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承久の乱の舞台・京都を巡る――流転の京(みやこ)へ(2)

場所
> 京都市、京丹後市
承久の乱の舞台・京都を巡る――流転の京(みやこ)へ(2)

神護寺は824年創建。真言宗の宗祖空海みずからが住職を務めた遺迹(ゆいせき)本山。平安末期に文覚が再興。おなじみの「伝源頼朝像」を所蔵する。京都市右京区梅ケ畑高雄町5/9時~16時/600円/TEL:075-861-1769

800年前、鎌倉から実権を取り戻すため、 北条義時追討の兵を挙げた後鳥羽上皇。 その目論見はあっけなく崩れ去った。 京都でそのゆかりの地を訪ねる。

洛西、高雄の神護寺は、平安末期の勧進僧・文覚(もんがく)が後白河法皇や源頼朝の援助を得て再興した古刹。配流された伊豆で源頼朝と知り合った文覚は、後白河上皇を幽閉した平清盛に憤慨し、頼朝に平家打倒を促したという。秋は境内が燃えるような紅葉に包まれる。

本願寺の木造阿弥陀如来立像
本願寺は730年、行基の建立と伝わり、恵心僧都源信が中興した。本尊の阿弥陀如来立像は、後白河上皇の追善法要のために京都で造立され、法然が供養したと言われる。檜皮葺の本堂は鎌倉時代築。勅使門は後鳥羽天皇の勅使を迎えるために建てられた。 京丹後市久美浜町十楽/拝観自由/TEL:0772-82-0154
本願寺
本願寺の本堂

都から遠く離れた丹後にも、後白河上皇と後鳥羽上皇ゆかりの寺院がある。本願寺の本尊阿弥陀如来立像は、後白河上皇の供養仏として作られたと伝わる。1192年、当時の後鳥羽天皇から勅使が送られ、48回の法要が行われたと寺伝にある。

丹後は静御前ゆかりの地だ。源義経の側室だった静御前は、現在の京丹後市網野町磯の生まれと伝わる。地元の伝承では義経と生き別れた後、出家して故郷の磯に戻り、隠れるように暮らしたという。海に臨む小さな静神社は、静御前の寂しさを湛えているようにも見える。

公家から武家へ、平家から源氏へ、京から鎌倉へ。800年前の流転の時代の痕跡を、京都各地で探してみたい。

 

磯の集落
磯の集落。磯禅師の娘として、丹後で生まれたといわれる静御前。京で義経と出会い、側室となるものの、生き別れた後は故郷で過ごしたと伝わる。
静神社
静神社。江戸時代の大火で遺品とともに社殿が燃えてしまうが、昭和2年に復興された。静御前の木造が祀られている。 京丹後市網野町磯/拝観自由

【京都市内へのアクセス】

電車/東海道新幹線京都駅からバス

車/名神高速京都南IC

【京丹後市内へのアクセス】

電車/京都駅から山陰線経由、宮津駅で京都丹後鉄道に乗り換え

車/参院近畿道京丹後大宮IC

<問い合わせ>

京都総合観光案内所「京なび」

TEL:075-343-0548


Writer

旅行読売出版社 メディアプロモーション部 さん

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