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レトロモダンに生まれ変わったイスタンブールで味覚満喫!-トルコ紀行(5)

場所
レトロモダンに生まれ変わったイスタンブールで味覚満喫!-トルコ紀行(5)

ボスポラス海峡クルーズのお楽しみ

イスタンブール旧市街の魅力再発見-トルコ紀行(4)より続く

「あんなところに住んでみたいわ!」

ボスポラス海峡を見下ろす高台に連なる高級住宅。それをクルーズ船から仰ぎ見る乗船客から、こんな風につぶやく声が聞こえてきた。新市街南部の小さな船着場から出航したクルーズ船。その船上から左右に連なる宮殿やモスクなどを眺めるのが目的であるが、このお客さんは、連なる家並みのたたずまいの方に心が動かされてしまったようである。「毎日、素敵な景色が楽しめていいわね」というわけだ。もちろん、お金があれば誰でも実現は可能。ただし、「10億円もするような家も多いそうですよ」との話も耳にするから、下から眺めておくに止めるしかないかも。

ボスポラス海峡を航行するクルーズ船
ボスポラス海峡クルーズ
クルーズ船から仰ぎ見る高級住宅の家並み。邸宅からの眺望が期待できそう

ともあれ、青々と晴れ渡る秋空のもと、カモメが飛び交う船上からの眺望は、実に素晴らしい。オスマン帝国のアブドゥルメジド一世によって築かれたドルマバフチェ宮殿を始め、格調高い宮殿ホテルとして生まれ変わったチュラーン・パレス・ケンピンスキー・ホテルや、第一ボスポラス大橋のたもとにそびえるネオバロック様式のモスク・オルタキョイなどの名所が次々と通り過ぎていく。

第一ボスポラス大橋
オルタキョイ

メフメット二世が東ローマの都であったコンスタンチノープルを攻略するために築いた要塞・ルメリ・ヒサルを左手に眺めるや、ほどなく第二ボスポラス大橋へと辿り着く。1988年に日本政府の開発援助によって建設された全長1510メートルという長大な橋である。

ここで船が反転。さらにクレリ軍高等学校やベイレルベイ宮殿等を眺めながら元の出向地へ。所要2時間近くという長閑な船旅は、爽快な気分にさせてくれるとともに、前述のお客さんのように、心なしか豊かな気分にもさせてくれるのである。

1453年に建造された要塞・ルメリ・ヒサル。わずか4か月で建造されたとか
オスマン帝国時代の建造物で、神学校や病院などを経て、クレリ軍高等学校として利用されるようになった

トルコのガストロノミー(美食文化)の魅力

ちなみに、前述したチュラーン・パレス・ケンピンスキー・ホテルだけでなく、ガラタ塔の少し北にあるペラ・パレス・ホテルもレトロモダンなホテルである。『オリエント急行』の作者であるアガサ・クリスティが宿泊したことでも知られるところで、彼女が泊まった411号室も、チャンスがあればぜひとも宿泊したいところだ。

ペラ・パレス・ホテル
ペラ・パレス・ホテルのラウンジ。中世の世界に迷い込んだ気分にさせてくれる
ペラ・パレス・ホテルのアガサ・クリスティ・キングルーム。彼女が使用したタイプライターのレプリカや本なども飾られている

ボスポラス海峡に面したペニンシュラ・イスタンブールも20世紀初頭まで使用されていた歴史的建造物を改装したホテル。ここでは、海峡を眺めながらのアフタヌーンティーを楽しみたい。

ペニンシュラ・イスタンブールの「ザ・ロビー」で味わえるペニンシュラ・アフタヌーンティー(15時〜18時)

また、同ホテルの北側に2021年にオープンしたショッピング街・ガラタポートも、是非とも足を伸ばしておきたいところである。250ものオシャレなカフェ・レストランやショップなどが連なっているから、地元客ばかりか国内外の観光客でいつも大にぎわい。すぐ目の前の港は、3隻もの大型クルーズ船が寄港できるという国際港とあって、華やかさも格別だ。

ボスポラス海峡に面したガラタポートの夕方の賑わい

また、かつて外国人の居住地区としてゴシック調のレトロな街並みが連なっていたカラキョイの街並みも、近年はオシャレなロカンタ(料理店)やメイハネ(居酒屋)が立ち並ぶようになってきた。ミシュランガイドに掲載された有名レストランまでお目見えしているから、目が離せない。

 

トルコ初のミシュランガイドにも掲載されたレストラン・ミュルヴェルでは、黒海で獲れたトルコサーモンのレバノン杉焼きなどが味わえる

世界三大料理として君臨する伝統的なトルコ料理、その伝統に「新風を吹き込みたい!」という若きシェフ・メヴリュット・オズカヤ氏の熱意を、舌で存分に味わってから帰国の途に就きたいものである。

ミシュラン・ヤングシェフアワードを受賞したメヴリュット・オズカヤ氏。薪を使った独特の調理法が特徴的
ボスポラス海峡沿にはオシャレなシーフードレストランが数多く立ち並ぶ。スズキの塩釜焼が絶品
客席で塩釜に火入れするパーフォーマンスも

文/藤井勝彦、写真/藤井勝彦ほか
協力/トルコ共和国大使館 文化観光局、ターキッシュエアラインズ


<旅のインフォメーション>
■交通/成田からイスタンブールまでターキッシュエアラインズの直行便で約13時間45分、イスタンブール市内へはメトロの場合は約30分、バスの場合は約1時間15分
■時差/日本より6時間遅れ
■ビザ/観光目的の場合、90日以内の滞在であればビザは不要。ただし、入国時にパスポートの残存有効期限が150日以上残っていることが必要
■通貨/トルコリラ(₺)1トルコリラ=5.2円(2023年11月15日現在)
■気候/イスタンブールの年間平均気温は夏季約24度、冬季約6度
■問い合わせ/トルコ共和国大使館・文化広報参事官室(トルコ政府観光局)TEL:03-3470-6380
 公式ホームページはこちら

■トルコへのツアーはこちら

成田・羽田空港からイスタンブールへの航空券はこちらよりご予約いただけます。
関西空港からイスタンブールへの航空券はこちらよりご予約いただけます。
成田・羽田空港からイスタンブールへのダイナミックパッケージ(航空券+ホテル)はこちらよりご予約いただけます。
関西空港からイスタンブールへのダイナミックパッケージ(航空券+ホテル)はこちらよりご予約いただけます。

(Web掲載:2024年1月9日)


Writer

藤井勝彦 さん

歴史紀行作家・写真家。編集プロダクション・フリーポート企画代表を経て、2012年より著述業に専念。「日本神話の謎を歩く」「日本神話の迷宮」「邪馬台国」「源為朝伝説」「神々が宿る絶景」「三国志合戦事典」「三国志英雄たちの足跡」「図解三国志」「図解ダーティヒロイン」「中国の世界遺産」「世界遺産富士山を歩く」など著書多数。

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