牧野富太郎、クロード・モネゆかりの草花 自然に包まれる土佐の花旅(2)
スイレンや色とりどりの花が咲く水の庭
高知県で訪れたい二つの花園、高知県立牧野植物園と北川村「モネの庭」マルモッタンを中心に、周辺のグルメ情報も紹介。牧野富太郎が愛した土佐の豊かな自然を体感する旅へ。
高知にフランスを再現⁉
牧野富太郎、クロード・モネゆかりの草花 自然に包まれる土佐の花旅(1)から続く
高知県東部の人口1200人の小さな村に、印象派の巨匠クロード・モネの名を冠した庭園がある。モネがフランス・ジヴェルニーに築いた理想の庭を模して造られたのが、北川村「モネの庭」マルモッタン。「水の庭」では、モネの「睡蓮」を思わせる風景が見られる。広報の西山純子さんが「水面に風景が映り込むよう週1回スイレンの手入れを行っています」と説明する。池の周囲にはフジやカキツバタ、バラなどが彩りを添え、季節によって風景が変わる。
園内の高所にリニューアルしたのが、「ボルディゲラの庭」。モネが描いた地中海の風景を思わせ、ヤシやオリーブの樹間から青い海を遠望できる。カフェがあるので、モネの気分になってのんびりしたい。
安芸(あき)市に面した太平洋の波に浸食されてできた洞窟、伊尾木洞は洞窟を支える地層が作る景色が見どころだが、崖を覆うシダの群落も見事。牧野博士もシダの採集に通っており、すべてが国の天然記念物に指定されている。外見が似ているシダも多いので、ガイドと歩くのがおすすめだ。
安芸市のご当地グルメである「釜あげちりめん丼」は特産のちりめんじゃこを使った丼。市内約10店舗で提供しており、安芸しらす食堂では穫れたてのシラスを釜あげしている。安芸城の城下町「土居廓中(どいかちゅう)」には武家屋敷の町割が残っており、国の重伝建に選定されている。
県西部の愛媛県境は標高1000メートルを超える高原で、海沿いとは植生を異にする。想像以上に広い高知県。当地ならではの食を楽しみながら、季節に合わせて花を訪ねよう。
北川村「モネの庭」マルモッタン(北川村)
画家のクロード・モネが愛したフランス・ジヴェルニーの庭を再現し、世界で唯一、本家以外で公認されている。「水の庭」、「ボルディゲラの庭」、「花の庭」の3エリアがあり、「水の庭」の池ではスイレンが咲く。
■9時〜17時/6月〜10月の第1水曜休、12月〜2月休/1000円/TEL:0887-32-1233
伊尾木洞(安芸市)
国道55号沿いにある洞窟。土佐湾の海底に堆積した約300万年前の地層が地震によって隆起を繰り返し海食崖となり、波によって岩盤の割れ目が広がった。洞窟の先には40種以上のシダが生息している。
■入場自由/TEL:0887-34-8344(安芸観光情報センター)※ガイドは1週間前までに要予約(800円~)
安芸しらす食堂(安芸市)
隣接する加工場で釜あげしたシラスを、ちりめん丼として提供している。日によって、どろめ(生シラス)丼もある。釜あげシラスも販売。
■11時~15時30分/木曜休、年末年始休/TEL:0887-34-8810
四国カルスト
高知県の愛媛県の県境にある標高1000メートルを超えるカルスト台地。「日本のスイス」と呼ばれる石灰岩が露出した高原では7月、ハンカイソウが見頃を迎える。
星ヶ丘公園(三原村)
高知県南西部の山あいにあり、池では夏にスイレンやオオオニバスが咲く。県の絶滅危惧種であるヒメノボタンは夏の終わりから秋にかけて見頃で、紫の花が斜面を覆う。
■TEL:0880-46-2111(三原村役場)
■2024年4月スタート「どっぷり高知旅キャンペーン」詳細はこちらの公式サイトへ
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2024年5月号)
(Web掲載:2024年3月29日)