【私の街の路面電車】全国屈指の観光地・嵐山や東映太秦映画村などを巡る 京福電気鉄道(嵐電)
人気の撮影スポット・太秦広隆寺付近を走る嵐電。京紫色の車体が映える
古都の日常と悠久をゆるりと巡る嵐電
全国屈指の観光地・嵐山(あらしやま)への輸送を担う嵐電は、市街地と洛西(らくせい)を2路線で結び、ほぼ10分間隔の運行で地元民にも重宝されている。
沿線には西院(さい)、蚕(かいこ)ノ社(やしろ)など難読駅名が多いが、一風変わった駅名もある。2020年に京福電鉄と立命館大学が、地域活性化を目指し連携協定を締結。その機に誕生した「等持(とうじ)院・立命館大学衣笠キャンパス前」駅だ。2023年は府の絶滅危惧種・フジバカマを増やすプロジェクトを学生、住民、京福社員で展開。育てたフジバカマを北野線全駅で展示した。
沿線で異彩を放つ観光スポットが東映太秦(うずまさ)映画村。太秦は戦前から〝日本のハリウッド〟と呼ばれる映画の聖地だ。テーマパーク内には時代劇のオープンセットがあり、迫力ある立ち回りが見られることも。
帷子(かたびら)ノ辻(つじ)駅で下り、目当てのスマート珈琲(コーヒー)店太秦店に立ち寄る。喫茶店を訪ねるのも、学生の町・京都ならではの楽しみだ。地元客に紛れ、評判のホットケーキを味わう。
続いて世界遺産の仁和(にんな)寺へ。二王門や金堂など迫力ある伽藍(がらん)も見どころだ。古都の風雅を満喫できる。
文/北浦雅子
■モデルコース
<四条大宮>
↓13分
<太秦広隆寺>
東映太秦映画村
↓2分
<帷子ノ辻>
スマート珈琲店太秦店
↓7分
<御室仁和寺>
仁和寺
京福電気鉄道(嵐電)沿線の見どころ
東映京都撮影所の一部を開放し、1975年にオープンした体験型のテーマパーク。
■9時〜16時(8月5・6・11〜16・19・20日は〜20時)/無休/2400円/太秦広隆寺駅から徒歩5分/TEL:0570-064-349(ナビダイヤル)
※掲載時のデータです。
京都のカフェ文化を伝える名店の一つ。1932年の創業から質の高い味と雰囲気を守る。
■8時〜17時/水曜休/帷子ノ辻駅からすぐ/TEL:075-881-1624
※掲載時のデータです。
真言宗御室派の総本山で創建は888(仁和4)年。世界文化遺産。桜と紅葉の名所としても知られる。
■9時〜16時30分/無休/800円(特別公開は1000円)/御室仁和寺駅から徒歩3分/TEL:075-461-1155
※掲載時のデータです。
京福電気鉄道(嵐電)
●開業:1910年
●営業距離:11.0キロ
●駅数:22
●お得なきっぷ
「嵐電1日フリーきっぷ」:700円
「嵐電・映画村セット券」:2900円。嵐電(全線)1日乗り降り自由と映画村の入村券1回分(当日限り有効)。
「京都地下鉄・嵐電1dayチケット」:1300円。京都市営地下鉄と嵐電(ともに全線)が1日乗り降り自由。
●問い合わせ:京福電気鉄道/TEL:075-801-2511
(出典:「旅行読売」2023年9月号)
(Web掲載:2023年10月12日)