たびよみ

旅の魅力を発信する
メディアサイト
menu

【低山と温泉へ】六甲山最高峰に立ち、名湯・有馬温泉につかる 六甲山(2)<標高931m・歩行距離10km・歩行時間3時間25分>

場所
> 神戸市
【低山と温泉へ】六甲山最高峰に立ち、名湯・有馬温泉につかる 六甲山(2)<標高931m・歩行距離10km・歩行時間3時間25分>

七曲りはその名の通り、幾重にも坂道が折れ曲がって続く

六甲山最高峰から有馬温泉へ

【低山と温泉へ】六甲山最高峰に立ち、名湯・有馬温泉につかる 六甲山(1)<標高931m・歩行距離10km・歩行時間3時間25分>から続く

東お多福山山頂から土樋割(どびわり)峠に向かってクマザサが茂る山道を下る。10分ほど歩くと川のせせらぎが聞こえてきた。舗装道に出てすぐ山道に戻り10分ほど、小川を岩づたいに渡って七曲(ななまが)りへ。ここが今回の登山の最難関で、岩の多い急坂を、両手もつきながら登る。5分ほど登ると岩場を抜け、上り坂ながら歩きやすくなる。七曲りは芦屋川駅からロックガーデン・風吹(かざふき)岩経由で登山してきた人、山上から下山してきた人と合流するため、行き交う人が急に増えた。「こんにちは」「頑張って」と声をかけられるのもうれしい。

03●_DSC3136川を渡って七曲りへ.jpg
この小川を石づたいに渡って七曲りへ

1時間ほど坂道を登り続け、目の前が開けると、一軒茶屋が見えた。江戸時代末頃から続くと伝わる茶屋で、昔の茶屋の白黒写真も飾られている。ここで昼食にきつねうどん(600円)を味わって英気を養い、いよいよ六甲山最高峰へ。山頂は360度開けた広場になっており、西に連なる六甲山地の稜線(りょうせん)、東に西宮市街なども望む。広場中央に標柱があり、登頂記念の撮影をした。

07●_DSC3204.jpg
一軒茶屋/10時~15時(土・日曜、祝日は9時~16時)/第2・4・5月曜休・雨天休

09●_DSC3211.jpg
六甲山最高峰に立つ標柱。達成感で胸がいっぱいに

08●_DSC3240.jpg
六甲山最高峰で豆から挽いたコーヒーを淹れて飲めば、おいしさも倍増

最高峰から北側の道を下り、トイレ休憩を挟み、有馬温泉へ向けて魚屋道(ととやみち)を歩く。その名の通り、神戸で取れた瀬戸内海の魚を有馬に運んだ古道だ。歩きやすい道が多かったが、木の根道など時々歩きにくい場所もある。とはいえ全てがほぼ下り坂。快調に歩を進め、無料休憩所になっている峠の茶屋跡でのひと休みを挟み、観光客でにぎわう有馬温泉に到着。公共温泉「金の湯」で疲れをほぐした後、向かいのカフェバーで飲んだビールは最高だった。

06●_DSC3265魚屋道.jpg
魚屋道は、江戸~大正時代に神戸・深江浜の魚を有馬へ運んだ六甲山の山越えルート

_DSC3282.JPG
有馬温泉でご褒美ビールは格別の味わい!

六甲山は自然や景観はもちろん、歴史の深さや人の温かさも魅力なのだと感じつつ有馬温泉駅へ向かった。

文/児島奈美 写真/宮川 透

♨立ち寄り温泉

15●金の湯浴槽.jpg

16+17.jpg

金の湯 ◉有馬温泉

日本三古泉の一つに数えられる有馬温泉の名湯「金泉(きんせん)」をかけ流しで楽しめる公共浴場。空気に触れると茶褐色に濁るのが特徴で、神経痛や筋肉痛などに効果が期待でき、登山客の利用者も多い。男湯は有馬の伝統工芸に欠かせない竹、女湯は瑞宝寺公園のモミジをイメージ。建物横に無料の足湯もある。
■8時~21時30分/第2・4火曜(祝日の場合は翌日)、1月1日休/800円(平日は650円)/神戸市北区有馬町833/TEL:078-904-0680


1-14六甲山0415-6_page-0001.jpg

【登山データ】

■交通[鉄道]阪急神戸線芦屋川駅からバス13分、東おたふく山登山口下車徒歩10分[ 車]中国道西宮北ICから芦有ドライブウェイ経由17キロ。芦有ドライブウェイ株式会社隣接の有料駐車場(平日のみ、9時~17時に利用可)から徒歩22分で東お多福山登山口
■問い合わせ/TEL:080-7049-5867(トレイルステーション神戸/火・水曜休〈12月〜2月は月〜木曜休〉)

アドバイス

阪急神戸線芦屋川駅から有馬温泉まで、一軒茶屋付近にしかトイレや自動販売機がないため注意。また、健脚なら徒歩で最高峰を目指すロックガーデン・風吹岩経由もおすすめ。5月25日開催の「あしや山まつり」では奥池等へのハイクも予定。

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2025年6月号)
(Web掲載:2025年6月◀▶日)


Writer

児島奈美 さん

神戸生まれ。学生時代にバイクで北海道、九州、信州を巡って旅に目覚め、約40か国渡航。1か月のキャンプ旅でも太って帰ってくる食いしん坊で、現在は、旅・グルメ・人物インタビューを中心に、ガイドブックや雑誌、Webなどの制作に携わる。「旅行読売」ではルポがメイン。鉄子や歴女の道も着々と歩む。

Related stories

関連記事

Related tours

この記事を見た人はこんなツアーを見ています