【いま、会える昭和】娯楽のまち・新世界で昭和の人情や活力に触れる レトロさんぽ<大阪>(2)
レトロな看板と紅白のひさしが印象的なスマートボール ニュースター
昭和創業の名店の味を堪能
【いま、会える昭和】娯楽のまち・新世界で昭和の人情や活力に触れる レトロさんぽ<大阪>(1)から続く
通天閣の南側には、大阪らしい派手な看板を掲げた串かつやホルモン焼き、お好み焼きなどの店が立ち並ぶ。射的といった娯楽施設も点在し、懐かしい雰囲気に誘われて「スマートボール ニュースター」へ。運良く玉がどんどん増え、景品のお菓子と交換できた。

玉を発射するレバーの引き具合を調整しながら、童心に返って夢中で遊ぶ
遊んでお腹がすいたので、大阪を中心に16店を構える名店「新世界元祖串かつだるま」で昼食。
「新世界総本店は、1929(昭和4)年に創業した店です。3坪にカウンター12席の小さな店ですが、知らない人同士でも気さくに会話ができてアットホームと、年齢性別を問わず食べに来てくれます」と店長の濱口大佑さん。
店員や隣客に聞いたおすすめ串を、秘伝のソースにたっぷり浸して味わった。串に一口大の食材を刺し、厚めの衣で揚げただるまの串かつから、「安く早く食べられ、お腹いっぱいに」という初代の百野(ももの)ヨシエさんの愛情も感じられた。

カウンター越しに揚げたての串かつを提供

豚かつや紅しょうがなど串かつは1本143円~。名物どて焼き440円、ソースキャベツセット352円
食後は屋台が並ぶ新世界市場などを散策。旅の締めくくりにジャンジャン横丁を訪ね、1948(昭和23)年に創業した「千成屋珈琲(せんなりやコーヒー)」で名物のミックスジュースを飲みながら、活気にあふれた昭和の大阪に思いを馳(は)せた。
文/児島奈美 写真/酒井羊一

金物店や肉屋などの店舗をのぞきながら新世界市場を散策

赤ちょうちんやポスターなど、昭和の風情があふれる新世界の路地

串かつやホルモン焼き、立ちのみなどの店が軒を連ねるジャンジャン横丁
スマートボール ニュースター

スマートボール台。コイン投入口に100円を入れると玉が出てくる
1970(昭和45)年以前から新世界で営業しているスマートボール専門店。昭和風情が残る店内には、約50台が並ぶ。台によってピンやホールのレイアウトが異なり、台選びも楽しい。玉20個以上で菓子やぬいぐるみなどの景品に交換できる。18歳未満は入店不可。
■11時30分~22時(土・日曜は10時30分~)/不定休/1回100円/ Osaka Metro御堂筋線動物園前駅から徒歩4分/大阪市浪速区恵美須東3-5-19/TEL:06-6641-1164
新世界元祖串かつだるま 新世界総本店

2階窓からのぞく人物オブジェもユニーク
肉や魚介類、野菜など45種以上の串かつを用意。コロナ禍以降、ソースはボトルから垂らすスタイルになったが、以前のように串ごとソースに浸して食べられるソースキャベツセットも人気だ。牛のスジ肉をとろけるようにやわらかく煮込んだ名物どて焼きも絶品。
■11時〜22時30分(土・日曜、祝日は10時30分~)/無休/ Osaka Metro堺筋線・阪堺電車阪堺線恵美須町駅、OsakaMetro御堂筋線動物園前駅から徒歩5分/大阪市浪速区恵美須東2-3-9/TEL:06-6645-7056
千成屋珈琲

ジャンジャン横丁に店を構える

昭和の写真などが飾られたクラシカルな店内

(左)プリンアラモード980円。濃厚なプリンと多彩な果物がてんこ盛り(右)まろやかで果物のおいしさが凝縮されたミックスジュース750円
初代の恒川一郎さんが1948(昭和23)年に果物店として創業し、完熟果物を使って店頭販売したミックスジュースが有名に。1960(昭和35)年から喫茶店となり人気を呼んだが、3代目が体調を崩して2016年に閉店。惜しんだ地元の会社が翌年引き継ぎ、その味を守っている。
■11時30分~19時(土・日曜、祝日は9時~)/無休/ Osaka Metro御堂筋線動物園前駅からすぐ/大阪市浪速区恵美須東3-4-15/TEL:06-6645-1303
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2025年5月号)
(Web掲載:2025年10月4日)


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