【ひとり、秘湯へ】野趣あふれる露天風呂の宿 5選
丸太風呂が二つとヒノキ風呂がある「御宿 こまゆみの里」の女性用露天風呂。10月中旬~11月中旬には野趣に紅葉が加わる
過去最高の暑さだったという2025年の夏の疲れを癒やしに、ひとり、秘湯へ出かけませんか。海辺の豪快な露天風呂、体にじんわり染み込んでいくような新鮮な湯、その土地ならではの心づくしのもてなし料理などの中から“野趣あふれる露天風呂”の秘湯5館を紹介します。さあ、ひとり静かに心身ともにリセットする湯の旅へ
源泉あふれる丸太風呂に身を沈めて
御宿 こまゆみの里[ 平家平温泉・栃木 ]
鬼怒川温泉駅から大型ホテルが立ち並ぶ鬼怒川温泉街を抜け、会津地方へ続く会津西街道を北へ。川治温泉で街道と別れ鬼怒川に沿う県道に入ると、バスの車窓には奥鬼怒温泉郷へ続く深い森が広がる。やがて、平家の落人が隠れ住み、駒にまたがり弓の鍛錬に励んだという逸話にちなんだ「こまゆみの里」に着く。
奥鬼怒の原生林から切り出した木材を使った館内で、鬼怒川の渓流を眺めながらしばし休息し、温泉へ。浴場もまた木のぬくもりにあふれ、板壁に囲まれた内湯から露天風呂へ出ると、直径約1メートルのトチノキをくり抜いた丸太風呂が待っている。巨木に全身を包まれての入浴は、まさに「野趣」を感じるひと時だ。湯船からは惜しげもなく湯があふれ、木々のざわめきや鬼怒川の瀬音が響いている。
ほかに混浴の露天岩風呂、女性専用の露天ヒノキ風呂もあり、宿が推奨する「日光浴」「温泉浴」「森林浴」の「健康三浴」を、露天風呂で一度に体験できる。
夕食は季節の食材や川魚、手打ちそばやゆばなど、地元の食材がたっぷり味わえる。

混浴露天風呂の岩風呂。傍らに丸太風呂が四つある

9品ほどが並ぶ夕食。秋は鴨鍋が味わえるプランも
TEL:0288-96-0321
住所:日光市川俣646-1
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ひとり泊データ
条件:平日のみ
客室:トイレあり8畳和室(全11室)
食事:夕・朝食=食事処
料金:素泊まり・1泊朝食なし、1泊2食1万9800円~
泉質:ナトリウムー塩化物強塩泉
日帰り入浴:12時~15時/ 無休/800円
交通:東武鬼怒川線鬼怒川温泉駅からバス1時間30分、平家平温泉下車すぐ/日光宇都宮道路今市ICから53キロ
プールのように巨大な露天風呂
湯の瀬旅館[ 湯の瀬温泉・山形 ]
五十(いら)川の畔(ほとり)の宿。プールのように巨大な露天風呂は全長約23メートル、幅約15メートル。深さは最大1.2メートルもあり、立ち湯や歩行浴も楽しめる。毎分800リットル湧く源泉をかけ流し。混浴だが湯あみ着の貸し出しあり。夕食は日本海の幸や山菜などが中心。


TEL:0235-45-2737
住所:鶴岡市戸沢神子谷103-2
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ひとり泊データ
条件:通年可
客室:トイレなし8畳和室など(全20室)
食事:夕食=部屋食、朝食=部屋食または宴会場
料金:素泊まり6750円~、1泊朝食7850円~、1泊2食1万50円~
泉質:アルカリ性単純温泉
日帰り入浴:不可
交通:奥羽線あつみ温泉駅または鶴岡駅からタクシー30分/山形道鶴岡ICから20キロ
洞窟風の手掘り露天風呂
奥つちゆ元湯 秘湯 川上温泉[ 奥土湯川上温泉・福島 ]
土湯温泉街から少し離れた山中にある秘湯。職人が1年半かけて手掘りした「穴湯」は半分が露天、半分が洞窟という珍しい造り。ほかに最深部1.2メートルの「立湯」、青森ヒバ造りの「木湯」、家族風呂があり、無色透明の湯がかけ流し。

穴湯

立湯
TEL:024-595-2136
住所:福島市土湯温泉町川上7
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ひとり泊データ
条件:平日のみ
客室:トイレなし6畳和室(全12室)
食事:夕・朝食=食堂
料金:素泊まり1万150円~、1泊朝食1万1250円~、1泊2食1万8300円~
泉質:単純温泉
日帰り入浴:9時~20時(金曜は15時~)/木曜休(変動あり、要確認)/800円(2026年1月から1000円)
交通:東北新幹線福島駅からバス45分、土湯温泉下車徒歩15分/東北道福島西ICから13キロ
渓谷美を貸切露天風呂から愛でる
清津館[ 清津峡湯元温泉・新潟 ]
清津峡渓谷トンネルの入り口そばに立つ。柱状節理の渓谷に面した露天風呂は、貸し切りで利用する。巨岩で組んだ湯船は野趣にあふれ、雪見風呂も風情がある。夕食は川魚や山菜、「越後もちぶた」の鍋などを魚沼産コシヒカリとともに味わえる。


TEL:025-763-2181
住所:十日町市小出癸2126-1
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ひとり泊データ
条件:平日のみ(10月20日~11月19日を除く)
客室:トイレなし10畳和室、トイレあり10畳和室など(全10室)
食事:夕・朝食=食事処
料金:素泊まり・1泊朝食なし、1泊2食1万7000円~
泉質:単純硫黄泉
日帰り入浴:不可
交通:上越新幹線越後湯沢駅からバス25分、清津峡入口下車徒歩25分(送迎あり、要連絡)/関越道塩沢石打ICから13キロ
目の前の日本海に夕日が沈む
荒磯館[ 荒磯温泉・島根 ]
日本海の波打ち際に立ち、露天風呂のすぐ前が海。水面が青く輝く昼間もいいが、茜色に染まる夕刻もおすすめだ。貸切風呂(45分3300円)もある。夕食の食材は料理長が自ら仕入れに赴き、11月中旬からは松葉ガニ(要予約)が味わえる。


TEL:0856-27-0811
住所:益田市西平原町1019-1
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ひとり泊データ
条件:繁忙期を除く
客室:トイレあり9畳和室など(全20室)
食事:夕・朝食=食事処
料金:素泊まり・1泊朝食なし、1泊2食2万900円~
泉質:メタケイ酸泉、単純温泉
日帰り入浴:不可
交通:山陰線鎌手駅から送迎3分(要予約)/浜田道浜田ICから45キロ
文/渡辺貴由
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2025年11月号)
(Web掲載:2025年12月12日)


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