牧野富太郎、クロード・モネゆかりの草花 自然に包まれる土佐の花旅(1)
こんこん山広場で行われるフラワーショー(過去の様子) 写真/高知県立牧野植物園
高知県で訪れたい二つの花園、高知県立牧野植物園と北川村「モネの庭」マルモッタンを中心に、周辺のグルメ情報も紹介。牧野富太郎が愛した土佐の豊かな自然を体感する旅へ。
人生を植物にささげた高知県佐川町出身の植物分類学者・牧野富太郎
昨年放映された連続テレビ小説「らんまん」を見て、草花に興味を持った人は多いのではないだろうか。人生を植物にささげた高知県佐川町出身の植物分類学者・牧野富太郎の業績を顕彰するために開園した高知県立牧野植物園には、牧野博士が命名した植物をはじめ、海外の花も植栽されている。温室では熱帯花木が年間を通じて観賞できる。
正門から入ると、園路の両側に高知の自然が再現されている。「らんまん」に登場した植物にはPOPが付いており、立ち止まって足元を眺めている人が多い。展示館は牧野博士の生涯を紹介し、企画展では多数の植物図も展示している。研究はもちろんのこと、緻密な植物図を描いていたことに驚く。「細かいところは1ミリに5本の線を描いています」と広報の橋本渉さんが教えてくれた。
高知県立牧野植物園から南に向かうと、桂浜から龍王岬に続く海岸線の先に大海原が広がっている。近くには高知県立坂本龍馬記念館や桂浜水族館があるほか、商業施設「海のテラス」では魚介料理やラーメン、お茶スイーツなどのグルメを味わえる。
高知新港にオープンしたSOUTHHORIZON BREWING(サウス ホライズン ブリューイング)はクラフトビールの醸造所。アメリカンスタイルの本格IPA「オールアボード」のほか、高知県産ユズを使った低アルコールの「ジュノス パンデミック」など、高知の素材にこだわっている。醸造開始からわずか3か月で、クラフトビールの審査会「ジャパン・グレートビア・アワーズ2024」で4銘柄が入賞した。
高知市の東隣、高知空港がある南国市に隠れた花スポットがある。西島園芸団地のハウス内に入ると、目に飛び込んでくるのが一面のブーゲンビリア。一本の木が大きく樹冠を広げているのが特徴で、ピンクを中心にさまざまな色の花が眩しい。ブーゲンビリアを観賞しながら、イチゴやメロンのスイーツを楽しめる。
牧野富太郎死去の翌年、五台山に開園。約8ヘクタールの園地に、牧野博士ゆかりの植物など3000以上が園内を彩る。展示館では2024年5月12日まで企画展「牧野富太郎物語」を開催中。連続テレビ小説「らんまん」に登場した植物のエピソードや多数の植物図を展示し、その生涯を追う。
【フラワーショー「まきの花図鑑」】2024年5月12日まで
こんこん山広場を牧野博士の人生を表現するように植栽。歩いていくと、花が寒色から暖色へ変化する。
桂浜
太平洋を見下ろす高台に坂本龍馬像が立つ。飲食店や土産店、屋根付き休憩所のある商業施設「海のテラス」が2023年にオープンした。
■TEL:088-842-0081(桂浜観光案内所)
SOUTH HORIZON BREWING
高知新港を望む高台に2023年オープン。6種のクラフトビールのほか、ピザや肉料理などの食事を楽しめる。自家焙煎しているコーヒーもある。
■11時~20時/無休/TEL:050-5536-0309
西島園芸団地(南国市)
ハウスの天井を覆うブーゲンビリアをはじめ、約200種の世界の花々を展示、販売している。5月まではイチゴ狩りもできる(1680円~)。
■9時~17時/無料/無休/TEL:088-863-3167
■2024年4月スタート「どっぷり高知旅キャンペーン」詳細はこちらの公式サイトへ
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2024年5月号)
(Web掲載:2024年3月29日)