【旅と駅弁・駅麺】北陸新幹線延伸直前!海の幸駅弁の旅(2)
「東尋坊えびかに海鮮ちらし」(番匠本店)。福井駅の西口駅前広場は恐竜のオブジェがフォトスポットだ
真っ赤な自動販売機で駅弁を購入
【旅と駅弁・駅麺】北陸新幹線延伸直前!海の幸駅弁の旅(1)から続く
福井駅に到着し、ホームから階段を下りて改札に向かおうとすると、真っ赤な自動販売機が目に飛び込んできた。老舗駅弁メーカー「番匠(ばんじょう)本店」の駅弁自動販売機だ。22年9月に福井駅コンコースに設置。JR西日本では駅ナカ初の駅弁冷蔵自動販売機として話題となった。現在は新幹線の駅舎工事に伴い、改札内に移動している。
番匠本店は1902年創業で、「越前かにめし」で知られる。コロナ禍のさなかの2022年秋、販路拡大を図るため発売したのが、「東尋坊えびかに海鮮ちらし」だ。
自販機の商品番号ボタンを押すと、ベルトコンベヤーに載せられた弁当が取り出し口まで運ばれてきた。対面販売と趣は異なるが、始発から終電まで利用者の好きな時間に購入できるのは便利だ。珍しげにスマートフォンで撮影する人も多く、注目度の高さがうかがえた。
弁当は、福井を代表する景勝地・東尋坊がパッケージに描かれ、地元の海の幸をイメージした具材をぎっしり詰め込んだちらしずし。コンパクトなサイズながら、しっかりボリュームはある。具材は酒の肴(さかな)にもぴったりだ。箸は伸縮式で持ちやすく、車内で食べる際には細かな工夫がありがたい。
工事が進む新幹線の高架を横目に、特急「サンダーバード」で金沢へ向かう。競争が激しい金沢駅の駅弁売り場で安定した人気を誇るのが、加賀温泉を本拠とする高野商店の「炙りのどぐろ棒寿し」だ。
竹の皮を開くと、翡翠(ひすい)色に透き通った白板昆布の下に、炙ったノドグロが見えて食欲が増す。昆布、ノドグロ、すし飯を一度に頰張ると食べ応えたっぷりで幸せな気分に。ノドグロとご飯の間にしのばせた刻みショウガが魚特有のくさみを消し、味を引き立てる。
日本海らしい魚介類を米と酢で味わった海鮮系すし駅弁の旅。秋から冬へと季節が進めば、雪化粧してまた違った車窓風景を眺められるだろう。新幹線開業を前に、旬の味をたっぷりと楽しめるはずだ。
文/星 裕水 写真/宮川 透
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↓ 特急しらさぎ5号
鯖江駅 11:51着13:14発
↓ 北陸線
福井駅 13:29着14:07発
↓ 特急サンダーバード21号
金沢駅 14:55着
※土曜、休日用ダイヤ
思わず笑顔に!「映ばえ系」海鮮ちらし
東尋坊えびかに海鮮ちらし
◉1380円(自販機では1400円)
【福井駅】北陸線ほか
☎0776・57・0849(番匠本店)
※掲載時のデータです。
高級魚の風格漂い うまみは抜群!
炙りのどぐろ棒寿し
◉1800円【金沢駅】北陸線ほか
☎0761・72・3311(高野商店)
※掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2023年12月号)
(Web掲載:2023年11月27日)