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【私だけのひとり旅】鬼ヶ島大洞窟を探訪し、海を見ながらビール 女木島・男木島(1)

場所
> 高松市
【私だけのひとり旅】鬼ヶ島大洞窟を探訪し、海を見ながらビール 女木島・男木島(1)

豊玉姫神社の石段に座って、海に沈んでゆく夕日を眺める

 

高松港から、しましま模様のフェリーで瀬戸内の島々へ

高松港の桟橋から、しましま模様のフェリーに乗り込む。2021年に運航を開始した新造船「めおん」だ。女木島(めぎじま)までの航海は20分。デッキで潮風を浴びていると、日常の悩ましい一切が海面の泡となって飛び散っていくようだ。

頭の中はすっきり旅モードに切り替わり、意気揚々と女木島に上陸。ここは高松港の沖合約4キロに浮かぶ離島で、瀬戸内海の島々を舞台に3年に1度開催される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」の会場の一つだ。今年は会期外だが、野外作品は自由に鑑賞できる。防潮堤にずらりと並ぶカモメのオブジェは、アートト作品「カモメの駐車場」。風が吹くと一斉に向きを変えるそうで、楽しみに待つが風は吹かず……。つぶらな目のカモメを見つめていると、島の時間がゆるりと過ぎていく。

アート作品「カモメの駐車場」。船を降りるとすぐ目に付く船を降りるとすぐ目に付く
女木島の鷲ヶ峰展望台から瀬戸内海の雄大な景色を満喫
冬の海風から家屋を守るため、先人たちが築いた暴風壁「オーテ」

桃太郎伝説の鬼の棲すみ家かとされる「鬼ヶ島大洞窟」へは、港からバスで10分ほど山道を上る。鬼や妖怪を好む私としては、ぜひ行ってみたかった場所である。腰をかがめて内部に入ると、ひんやりした空気に包まれた。洞窟の広さは約4000平方メートルで、至る所に昭和チックな鬼の像が並ぶ。一説によると当地の鬼は、洞窟をアジトにした海賊のことだったという。

鬼と恐れられた海の民を思いつつ、洞窟を出て遊歩道を上ると鷲ヶ峰(わしがみね)展望台に出た。「瀬戸内海に島多しと言えども、いっぺんに360度望める所はあまりないですよ」と地元の方も誇らしそう。ビッグスケールの多島美に、思いがけず出合えた。

文/北浦雅子 写真/泉田道夫

 

【私だけのひとり旅】鬼ヶ島大洞窟を探訪し、海を見ながらビール 女木島・男木島(2)へ続く

 

●モデルコース

【1日目】
高松港 
↓ フェリー20分
女木港 
↓ バス10分
鬼ヶ島大洞窟
↓ バス10分
女木港 
↓ フェリー20分
男木港
↓ すぐ
男木交流館
↓ 徒歩5分
男木島図書館
↓ 徒歩10分
豊玉姫神社
↓ 徒歩4分
民宿まりも荘 泊

【2日目】
民宿まりも荘
↓ 徒歩25分
男木島灯台
↓ 徒歩23分
男木港 
↓ フェリー40分
高松港

 

女木島 立ち寄りたい施設

鬼たちが洞窟内で夢を語り合い、酒盛りをしている様子

鬼ヶ島大洞窟

女木島の別名「鬼ヶ島」は桃太郎伝説に由来し、伝説の地で探検気分が味わえる。鷲ヶ峰中腹に洞窟が発見されたのは1914年。内部の奥行きは約400メートルで、点在する鬼のオブジェが妖しい雰囲気を醸し出している。港からすぐの「おにの館」前から送迎バスが運行。

■8時30分〜16時30分/無休/600円/女木港から送迎バス10分/TEL087-840-9055(鬼ヶ島観光協会)

※掲載時のデータです。


(出典:「旅行読売」2023年6月号)

(Web掲載:2023年6月16日)

~読売旅行のひとり旅~はこちら


Writer

北浦雅子 さん

和歌山の海辺生まれで、漁師の孫。海人族の血を引くためか旅好き。広告コピーやインタビューなど何でもやってきた野良ライターだが、「旅しか書かない」と開き直って旅行ライターを名乗る。紀伊半島の端っこ、業界の隅っこにひっそり生息しつつ、デザイナーと2人で出版レーベル「道音舎」を運営している。https://pub.michi-oto.com/

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