【この工場がすごい!】ANA Blue Hangar Tour(2)
ガイドスタッフが近づける範囲を示すが、かなり間近で見られることもある
スケール感はけた違い!巨大格納庫と機体の迫力
【この工場がすごい!】ANA Blue Hangar Tour(1)より続く
3階デッキから見渡すさまは、巨大工場の趣だ。第1号格納庫は約2.3万平方メートルの広さで、最大7機が納まるという。機械の作動音などが反響する中、藤井さんは拡声器を使って「ここで1000人以上の整備士が24時間体制で働いています」と説明する。ドックインしていたボーイング社製B737-800型機(166席)は、ちょうど整備中で、工事現場の足場のようなドックスタンドに胴体を挟まれていた。
現場に来ないと、どの機種が何機ドックインしているかわからないし、整備の工程も違うので、毎回何が見られるか、ワクワク感も味わえそう。
階段を下りて1階へ。飛行機の状況に合わせて案内するということで、今回は第2号格納庫へ移動する。ここではB787-8が機首をこちらに向けて止まっていた。先行グループの見学者たちも熱心にカメラを構えている。通常、機体の下は通れないが、この日はスペースの都合で主翼の下を通って、尾翼の後ろへと回った。「主翼の下では立ち止まらずに」と藤井さんが注意を促す。間近に見る飛行機に圧倒されっぱなしだ。
格納庫の端には、取り外されたエンジンが巨大な台車に載って整備を待っていた。先の説明会で、「エンジン部品だけで数万点もある」と言っていたが、むき出しになったエンジンは複雑そのもので、点検・整備の大変さを実感した。
「では、戻りましょう」と言う藤井さんの声に、「もう?」と思ったが、格納庫に来て50分が経っていた。まだまだ見ていたい。リピーターが多いというのも納得だ。
受付ロビーに戻ってツアーは終了だが、展示ホールは30分間、自由に見学できる。原寸大の垂直尾翼のレプリカが立ち、周りの体験コーナーではトルクレンチなどの工具を動かしたり、B787-8の国際線ビジネスクラスのシートに座ったり、実際に触れられる設備が充実。こちらも貴重な体験だ。
ANAにはこのほか、客室乗務員や運航乗務員、整備士などの訓練施設ANA Blue Baseが見学でき
るツアーもある(インターネット予約、有料)。次はこれを体験してみたい。
文/田辺英彦 写真/青谷 慶
日時:月曜〜金曜の9時30分〜、11時〜、13時30分〜、15時〜
料金:無料
交通:東京モノレール羽田線新整備場駅から徒歩15分
住所:東京都大田区羽田空港3-5-4
予約方法
受付:希望日1か月前の同日9時30分から2営業日前までにインターネットで予約
人数:1人〜40人(小学生以上)
(出典:「旅行読売」2022年9月号)
(WEB掲載:2022年10月30日)