ユーミンの歌に誘われ観音崎へ(1)【ひとり旅】
走水観音崎ボードウォーク。ラビスタ観音崎テラスの裏手に延びる木製の遊歩道
「よそゆき顔で」の歌詞に出てきた海辺のホテル
京急本線の馬堀(まぼり)海岸駅からバスで15分ほど行くと、終点の観音崎。この地名を初めて耳にしたのは、40年くらい前だろうか。ユーミンのアルバムの中の「よそゆき顔で」という曲の歌詞に出てきたのだ。結婚式前日、主人公は元カレへの思いを吹っ切ろうと、観音崎の歩道橋に立ち、かつてよくドライブした街を眺める。結婚への覚悟と青春時代への郷愁を歌った歌だった。
当時、ユーミンの歌には、横浜や湘南、海辺のドライブや静かなレストランなど、洗練された情景が多く登場した。歌に出てくる場所はどこも魅力的に映った。中でも三浦半島の東端にある観音崎は穴場的な面白みにあふれていた。
岬にたたずむように立つリゾートホテルがあると知り、いつか恋人と来たいなどと思っているうちに閉まってしまった。が、共立リゾートが経営を引き継ぎ、ラビスタ観音崎テラスと名前を変え2023年リニューアルオープンしたとのこと。思い切ってひとりで1泊することにした。
せっかくなのでリゾート気分を堪能しようと、まずは観音崎の突端に立つ観音埼灯台へ。青い海をバックに白亜の八角形の建物が映える。踊り場から見下ろす東京湾は壮観だ。
ホテルの向かいには横須賀美術館がある。のどかだけれど都会的なセンスを放つ外観は、まるでガラス箱のように美しい。屋上に上がれば、ここからも東京湾を一望。屋上だけなら無料で入場できるそうだ。
さて、いよいよ憧れだったホテルに向かう。入り口を入った途端、開放的なロビーの向こうに海が見える。客室ももちろんオーシャンビューだ。ゆったりした造りで、古き良きリゾートホテルを思わせる。夏は宿泊者専用のプールもオープンする。
明るいうちに、展望露天風呂に行くことにした。寝湯にごろんと体を沈め、真っ青な空と海を仰ぐ。なんとぜいたくな時間だろう。
文/高崎真規子 写真/三川ゆき江
ユーミンの歌に誘われ観音崎へ(2)【ひとり旅】へ続く(6/14公開)
🔳モデルコース
馬堀海岸駅
↓(バス15分+徒歩15分)
観音埼灯台
↓(徒歩20分)
横須賀美術館
↓(徒歩すぐ)
ラビスタ観音崎テラス泊
↓(徒歩すぐ)
走水観音崎ボードウォーク
↓(バス40分)
横須賀駅
立ち寄りたい美術館
市制100年を記念して2007年に開館。東京湾を望み、緑に囲まれたガラス張りの建物は、眺めるだけでも心地いい。6月18日まで「鈴木敏夫とジブリ展」(2000円、事前予約制)を開催している。
■10時~18時/祝日を除く月曜休、年末年始休/観覧料は企画展により異なる/京急本線馬堀海岸駅からバス10分、ラビスタ観音崎テラス・横須賀美術館前下車すぐ/EL046-845-1211
ひとり旅プランは1泊2食3万1150円~(繁忙期を除く)
住所:横須賀市走水2-1157-2
交通:京急本線馬堀海岸駅からバス10分、ラビスタ観音崎テラス・横須賀美術館前下車すぐ/横浜横須賀道路馬堀海岸ICから3キロ
問い合わせ:TEL046-841-2355
営業:9時~16時10分(土・日曜、祝日は8時30分~16時40分。季節により異なる)/無休(天候などにより臨時休あり)/参観寄付金300円
交通:京急本線馬堀海岸駅からバス15分、観音崎下車徒歩15分
問い合わせ:TEL046-841-0311
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2024年5月号)
(Web掲載:2024年6月13日)