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【東京さんぽ】星野リゾートの新しい都心ホテル OMO3東京赤坂

場所
【東京さんぽ】星野リゾートの新しい都心ホテル  OMO3東京赤坂

「まさかの赤坂さんぽ」で立ち寄る豊川稲荷東京別院


OMO(オモ)レンジャーが、大人の街・赤坂を案内

赤坂のネオンが懐かしい。ディスコやバーなど、思い出すのは昭和の夜ばかり。社会人1年目に連れて行ってもらったクラブで、着物姿のママが「赤坂は‟夢”という坂を上り切った人が憩う場所」と言っていたのを覚えている。赤坂という街に‟大人”を感じたものだ。

街の歴史をひも解くと、江戸時代には台地に紀州徳川家の屋敷や大名屋敷が置かれ、明治期は公家(くげ)や政府要人の邸宅が集まり、風趣に富んだ溜池(ためいけ)周辺の茶屋は料亭街へと発展。昭和になると花柳界としてのにぎわいも見せた。

そんな街全体をリゾートと捉え、赤坂を感じてほしいと、2022年1月7日にオープンしたのが「OMO3東京赤坂 by星野リゾート」だ。「イイとこみっけ」をコンセプトにした都市観光ホテルで、泊まるだけではなく、街散歩もサポートしてくれると聞いて訪れた。

160センチ幅の広々したベッドが魅力のダブルルーム

「寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市観光ホテルでのひと時をお楽しみください」と話すのは、広報担当の石川優海(ゆうみ)さん。OMOは星野リゾートの人気ブランドの一つだ。

ホテルはツインとダブルの全140室。すべてバス、トイレ、洗面台が独立し、電話も目覚まし時計もチラシもない。ほかの都心ホテルでは感じない魅力が多い。

いよいよ、OMOレンジャーとの赤坂歩き!

「15時30分から‟まさかの赤坂さんぽ”があります」と石川さん。寝るだけでは終わらせないサービスとして、「ご近所ガイドOMOレンジャー」が赤坂の街を案内してくれる。OMOレンジャーはスタッフ6人が交替で担当し、この日は総支配人の山口美咲さん。総支配人⁉と驚くと、「何でもこなしてこそ、お客様の気持ちに近付けます」と笑顔で答える。山口さんは元水泳選手で、北京とリオデジャネイロのオリンピックに出場。スイマーとして健康への意識は高く、「散歩=健康」からツアーへの思い入れは強い。

「まさかの赤坂さんぽ」は、赤坂サカス横の円通寺坂を上がり、薬研坂(やげんざか)を下った先で赤坂御用地を見送りながら青山通りを歩く約1.7キロ。
「江戸時代、円通寺の鐘が時を知らせていました」
「道の中央が窪(くぼ)む形状が薬を砕(くだ)く薬研に似ていたのが名の由来」
など、山口さんの説明を聞きながら歩く。豊川稲荷東京別院では約15分の自由時間もある。

総支配人でOMOレンジャーの山口美咲さんが案内する「まさかの赤坂さんぽ」。「まさか」は魅力ポイントの頭文字から
ツアー最後に立ち寄る「Bar・salonのら犬」では、ママ手作りのレモネードや、コーヒー、リンゴジュースなどから好みの一杯を選べる

最後に立ち寄る「BAR・salonのら犬」がゴールで、ドリンクを味わって終了。バーやスナックがひしめく雑居ビルにあり、知らなければ入りづらい雰囲気だ。湯川倫代ママは元赤坂芸者で、現役の赤坂芸者と飲食を楽しむ場を用意するなど、赤坂の伝統文化も広めている。ツアー後、そのまま店に残ってもよく、アルコールへとグラスを変えるうちに昭和のあれこれが思い出された。

夕食は街中で。とはいえ店選びに迷う宿泊客に、ホテル側は東急プラザ内の「YONA YONA BEER WORKS(よなよなビアワークス) 赤坂店」で限定料理「赤YONA 宴(うたげ)ボール」(3500円)を用意している。メニュー全商品が10%引きになる特典付きだ。限定料理は、名物のローストチキンをはじめソーセージ、サラダ、前菜など。香ばしいローストチキンはもちろん、いぶりがっこをチーズで挟んだ一品もおいしかった。

宿泊客限定で味わえる料理「赤YONA宴ボール」。三段重をイメージした球型の有田焼に入って出てくる

赤坂で‟朝活”。意外な一面を知る

翌日は7時から「早起きは三文の徳ツアー」に参加した。OMOレンジャーは前日と同じ山口さん。「高層ビルの窓に反射する朝の光がすてきで、昼間は混む神社も人が少なく、意外な赤坂を感じてもらえます」と魅力を語る。静かな日枝(ひえ)神社へ参拝し、国会議事堂を眺め、外堀通りを歩く約2.3キロのコース。途中、平日だったため多くの通勤客とすれ違い、都心でのんびり朝散歩を楽しんでいる自分が優雅に思えた。

ホテルは寝るために泊まるイメージが強いが、ここは違った。楽しむために泊まり、赤坂の街との新鮮な出合いをOMOレンジャーは思い出にくれた。こんなスタイルが都心ホテルの新しい姿かもしれない。

朝食はホテル1階の上島珈琲店で。宿泊者限定メニュー「真鯛出汁香るスクランブルエッグサンド」を提供。「早起きは三文の徳ツアー」の参加者は、特別に飲み物から豆乳ラテも選べる

松月(しょうげつ)

1917(大正6)年創業の和菓子店で、ホテル近くの浄土寺門前にある。北海道産の大粒アズキを毎朝炊いたあんをエンドウ豆入りの餅で包んだ「まめ福」(220 円)、丸ごと「とちおとめ」が入った「いちご大福」(250円)など、どれも手土産にもおすすめ。

10時~19時(土曜は事前注文分の受け取りのみ)/日曜、祝日休/TEL:03-3583-7307


OMO3東京赤坂 by 星野リゾート
1泊素泊まり1万2200円~
「まさかの赤坂さんぽ」15時30分~16時30分、要予約、1000円
「早起きは三文の徳ツアー」7時~8時、要予約、参加無料
地下鉄丸ノ内線・銀座線赤坂見附駅10番出口から徒歩3分など
TEL:0570-073-099(星野リゾート予約センター)


Writer

松田秀雄 さん

全国を取材で巡ること約30年。得意なテーマは「温泉」で、北海道・稚内温泉から沖縄・西表島温泉まで500湯・2000軒以上は訪れている。特に泉質は硫黄泉が好きで、湯上りに体を拭かず自然乾燥させるのがモットー。帰宅後、体に付着した硫黄成分が湯船に染み出して白濁する様子を見るのが好き。最近は飲泉への興味が強く、「焼酎割に適した温泉は?」を掲げて最高の一杯を探し中。旅行読売出版社・編集部に所属。

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