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ボスニア・ヘルツェゴビナへの旅(4)川面に映るトレビニエの街並み

場所
> トレビニエ
ボスニア・ヘルツェゴビナへの旅(4)川面に映るトレビニエの街並み

トレビニエ旧市街の建物が、川面に映り、まるで一幅の絵画を眺めているようだ

外国人観光客でにぎわうボスニア・ヘルツェゴビナ南部の中心都市モスタルから南東へ約100㌔、セルビア系住民が多いトレビニエに移動する。95年に国際連合の調停で和平協定が成立した際、ボスニア・ヘルツェゴビナはボシュニャク人、クロアチア人主体のボスニア・ヘルツェゴビナ連邦と、セルビア人主体のスルプスカ共和国(セルビア人共和国)という2つの構成体から成る連合国家となった。モスタルはボスニア・ヘルツェゴビナ連邦の領域内で、トレビニエはスルプスカ共和国の領域内だ。ただし、境界を越える時に、パスポートチェックや荷物検査などはない。境界を越えるに際しての制約などはまったく感じなかった。

川沿いに広がる静まりかえった街並み

トレビニエの旧市街に入り、川岸に出る。すると、美しい建物がトレビシュニツァ川の鏡のような水面にくっきりと映るのが見えた。水鳥が泳ぐと、波紋がどこまでも広がって行く。

川を水鳥が泳ぐ
川を水鳥が泳ぐ
川で釣りをする人。川面に建物や橋が映る
川で釣りをする人。川面に建物や橋が映る

オスマン・トルコ帝国時代に建設されたアルスラナギッチ橋

川沿いの散歩道を歩くと、ポツンポツンと釣りをする人がいた。しばらく歩くとオスマン・トルコ帝国時代に建設されたアルスラナギッチ橋が見えてきた。モスタルで見たスターリ・モストはアーチ一つの構造だったが、こちらは大小九つのアーチを組み合わせている。両岸から橋の中央に向かってだんだんと高くなっている点は同じだ。

アルスラナギッチ橋
アルスラナギッチ橋

トレビニエ観光局で働くドラガンさんは「トレビニエは知られざる宝石。もっと日本からも観光に来てほしい」と言うが、まったく同感である。

観光案内所の壁にあった近隣観光地との周遊ルート図
観光案内所の壁にあった近隣観光地との周遊ルート図

トレビニエの観光案内所の壁には、日本の国際協力機構の協力で作成された近隣観光地との周遊ルート図があった。モスタルや隣国クロアチアの世界的観光地ドゥブロヴニクなどの名が見える。

トレビニエからドゥブロブニクまで、車で1時間ほどだ。アドリア海のほとりにある城壁に囲まれたドゥブロブニク旧市街は確かに美しい。歴史的建造物もたくさんある。だが有名になりすぎたせいか、観光客の数があまりに多い。それに比べ、トレビニエは、川のほとりに広がるまったく異なる景観だ。その静ひつさに、川面に映る美しい街並みがマッチしている。ゆったり過ごすにはぴったりの場所である。

ハーブと蜂蜜のルートを実感

ハーブの香りがするハート型のビスケット
ハーブの香りがするハート型のビスケット

市内の特産品売店に入ってみると、様々な種類のジャムや蜂蜜があった。ハート型のビスケットを販売していたので購入した。ビスケット表面には緑色の点々がおびただしく見えた。ハーブを練り込んだビスケットでは、と想像した。ほおばってみると、ハーブの香りが口の中に広がった。観光局の壁にあった周遊ルート図に「ヘルツエゴビナ、ハーブと蜂蜜のルート」と書かれていたのを思い出した。ハーブと蜂蜜のルートを旅していると実感した。

トレビニエの観光情報(英語) http://gotrebinje.com/en/

(出典:「旅行読売」20203月号)

ボスニア・ヘルツェゴビナへの旅(5)巡礼者たちが集まるメジュゴリエへ

Writer

藤原善晴 さん

月刊「旅行読売」編集部に2019年12月まで勤務。現在読売新聞東京本社文化部。瀬戸内海が見晴らせる広島県安芸津町風早(現・東広島市)生まれ。レトロブームということもあり、最近は「昭和」という言葉に敏感に反応。また、故郷が「令和」の典拠となった万葉集ゆかりの地であるため、福岡県太宰府市、奈良県、富山県高岡市、鳥取県など各地の「万葉集」ゆかりのニュースにも目を光らせている。