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【大阪・関西万博】地球に優しいパビリオンを巡り、未来の社会に思いをはせる(1)~日本館・スイス館~

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> 大阪市
【大阪・関西万博】地球に優しいパビリオンを巡り、未来の社会に思いをはせる(1)~日本館・スイス館~

大屋根リングの「スカイウォーク」から見た景色。各国のパビリオンがひしめき、来場者らが行き交う

開幕から3か月半、大屋根リングの内側と外側に立ち並ぶ160超の国内外のパビリオン

大屋根リングの内側と外側に立ち並ぶ160超の国内外のパビリオンは、どこを訪れても新たな発見を得られる。

大阪メトロ夢洲(ゆめしま)駅から東ゲートを通り、引き寄せられるように大屋根リングに上った。「いのち輝く未来社会」に向け、どんな最新技術に出合えるのか?リングの上から会場を一望すると期待が膨らんでくる。

まずは木の合板が円を描くように立ち並ぶ日本館へ向かった。館内の壁面に「ごみを食べるパビリオン」と書かれていた。「万博会場内から出た生ごみを集め、併設のバイオガスプラントで微生物の力によって水やエネルギーに変換しています」と日本館広報担当の白川輝幸さんが説明してくれた。会場内のごみから生み出された電力を館内で使っているという。バイオガスプラントで浄化された水を使った「水盤」では、澄みきった水面に魅せられた。

「日本館での体験を通して、自分自身も大きな循環の一部であることや環境を〝自分ごと〟として捉え、持続可能な社会に向けて考えるきっかけにしてもられば」と白川さん。いのちのリレーを体現したパビリオンの意義を実感した。

日本館

「いのちと、いのちの、あいだに」
いのちが終わり役目を終えた瞬間、新たないのちが始まり、循環していくプロセスを表現する

②1.日本館外観.jpg
日本館の建物は再利用できる資材を使った円環状の構造になっている

③3.日本館プラント.jpg
生ごみを微生物の力で分解し、エネルギーに変えるバイオガスプラント。「ごみを食べるパビリオン」の文字が見られる

④2.日本館水盤.jpg
中庭の巨大な水盤。微生物とろ過膜によって浄化された水に空が映し出される

⑤4.白川さん.jpg
日本館の「循環」の仕組みを説明してくれた白川さん

⑥4.日本館藻カーテン.jpg
まるで森林浴。藻類を培養するフォトバイオリアクター

外に出ると、人だかりができていた。日本館の南隣に公式キャラクター「ミャクミャク」のくじ引きコーナーがあった。赤・青の2色コーデやグッズなどを身につけた愛好家もいて、お祭りムードで盛り上がっていた。

⑦5.ミャクミャクくじ.jpg
大分県から来た片野さんファミリー。「ミャクミャクくじ」を4世代で楽しんだ

ヨーロッパの取り組みに注目

大屋根リングをくぐり抜けると、透明なシャボン玉のような建物が目に入る。スイス館は同国の万博史上最軽量を目指し、環境にも優しい。一つ目の球体に入ると、幅10メートルもの巨大な切り絵が迎えてくれる。スイスは、アルプスの少女ハイジや大自然だけでなく、アインシュタイン博士が研究生活を送り、衣類のファスナーなどの発明が生み出された国であることをその切り絵から学んだ。

AIを使った展示では、未来への願いなどをパネルに向かって話しかけると、それに応じて形になるシャボン玉アートが幻想的だった。屋上の「ハイジカフェ」では、会場内の眺めを楽しみながら本場のスイス料理を味わえる。ランチ休憩の後、リング内側の中央に広がる「静けさの森」を散策した。

スイス館

「ハイジと共に、テクノロジーの頂へ」
アルプスの文化と最先端技術が共存するスイスを表す。

⑧7.スイス館展示.jpg
「切り絵のなかにはアルプスの少女ハイジが7人、ピカチュウも隠れていますよ。探してくださいね」と、スタッフのクララ・ドス・サントス・ブーザーさん

⑨ 8.スイス館外観.jpg
六つの球体の膜は総重量450キロに抑えられている

⑩9.スイス館ランチ.jpg
シャルキュトリーとチーズの盛り合わせ2800円(手前)、スイスグリュイエールチーズと下仁田ネギのキッシュ1950円(右上)

⑪ 10.スイス館イス.jpg
「ハイジカフェ」には「ス」イスが置かれ、写真スポットに

文/仲底まゆみ 写真/宮川 透

【大阪・関西万博】地球に優しいパビリオンを巡り、未来の社会に思いをはせる(2)~ドイツ館・コモンズB館~へ続く(7/30公開)

🚩万博🌎役立ち情報

⑰ 12.入場混雑.jpg
東ゲートで入場を待つ人々。曜日や時間帯にもよるが、手荷物検査を受けて入場するまで1時間以上かかることも

⑱ 17.ミスト0440.jpg
大屋根リング内中央付近の広場「いのちパーク」では15分に1度、約3分間ミストが噴き出る

【会場で快適に過ごすために用意したいもの】
◎ 会場内は広く、1日で2万歩以上歩くことも珍しくない。履き慣れた靴を着用したい
◎ パビリオン入場時などに必要な2次元コードの画像をスマホに保存しておく
◎ 紙の地図も便利。万博公式サイトの会場地図を印刷して持参するか、会場内で販売している200円のマップを利用する
◎ モバイルバッテリーは、スマホを使用する機会が多いので充電用に持参した方がよい
◎ 帽子や日傘、日焼け止めといった暑さ対策グッズは夏場には必携
◎ 無料給水所で利用するマイボトルは、魔法瓶だと冷たさをキープできる
◎ 雨具は傘よりもカッパが便利。海に近いため風が強く、天候も変わりやすい。傘だとスマホを使いづらい

【混雑対策】
◎ 最新の混雑状況は、万博公式サイトの「今週の万博」で毎日確認できる。公式マップのほか、予約なしパビリオンマップも入手できる
◎ 来場者が自発的にパビリオンの待ち時間などの情報をインターネットで発信している。目的別の地図も共有され、効率よく楽しむための参考になるものも多い

【猛暑対策】
◎ 夢洲駅から近い「東ゲート」で入場を待つ人のために、日傘800本の無料貸し出しがスタートした。会場内には300基以上のパラソルを増設
◎ いのちパークなどではミストが噴射され、涼をとれる
◎ 大屋根リングの下は日陰になっており、風通しもよいので休憩に利用したい

モデルコース.jpg


【アクセス】

電車:大阪メトロ中央線夢洲駅すぐ
バス:JRゆめ咲線桜島駅から駅シャトルバス(要予約)など
車:夢洲会場へ自家用車では来場できない。尼崎、舞洲、堺の万博P&R駐車場(要予約)にとめ、P&Rシャトルバスを利用

※チケット予約や入場料などの詳細は公式Webサイトを参照👉こちら

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2025年9月号)
(Web掲載:2025年7月29日)


Writer

仲底まゆみ さん

大阪生まれ。古いものと新しいものが混在するまちや、路地裏を歩くのが好き。「こころで聴き、足で書く」をモットーに取材を通して、地域の魅力を引き出すことが目標。共著 『建築技師という生き方 東畑謙三との対話』(創元社)

 

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