日本三大薬湯・ 松之山温泉 秋さんぽ
紅葉に彩られる温泉街。静寂に包まれた地で、温泉と食を堪能したい
紅葉で、湯で、食で元気になる
新潟と長野県境にひっそりと湧く松之山温泉は有馬、草津に並ぶ日本三大薬湯のひとつ。10軒ほどの湯宿が、肩を寄せ合うように並ぶ。無頼派の作家、坂口安吾もたびたび訪れ、松之山を舞台にした作品も残している。
新芽の春、そして青々とした深緑の夏、雪景色に包まれる冬と季節ごとにさまざまな表情を楽しめるが、秋はとりわけ美しい。
「ブナをはじめ、温泉街を流れる渓流沿いの紅葉がおすすめです」と笑顔で話す松之山温泉組合長・島田怜さん。紅葉の見ごろは10月下旬から11月中旬。温泉街から古社や山道を巡る散策コースもあり、気ままに紅葉巡りを楽しめる。さらに温泉街から車で10分にある、ブナ林の「美人林」の紅葉もおすすめだ。
散策で疲れた体は、薬湯で癒やしたい。太古、地中に閉じ込められた化石海水で、戦前はこの湯から食用の塩を作ったというほど塩分が濃い。「湯冷めしにくく、長くぽかぽかしますよ」と島田さん。
ホウ素、ホウ酸が多く含まれ、殺菌効果があるとされ、傷にも効くという。「メタケイ酸を多く含み保湿効果が高く、『美肌の湯』としても注目されているんですよ」。温泉水を使った人気の化粧水や入浴剤をお土産にするのもいいだろう。
松之山の「食」も楽しみ。各宿では、魚沼産コシヒカリはもちろん、地元産のキノコや山菜を使った滋味豊かな山の料理が味わえる。
「湯治豚」も見逃せない。地元のブランド豚「妻有ポーク」を真空パックに入れて、源泉につけてじっくり低温調理する。柔らかく、口に入れると脂がとろけ、実にうまい。また、24時間源泉につけて作る「湯治卵」も登場。大地の恵みを生かした「温泉グルメ」を堪能したい。
十日町秋旅インフォメーション
へぎそばの里 越後十日町「地そば」まつり 10月1日~11月30日
十日町の名産「へぎそば」。つなぎに海藻の「ふのり」を使う。へぎと呼ばれる木の器に、ひと口大で盛り付けされる。つるっとした食感とコシの強さが特徴で、そば通も一目置く。10月1日~11月30日、十日町市と隣の津南町のへぎそば店を巡るスタンプラリーを開催。参加15店を巡ると、オリジナルTシャツがもらえるほか、抽選で宿泊券などが当たる。詳しくは、下記の十日町市観光協会ホームページで。
松之山温泉までのアクセス
列車=北越急行まつだい駅からバス25分/車=関越道塩沢石打ICから34キロ