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【爽やか!夏の朝旅】人と三島の街をつなぐ🌤朝の旅 國原優子さん(静岡県三島市)インタビュー

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【爽やか!夏の朝旅】人と三島の街をつなぐ🌤朝の旅 國原優子さん(静岡県三島市)インタビュー

夜明けの三嶋大社。早起きした人だけが出合える特別な景色(写真/國原優子)

「みしま朝さんぽ」コーディネーターの國原優子さんは、“水の都”として知られる三島市の朝を舞台に、人と街をつなぐ場を生み出してきた。三島の魅力をどう伝え、観光につなげているのか、その思いと取り組みを聞いた。

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くにはら・ゆうこ
三島市出身で、同市を拠点に活動するNPO法人「みしまびと」のメンバー。「地域の未来をつくる人をつくる」をスローガンに、人材育成事業や地域の舞台づくりに携わる。挑戦する人を応援する三島の風土に惹(ひ)かれ、この街で活動を続けている。

何気なく外に出て、心に残った三島の朝の風景

「朝活」のきっかけは、コロナ禍だった2020年4月、静かな朝の散歩でした。知人に「早朝なら人も少ないし、ちょうど桜もきれいだよ」と誘われ、何気なく外に出たのです。その時、心に残ったのは、桜の美しさよりも三島の朝の風景でした。見慣れていたはずの街が、それまでとはまったく違って見えました。普段は車で通り過ぎていた川沿いや路地が、静かに歩く時間の中で別の表情を見せてくれたのです。

その体験を個人の感覚だけにとどめずに開かれた場へと広げたのが、「みしま朝活」です。毎月8日の朝6時に集合し、散歩やヨガなどに朝食を組み合わせ、三島の朝そのものを共有してもらう時間をつくっています。8日という数字には、末広がりの「八」に人と人との関係が自然に広がっていくイメージを重ねています。

地元の市民だけでなく、観光客も参加していますが、同じ朝を過ごすと誰もが肩書きがなくなり、自然と会話が生まれます。川沿いを歩いたり、ヨガで呼吸を整えたりした後の食卓には、地域の飲食店のメニューが月替わりで並び、それぞれの店が朝の風景の一部として関わっています。三島の日常そのものが、朝の時間に溶け込んでいるのです。

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朝ヨガで体を整える(写真/國原優子)

当初は数人程度の小さな集まりでした。それが大きく変わったのは、20年9月に散歩の風景を切り取った写真展を開催した時です。写真を通して三島の朝に触れた人たちから「この風景を実際に歩いてみたい」という声が寄せられ、参加者が増えていきました。今では多い日には60人ほどが一緒に朝の街を歩くようになりました。

参加者は地元で生まれ育った人だけでなく、移住者や一度、市外に出て戻ってきた人などさまざまです。都内に出勤する前に立ち寄ってくれる人もいます。観光で偶然訪れた人が参加したり、「次は8日の朝を目指して来たい」と再訪につながったりすることもあります。

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三島の街には富士山を望むスポットが点在している

朝の散歩で出合える三島の風景

多くの人が集まり、同じ時間の中を歩くようになると、三島の風景そのものにも自然と目が向いていきます。歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」の三島宿には、旅人が朝霧の中を旅立つ姿が描かれています。今でも朝になると川沿いに薄い霧が立ち上り、その光景に触れると、かつての旅人が見ていた風景とつながっていることを実感します。

朝の澄んだ空気の中で、富士山の姿がいつも以上にくっきりと見える日も。朝ならではの美しさです。夏には源兵衛川(げんべえがわ)に裸足(はだし)で浸(つ)かり、そのまま街へ繰り出すこともあります。水の冷たさや地面の感触が直に体に伝わることで、日常を少し離れ、街との距離が一気に近づくのです。

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源兵衛川に立ち上る朝霧は幻想的。裸足で川辺を歩くのも三島ならではの体験(写真/國原優子)

この街を象徴する存在として、三嶋大社も欠かせません。本殿横の裏参道に入ると、夏の暑さの中でも空気がふっと変わり、心と体が落ち着いていく感覚があります。三嶋大社は現在、大規模改修の最中で、本殿は覆われて普段と異なる姿を見せています。今しか見られない風景を楽しみながら三島に流れる時間を参加者の皆さんと共有しています。

こうした風景の中で続く「朝活」は、単なるイベントではなく、街の見え方そのものを少しずつ変えていく試みでもあります。朝という時間帯を通して三島の新たな価値を編み直していくこと。その積み重ねがこの取り組みの軸になっています。

年に2回は「朝フェス」としてマルシェや音楽などのイベントも開催。通常の朝活とはまた違う形で三島の朝に触れられる特別な時間になっています。これからは毎月8日の朝活を基点にしながらも、それ以外の三島の朝をどれだけ豊かにできるかが問われてくると思います。「知っているはずの街に、まだ知らない表情がある」。その感覚を観光としてどう共有してもらうのか。三島の朝は今、その問いの途中にあるのではないでしょうか。

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通常は1時間の朝さんぽだが、休日にはロングバージョンも。足を延ばした先で出合う御神木にパワーをもらう

聞き手/新井夏海


※みしま朝活についての問い合わせは、TEL:055-971-5000(三島市観光協会)へ

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2026年8月号)
(Web掲載:2026年7月17日)


Writer

新井夏海 さん

1994年神奈川県生まれ。海が大好きで静岡の大学で海洋学を専攻。卒業後は都内出版社でスキューバダイビング・ビーチリゾート誌の編集ライターを経験し、自然のそばで暮らしたくて静岡へ戻りフリーランスに。少しでも時間があれば旅へ出るタイプで、特に沖縄など日本の離島巡りが好き。暮らすように旅をしながら、海や自然、文化、そしてお酒を味わう。最近は旅先の思い出を残すため、カメラマンの元で写真修行中。

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