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旅よみ 俳壇 旅行読売2026年5月号

場所
旅よみ 俳壇 旅行読売2026年5月号

イルミネーションが輝くラスベガスの夜景(写真/ピクスタ)

【特選】

ラスベガスサンタ帽子の車椅子
 ◉所沢市 木下富美子
<評>海外俳句は久しぶりだが、米国ラスベガスにもサンタクロースがいたのだ。それも車椅子までよく写生できていた。人を思う気持ちが車椅子の表現になったのであろう。「ラスベガス」が効いている。

【入賞】

暮残る六角堂や寒烏(かんがらす)
 ◉足立区 山崎勝久
<評>やはり季題が効いている。まだ寒の明けない烏がひっそりといるのである。六角堂は住みやすいのであろうか。

春愁を抱えたままの旅かばん
 ◉姫路市 桜ほほ子
<評>「春愁」はその季節のみの事。その心持ちのまま旅に出たのであろう。しかし、旅先で良い事があればと願う。

初旅の機内テレビはマイチョイス
 ◉杉並区 森 秀子
<評>「マイチョイス」は私が出ているテレビ朝日の番組。日本航空が正月に機内放送をしていたと聞いた。初旅の思わぬご縁だった。季題がよし。

石ころを重しの様に冬の畑
 ◉日高市 渡辺義子
<評>中七の「重しの様に」は比喩なので眼前にはない景色である。しかし、季題の「冬の畑」のありようをうまく写生できていた。

【入選】

昭和とは違う水音雪解川(ゆきげがわ)
 ◉世田谷区 石川 昇
着膨れて鈍行列車待つ上野
 ◉さいたま市 竹内白熊
海風に兄の散骨遠ざくら
 ◉京都市 福地秀雄
うりずんや山原(やんばる)の夜に「キョキョ」の声
 ◉杉並区 白浜尚子
八ヶ岳見えて初富士高速道
 ◉川崎市 柳内恵子
大島の椿まつりへジェット船
 ◉練馬区 曽根新五郎
愛想も八方美人水仙花
 ◉伊予市 福井恒博
雪原にそこだけ融けて露天風呂
 ◉埼玉県吉見町 青木雄二
湯上がりの香り同じや冬の宿
 ◉鎌ヶ谷市 藤本嗣子
冬日和娘連れての加賀の旅
 ◉行田市 根岸 保

【佳作】

行く春や青と黄色の募金箱
 ◉神奈川県中井町 笹尾雅美
青空に映える先駆け白木蓮
 ◉つくば市 有阪貴男
粛々と過ぎる一秒去年今年 
 成田市 小川笙力
奥飛騨や付き合わす膝雪見酒 
 ◉ 岐阜県八百津町  細江隆一
謎解きの旅は山城初霞
 ◉仙台市 星良子
白山の蔵に湯気の香日脚伸ぶ
 ◉新宿区 居林まさを
富士川や滅びしものの虎落笛(もがりぶえ)
 ◉ 市川市     井田千明
展望の九十九里浜北風の吹く
 ◉千葉県酒々井町       梅澤波葉
春月のあかるさ纏(まと)ひ深夜バス
 ◉横浜市 相沢恵美子
悲話秘めて箱根躑躅(つつじ)は色深め
 ◉神奈川県中井町  竹和世


俳壇選者_星野先生300X300.jpg
<選者>「玉藻」主宰 星野 高士(ほしの たかし)
神奈川県出身。鎌倉虚子立子記念館館長。句集に『残響』『無尽蔵』『破魔矢』『渾沌』など。テレビ、ラジオでも活躍。

星野高士先生の総評

俳句は旅だ、という趣旨のことを芭蕉は言っています。今回の皆さんの句を拝見しますと、まさに旅だと感じました。皆さんが、それぞれいろんなところで俳句作りをされている事がよく伝わってきました。一瞬を切り取るのが俳句の良さです。五感を大事にして、ますます俳句を作りましょう。季題を見つけながら。

星野高士先生のワンポイント俳句講座

「俳句のテレビ番組」

 俳句を好む方々にはいろんな人たちがいます。このところ芸能界にも広がっているようです。民放やNHKの、俳句をテーマにした番組を見たり、そうした番組に出演したりしていますと、そう感じます。民放では、夏井いつきさんが出演するTBS系の番組がありますし、NHKEテレでも俳句番組を放送しています。私は、NHKの俳句番組にも、テレビ朝日系の「日曜マイチョイス」が俳句をテーマにする時にも出演しています。
 これらの中で、「日曜マイチョイス」では、その場で俳句を作りますので、当日のその時間になってみないとどんな句ができるかわからないのです。
 出演者の皆さんは、言葉の大事さを知っていますので、「飛躍」した作品も出ます。そこが、あの番組の面白いところで、緊張感が常にあります。
 未完のままでも、素材の良さを私は重視しています。これはテレビ番組の中だけでなく、常に大事なことだと思っています。そのあたりのことを、私が出演するときの「日曜マイチョイス」を見て感じとっていただきたいものです。


【応募方法】
旅で詠んだ俳句、風景や名所を詠んだ俳句をお送りください。特選句には選者の直筆色紙と図書カード、入賞句には図書カードを進呈します。応募には「月刊旅行読売」に添付の「投句券」が必要です。「月刊旅行読売」は全国の書店またはこちらの当社直販サイトで送料無料でお求めいただけます。

(出典:旅行読売2026年5月号)
(Web掲載:2026年3月30日)

※連載「旅よみ俳壇」トップページはこちら


Writer

たびよみ編集部 さん

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