【極上の民宿】ここ民宿? と驚く現代アート宿 湯季の郷 紫泉<福島・湯野上温泉>(1)
郷土の味が盛りだくさんの夕食。手前中央が名物のイワナの唐揚げ
国の重要伝統的建造物群保存地区の大内宿に最も近い温泉地。玄関口となる湯野上温泉駅は珍しい茅葺(かやぶ)駅舎で知られる。古き良き文化が息づく湯の里にはハイレベルな民宿が目白押しだ。
料理にも温泉にも施設にも仰天!
「うわーっ、これはすごい!」。
宿の玄関を入った瞬間、つい声を上げてしまった。吹き抜けの天井近くの壁一面には、龍が舞うがごとく描かれた迫力満点の黒い曲線。「人生の波」を表現したアーティスト・井上純氏の作品だ。
館内には、海外でも活躍する会津出身のアーティスト・MHAK(マ ーク)氏の巨大作品も至る所に描かれている。宿に入った瞬間、旧来の民宿のイメージを覆すアーティスティックな空間に、客は驚くこと間違いなしだ。
ここ民宿「紫泉(しせん)」の先代主人は書家。宿名は書家としての号である。館内にはその書や刻字もあちこちに飾られている。

外装もモダンな「紫泉」

左からスタッフの室井喜江子さん、女将の鹿目悦子さん、スタッフの高倉恵子さん
ロビーにはロフト構造のフリースペースへ続く階段もあり、フロント前のくつろぎスペースも広い。
ロビー周りには木をふんだんに使っていて、温もりを感じさせる木造りの空間と現代アートが見事に融合している。書架もあり、子ども向けの絵本なども置いている。2~3世代でも楽しめる民宿と言えるだろう。

2階ロフトに続く階段と広々とした明るいロビー
部屋のカギを受け取って客室に入ると、ここにも先代の書が飾られ、調度品もしゃれている。しかも、民宿なのに全室トイレ付き!
あまりに居心地が良く、荷を解(と)いた後も客室でまったりしていたが、夕食時間も近づき、湯上がりのビールを楽しみに風呂へ向かった。

客室は全室とも12畳あり、ゆったりくつろげる

畳は会津ブランドの和紙畳、寝具は東京西川というこだわり
源泉100%かけ流しの風呂は、男女とも内風呂と併設の露天風呂がある。露天風呂の湯船は浅めで、ぬるい湯。田んぼの緑が間近に迫り、夏ならずっと入っていられる心地良さだ。内風呂もかけ流しだが、こちらはやや熱め。
夜は脱衣所にある携帯照明を持って、ほぼ暗闇の露天風呂に入浴するのもおすすめ。夏には、〝清流の歌姫〟と言われるカジカガエルの鳴き声がにぎやかという。

内風呂に併設された露天風呂

源泉かけ流しの内風呂
文/飯塚玲児 写真/三川ゆき江
【極上の民宿】ここ民宿? と驚く現代アート宿 湯季の郷 紫泉<福島・湯野上温泉>(2)へ続く(8/21公開)
周辺観光👟
大内宿
江戸時代に下野(しもつけ)街道の宿場として栄え、今も茅葺き民家が当時の姿をそのままに留めている。南北約500メートル、東西約200メートルに40軒ほどが立ち並ぶ。各民家は民芸品や飲食の店、民宿などとして営業し、気ままに散歩を楽しめる。
■営業時間や休みは店舗により異なる/下郷町大内/会津鉄道湯野上温泉駅からタクシー15分/TEL:0241-68-3611(大内宿観光案内所)


TEL:0241-68-2508
料金:1泊2食1万3350円〜(1人泊は同1万4880円〜)
客室:8(カギ付き、全室トイレ付き)
風呂:男2、女2、貸切1
備品:浴衣〇 歯ブラシ〇 タオル〇 Wi-Fi〇
住所:下郷町湯野上832
交通:会津鉄道湯野上温泉駅から徒歩20分/東北道白河ICから45キロ
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2026年9月号)
(Web掲載:2026年8月20日)


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