えられる可動展示室が革新的と評価されました」と喜ぶ。

下瀬美術館は宮島を望む瀬戸内海沿いに23年3にオープン。「アートの中でアートを観(み)る。」がコンセプトで、建築家の坂茂(ばんしげる)さんの設計でも話題となった。4.6ヘクタールの敷地には美術館のほかに、レストランとヴィラ10棟も立つ。

7_DSC0716.jpg広々としたエントランス棟の内部。ショップでは、可動展示室がモチーフのオリジナルグッズや所蔵品をプリントしたアイテムなどを販売

13レストラン内装.jpg絶景を眺めながらフレンチを味わえるレストラン

14 2024晩秋Lunch_A_タスマニアサーモンと女鹿平きのこのサラダ アニスの香り (2).jpg
ランチは6000円~、ディナー(要予約)は1万3500円~

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ヴィラはさまざまなタイプがあり1泊2食1人7万3000円~。写真は「壁のない家」

美術館はフランスの工芸家、エミール・ガレの作品を中心に、地元の建材メーカー創業者から受け継いだ国内外の工芸品と絵画約500点を収蔵している。

最寄りのバス停から歩いて5分ほど、美術館のエントランス棟にたどり着くと、鏡面造りの建物が目を引いた。現代的な雰囲気ながら、鏡面に周囲の山々が映ることで、自然に溶け込んでいるように感じる。

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美術館入り口のあるエントランス棟。鏡面造りの壁が印象的

中に入ると、受付やショップ、カフェが、壁のないワンフロアに配置され開放的な空間が広がる。二つの柱から大木が枝を広げるように 、ヒノキの梁(はり)が天井に延びている。海側に視線をやると、床から天井までの壁面が全面ガラス張りになっていて、カラフルなキューブ状の可動展示室、その向こうに輝く瀬戸内海と島々が見える。収蔵品を鑑賞する前から、この美術館が誇る建物というアートに魅了されてしまう。

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SIMOSE手ぬぐい各1000円。タオルや風呂敷などさまざまな用途に使えると人気

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大人買いしたくなる愛らしいSIMOSEマグネット各350円

【新・日本の絶景】“世界で最も美しい”美術館「下瀬美術館」(2)へ続く(5/13公開)


下瀬美術館【ベストシーズン】通年

営業:9時30分~16時30分/月曜(祝日の場合は開館)、年末年始、展示替え期間休
入館料:1800円
交通:山陽線大竹駅からこいこいバス12分、ゆめタウン下車徒歩5分/広島岩国道路大竹ICから3キロ
問い合わせ:TEL 0827-94-4000

文/児島奈美 写真/宮川 透ほか

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2025年2月号)
(Web掲載:2025年5月12日)


Writer

児島奈美 さん

神戸生まれ。学生時代にバイクで北海道、九州、信州を巡って旅に目覚め、約40か国渡航。1か月のキャンプ旅でも太って帰ってくる食いしん坊で、現在は、旅・グルメ・人物インタビューを中心に、ガイドブックや雑誌、Webなどの制作に携わる。「旅行読売」ではルポがメイン。鉄子や歴女の道も着々と歩む。

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