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【この工場がすごい】モノづくりの街、三条市と燕市で、職人の心意気を実感(2)

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> 三条市、燕市
【この工場がすごい】モノづくりの街、三条市と燕市で、職人の心意気を実感(2)

マルナオ OPEN FACTORY の通路から作業を見学

 

徹底的に使いやすさを追求するマルナオ

【この工場がすごい】モノづくりの街、三条市と燕市で、職人の心意気を実感(1)より続く

黒檀(こくたん)などの硬木を使い「本物の箸づくり」で定評のあるマルナオも、ガラス越しに「組立」「成型」「研磨」などの製造作業を見学できる。

「先の尖(と)がったものは円錐(えんすい)形になってしまうんですが、マルナオの箸は、サンドペーパーに押し付けながら直径1.5ミリの先端に8面の角をつけるんです。同業者の方もその手作業を見るとびっくりされます」

職人の手技が口当たりの良さ、使いやすさを生み出す

こう話すのは、3代目の福田隆宏さん。こうしてできた箸は、面と面で小さい球体を捉えることができるので、豆や麺類も格段に食べやすいという。

「作っている姿をそのまま使う人に見てもらうのがいちばん早いし、誤解が生まれにくい。職人の真剣な顔や工場の雰囲気もお客様の心に残って、思い入れを持って使ってくださる方が多いです」と福田さん。手頃なものでも5000円台、極上になると1万円台と高額だが、長く使える。箸の修理も受け付けている。

マルナオの箸とスプーン。海外にも多数出店している
マルナオの本社、ショップもOPEN FACTORYに併設

このほかにも刃物づくりや金属研磨、鍛冶など、三条市と燕市で10軒余りのオープンファクトリーや体験施設がある。駅から距離がある工場が多いので、移動はレンタカーが便利だ。

道の駅燕三条地場産センターの物産館には、刃物や洋食器など約1万点の地場産品が並ぶ。1階の「Tsubamesanjo Bit(ツバメサンジョウ ビット) 燕三条本店」では、食器やカトラリー、箸などに三条市、燕市産の製品を採用。ランチでもお願いすれば出してくれる。

至る所でものづくりのおもしろさを実感した、これまでにない旅となった。

文/高崎真規子 写真/阪口 克


マルナオ OPEN FACTORY

住所:新潟県三条市矢田1662-1
TEL:0256-45-7001

見学:月曜~金曜の9時~17時30分、土・日曜の10時~17時30分(12時~13時は作業休憩。土・日曜、祝日は作業休止の場合あり、詳しくは要問い合わせ ※掲載時の時間)
料金:無料
予約:不要
交通:上越新幹線燕三条駅からタクシー20分/北陸道栄スマートICから7キロ

(出典:旅行読売2022年9月号)

(Web掲載:2022年12月23日)

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Writer

高崎真規子 さん

昭和の東京生まれ。80年代後半からフリーライターに。2015年「旅行読売」の編集部に参加。ひとり旅が好きで、旅先では必ずその街の繁華街をそぞろ歩き、風通しのいい店を物色。地の肴で地の酒を飲むのが至福のとき。本誌連載では、大宅賞作家橋本克彦が歌の舞台を訪ねる「あの歌この街」、100万部を超える人気シリーズ『本所おけら長屋』の著者が東京の街を歩く「畠山健二の東京回顧録」を担当。著書に『少女たちはなぜHを急ぐのか』『少女たちの性はなぜ空虚になったか』など。

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