【極上の民宿】父の魚を長男がさばいて舟盛りに 温泉民宿 髙見家<静岡・松崎町>(1)
見た目も鮮やかな舟盛りを中心に、サザエの壺焼き、キンメダイと野菜の陶板焼き、アコウダイの揚げ物のあんかけ、天ぷらなどが並んだ夕食
駿河湾に面した西伊豆には海の幸を振る舞う民宿が多い。雲見や堂ヶ島などの温泉も湧く。海は夏の日差しを受けて青く輝き、ジオパークに認定された海岸もある。民宿で夏を満喫するには格好だ。
お腹が満ちたら内湯へ露天風呂へ
「とても心苦しいのですが、物価高騰の折、9月から500円、値上げさせていただく予定です」。取材時に、主人の渡辺芳彦さんのそんな言葉を聞き、「500円どころか1000円、2000円上げても大丈夫ですよ」と即答した。写真を見ての通り、この料理を味わい、源泉かけ流しの温泉に思う存分つかって、1泊2食1万円!であったのだ。安くておいしい。民宿の鑑と言える宿である。
髙見家があるのは、雲見の温泉街から少し南へ下った住宅街。宿から海は見えないが、時折吹く風が潮の匂いを運んでくる。背後は山、玄関前の駐車場を挟んで竹林が広がり、聞こえてくるのは川のせせらぎと鳥の声だけだ。

海岸線まで山が迫る西伊豆特有のロケーション。建物は2025年5月にリニューアルした

玄関やロビーは旅館風のたたずまい

雲見温泉街そばの雲見漁港。夏は海水浴場がオープン。釣り場としても人気だ。近くに漁協の直売所もある
料理の一番人気はやはり、豪快な舟盛りだ。この日はアカハタ、イサキ、マアジ、メジナ、マグロ、アマエビ。高級魚とされるアカハタは丸ごと1匹。イサキは皮を軽く炙(あぶ)り、マアジもマグロも切り身が大きい。
これだけの素材を安く提供できるのは、芳彦さんが自ら船で駿河湾に出て釣り上げた魚を使っているからだ。ただ、芳彦さんも71歳。毎日海に出るのは辛くなってきたと言う。また夏は書き入れ時のため、民宿の仕事に追われ、釣りに出る機会が少なくなる。それでもご安心を。近くで親戚が魚屋さんを営んでおり、仕入れを助けてくれるそうだ。最近は不漁だが、あれば伊勢エビやアワビも注文できる。
冒頭の写真を見て、お気付きだろうか?巧みな細工を施し、菊の花に見立てたダイコンやニンジンは、厨房を預かる長男・敬彦さんの発案だ。敬彦さんは、高齢の両親を気にしてか、6年ほど前に帰ってきて、調理を手伝うようになったと言う。刺し身に菊花大根(きっかだいこん)や花、松を添えることで、夕饌(ゆうぜん)が華やかになる。「舟盛りを囲んで記念写真を撮られる方も多く、髙見家ならではの1枚が残るのではないでしょうか」と、芳彦さんは目を細めた。

長男の敬彦さんが見事な包丁さばきで、躍動感あふれる舟盛りを仕上げる

主人の渡辺芳彦さんと妻のひとみさん。「アクセスの良くないここまで、多くのお客さんが来てくれる。感謝です」と語る

仕切りで区切られ、プライバシーが保たれた食事処
文/渡辺貴由 写真/齋藤雄輝
【極上の民宿】父の魚を長男がさばいて舟盛りに 温泉民宿 髙見家<静岡・松崎町>(2)へ続く(8/25公開)
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堂ヶ島マリン
洞窟めぐり遊覧船は、凝灰岩でできた海食洞窟の「天窓洞(てんそうどう)」の内部まで入る。洞窟の中央部は天井が丸く抜け落ち、光が差し込み海面が神秘的に輝く。所要20分。ほかにクルーザーでのプレミアムクルーズ、ジオサイトクルーズもある。
■洞窟めぐり遊覧船は10時~16時に15分~20分間隔で随時運航(繁忙期は延長あり)/荒天時休/1500円/伊豆急行線伊豆急下田駅からバス1時間、堂ヶ島下車すぐ/伊豆縦貫道月ヶ瀬ICから40キロ/TEL:0558-52-0013


TEL:0558-45-0215
料金:1泊2食1万円~(9月以降は1万500円~)(1人泊は+1100円)
客室:6(カギ付き、トイレ共同)
風呂:男1、女1、貸切1
備品: 浴衣〇 歯ブラシ〇 タオル〇 Wi-Fi〇
住所:松崎町雲見315
交通:伊豆急行線伊豆急下田駅からバス50分、松崎バスターミナル乗り換え20分、雲見温泉下車徒歩3分/伊豆縦貫道月ヶ瀬ICから50キロ
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2026年9月号)
(Web掲載:2026年8月24日)


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