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広島のテロワールを味わう旅(1)

場所
> 広島市
広島のテロワールを味わう旅(1)

「紅葉鯛の切り重ね」。春は「桜鯛」、秋は「紅葉鯛」と呼び名が変わるマダイ。紅葉鯛は初夏から寒の入りまで脂が乗り肉も厚くうま味が増す

 

瀬戸内さかな 瀬戸内海が育む多様な魚介類

地域の個性や風土、特有の食材を意味する「テロワール」。山海の幸に恵まれ、豊かな食文化を育んできた広島県に、ふさわしい表現だ。

まずは瀬戸内海の旬の魚「瀬戸内さかな」を味わえる「半べえ」へ。

「広島湾で獲れた地魚は『内海もの』とも呼び、鮮度が良くて安全。内海のカニやエビを捕食して育つので、魚自体の甘みと上質な脂の乗りが、外海のものとは全然違います」

そう語る総料理長・川村満さん。旬の味を大切にする月替わりのコース料理では、一年を通して広島の魚を楽しめる。秋は紅葉鯛やサワラを、刺し身や揚げ物に。小イワシは夏の漁解禁時に水揚げしたものを新鮮なまま急速冷凍し保存する。「音戸の瀬戸で獲れる小イワシはあっさりしていて、南蛮漬けや天ぷらなどで骨まで全部食べられる、広島の味です」。

内海ものの魚を扱って40年、半べえ総料理長の川村満さん。懐石の土鍋炊き「鯛の釜めし」も人気
「光風の間」。「愉しむ日本文化」をテーマに、旬の味覚に舌鼓を打ちながら情緒あふれる日本庭園を一望できる。秋は赤紅葉が美しい

刺し身か焼くか、煮るか揚げるか。広島の魚は種類だけでなく、部位ごとに調理法が変わる。旬の味をどう伝えるか。それを考えるのは川村さんにとって最高に楽しい時間だ。

「オコゼにメバル、キスやコチ。四季折々の多種多彩な地魚を扱う料理が、広島の料理職人は上手ですし得意じゃと思います。先人から受け継がれてきた伝統的な味であり調理法ですから」。広島には、地の食材を生かす、「作り手のテロワール」も育っている。

「季節の八寸」は地魚と秋野菜の吹き寄せ盛り。小イワシに「湯の花」(おから)を添え、秋カマスの幽庵焼きには、新ぎんなん、むかご(長芋の 芽)などの秋三昧で
「鰆の利久揚げ」は、紅葉や銀杏の葉で彩り季節感を演出

日本庭園を眺めながら、ゆっくりと食事できる半べえ。半世紀を越えて広島の人々に親しまれてきた料理は、盛り付けも庭園の樹々の枝葉が飾る。落ち葉を拾う手箕(てみ)をイメージした器には紅葉が彩りを添える。庭園と料理で、秋を味わえる。

旬とは季節の移ろいがある証し。変化や違いを体感する広島テロワールは、11月にはカキの生食が解禁になる。土手鍋にフライ、贅沢な味わいの楽しみは、さらに増えそうだ。

庭園と料亭半べえ
住所:広島市南区本浦町8-12
営業:昼11時30分~15時30分、夜17時30分~21時30分/火曜休/月替わり旬の幸コース1万1000円~
TEL:082-282-7121
※掲載時のデータです。

「銀河」ランチクルーズ・お魚のコース

広島湾の多島美や宮島沖の景色を満喫できるクルーズ船「銀河」。ランチクルーズは旬の魚介類をフレンチコースで楽しめる。
■8000円(乗船料含む)/月・火曜休
TEL:082-255-3344(瀬戸内海汽船

産地の食文化を楽しめる一皿 広島のテロワールを味わう旅(2)へ続く


Eatrip HIROSHIMA キャンペーン

多彩な広島の食の魅力を味わうグルメツーリズムで、まだ見ぬ「おいしい!広島」に出会う「Eatrip HIROSHIMAキャンペーン」が開催中。11月9日までは「瀬戸内さかな料理」がテーマ。旬の瀬
戸内さかな料理を注文した方に、抽選で航空券や「比婆牛詰め合わせ」などもプレゼント。11月10日~「中国料理」がテーマ。

詳細はキャンペーンサイト

(出典:旅行読売2023年12月号)
(Web掲載:2023年11月2日)

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Writer

旅行読売出版社 メディアプロモーション部 さん

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