【一度は見たい紅葉百景】京都もみじ電車 ~叡山電車・嵯峨野トロッコ列車~

展望列車の大きな車窓に広がる250メートル続くもみじのトンネル
京都市内の東西ローカル鉄道で紅葉を楽しむ
京都には紅葉名所が数多く点在するが、紅葉を楽しめる鉄道にも注目したい。東の叡山(えいざん)電車と西の嵯峨野(さがの)トロッコ列車だ。両社は2024年、鉄道で紅葉を盛り上げようと、「京都もみじ鉄道連携協定」を締結。昨年に引き続き、合同で限定コラボ商品の販売等を行っている。
叡山電車では、始発駅の出町柳駅から約20分の市原-二ノ瀬駅間の約250メートルで、約280本の紅葉が覆う「もみじのトンネル」と呼ばれる絶景を通り抜ける。さらに約6分走ると、終着駅の鞍馬(くらま)駅に着く。京都屈指の紅葉スポット、鞍馬寺などの紅葉も楽しみたい。
一方、嵯峨野トロッコ列車では、赤や黄色に色付く保津(ほづ)峡の渓谷美が、トロッコ嵐山-トロッコ亀岡駅間で見事だ。紅葉時期には、臨時便「光の幻想列車」が1日1、2便運行。ライトアップされた紅葉も昼間と違った表情を見せる。
復路は「保津川下り」がおすすめ。船上から望む秋の保津峡は、大自然と一体になったよう。着船場の近くには、嵐山の自然と歴史、染色アートが融合した施設「嵐山祐斎亭(あらしやまゆうさいてい)」があり、桂川の紅葉とアート作品を鑑賞できる。
叡山電車
🍁11月中旬~下旬
間近にモミジを眺められる展望列車「きらら」。運賃のみで乗車できる
鞍馬(くらま)・貴船(きぶね)、比叡山(ひえいざん)への観光に便利なローカル鉄道で、今年で開業100周年。乗車しながら紅葉を楽しむなら、出町柳-鞍馬駅間を走る展望列車「きらら」がおすすめ。窓が大きく、外向きに設置された座席もあり、「もみじのトンネル」を存分に堪能できる。ライトアップされた紅葉の中走る夜の臨時列車(要予約)も予定。TEL:075-702-8111
※詳細はホームページで👉こちら
嵯峨野トロッコ列車
🍁11月中旬~12月上旬
秋の渓谷美と歴史ロマンを満喫。夜には臨時便「光の幻想列車」も
JR山陰線の旧路線を利用し、1990年に発足し、翌年開業した観光列車。全長約7キロ、秋色の保津峡が眺められ、明治築のレンガ造りの橋台が残る鉄橋を渡る。5号車はオープンエアーの車両で、秋風も爽やかだ。夜には、トロッコ保津峡駅や沿線をライトアップとイルミネーションで神秘的に装飾。TEL:075-861-7444(嵯峨野観光鉄道テレフォンサービス)
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保津川下り
🍁11月中旬〜12月上旬
亀岡から嵐山までの保津川(桂川)約16キロを、手こぎの舟で2時間かけて下る。急峻(きゅうしゅん)な保津峡を彩る紅葉、連なる巨岩や奇岩など見応えたっぷり。秋の晴れて冷え込んだ日、朝霧に包まれた幽玄な景観の中での乗船もおすすめだ。
【Data】9時~15時(12月8日~2026年3月9日は10時~14 時30分)/年末年始休/6000円/山陰線亀岡駅から徒歩7分/TEL:0771-22-5846(保津川遊船企業組合)
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嵐山 祐斎亭
🍁11月下旬
©junichiro.takikawa
後嵯峨・亀山上皇の離宮「亀山殿」跡に立つ染色アートギャラリー。元料理旅館「千鳥」の明治築の建物に、奥田祐斎さんによる「夢うろこ染」の作品を中心に展示する。嵐山や桂川の紅葉を丸窓からの眺望と机への映り込みで楽しめる丸窓の部屋、パノラマ風景が広がる絶景テラスなどがある。
【Data】10時〜16時30分(事前予約制、入館は13歳以上)/木曜、年末年始休/2000円〜/京福電車嵐山線嵐山駅から徒歩10分/京都市右京区嵯峨亀ノ尾町6/TEL:075-881-2331
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文/児島奈美
※紅葉ピーク期の時間や料金はホームページを参照
(出典:旅行読売2025年10月号)
(Web掲載:2025年10月23日)