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【旅する喫茶店】ヤマモトコーヒー 一番館(静岡)

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 静岡県
> 伊東市
【旅する喫茶店】ヤマモトコーヒー 一番館(静岡)

彫刻、絵画が多数飾られた店内。伊東市ゆかりの彫刻家、重岡建治氏のブロンズ像も

昭和の香り漂う、伊東温泉の名物カフェ

伊東駅から徒歩10分ほどのあんじん通りにあるヤマモトコーヒー 一番館は、こだわりのコーヒーと名物グルメで常連客に愛される、伊東の人気店の一つだ。彫刻や絵画が飾られた店内は、穏やかな明かりが灯(とも)り、ソファでゆったりくつろげる。

創業は1969年。先代の姉が、コーヒー豆や器具の老舗、新宿のヤマモトコーヒー店に嫁いだ縁で、暖簾(のれん)分けという形で開業したそうだ。周辺には旅館も多く、浴衣に下駄姿の客で賑(にぎ)わい、73年には通りの向かいに二番館もオープンした。

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入り口の看板には本店の「新宿」の文字も。駐車場は14台収容、ドライブ客も立ち寄る

創業当時からコーヒー豆を厳選。長年親しまれてきたカリビアンブレンドに加え、2015年には"伊東の歴史を奏でるコーヒー"をコンセプトに「按針(あんじん)コーヒー」を開発した。徳川家康の外交顧問として活躍し、伊東で日本初の洋式帆船を建造した郷土の偉人、三浦按針(ウイリアム・アダムス)をイメージしたもので、ドリップパックも販売している。

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按針コーヒー680円。按針の出身地イギリスの王室御用達、ブルーマウンテンを配合。コクのある甘みと豊かな香りが人気

フードやデザートなど、充実したメニューの中でも、伊東のソウルフードと名高いのが「正油(しょうゆ)カルボナーラ」だ。炒(い )り卵とベーコン、塩味でピリ辛風味のカルボナーラの上に、大根おろしとしょうゆをかけた和風スパゲティーで、元々はまかないとして作ったものだという。

洋食器店も併設するだけあって、器にもこだわる。古き良き店で、ぜいたくにコーヒーを味わいたい。

文/高崎真規子

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正油カルボナーラ1080円


ヤマモトコーヒー 一番館

静岡県伊東市銀座元町3-20
TEL:0557-37-9622
営業:8時~ L.O.21時/無休(臨時休あり)※二番館は異なる
交通:伊東線・伊豆急行線伊東駅から徒歩12分

※記載内容は掲載時のデータです。営業時間、料金は変更になる場合があります。

(出典:「旅行読売」2025年6月号)
(Web掲載:2025年7月25日


Writer

高崎真規子 さん

昭和の東京生まれ。80年代後半からフリーライターに。2015年「旅行読売」の編集部に参加。ひとり旅が好きで、旅先では必ずその街の繁華街をそぞろ歩き、風通しのいい店を物色。地の肴で地の酒を飲むのが至福のとき。本誌連載では、大宅賞作家橋本克彦が歌の舞台を訪ねる「あの歌この街」、100万部を超える人気シリーズ『本所おけら長屋』の著者が東京の街を歩く「畠山健二の東京回顧録」を担当。著書に『少女たちはなぜHを急ぐのか』『少女たちの性はなぜ空虚になったか』など。

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