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海沿いの景色を楽しみ北陸の幸を味わう(2)~氷見線・七尾線・のと鉄道・北陸新幹線ほか~【フリーきっぷであの駅へ】

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海沿いの景色を楽しみ北陸の幸を味わう(2)~氷見線・七尾線・のと鉄道・北陸新幹線ほか~【フリーきっぷであの駅へ】

七尾湾沿いを走行するのと鉄道。西岸駅から穴水駅手前までの車窓が特におすすめ(写真/伊藤岳志)

 

全面復旧した のと鉄道で終点、穴水を目指す

海沿いの景色を楽しみ北陸の幸を味わう(1)~氷見線・七尾線・のと鉄道・北陸新幹線ほか~【フリーきっぷであの駅へ】から続く

和倉温泉からはきっぷの範囲外だが、のと鉄道の終点、穴水を目指す。4月6日にのと鉄道が全線復旧したと聞き、ぜひ乗りたいと思っていた。能登には黒瓦の家が多く、のと鉄道に乗るたびに、伝統的で統一感ある家並みを眺めるのが楽しみだった。まだブルーシートで部分的に覆われている屋根もあるが、静かな七尾湾の佇(たたず)まいは以前と変わらない。つや光りする黒瓦、きらめく海、目に爽やかな青々とした稲穂。初夏の能登の美しい風景が続く。

列車が能登鹿島駅に停車した。ホーム両側に桜の木が植えられ、「桜の駅」として有名だ。車窓から、かわいいピンク色の駅舎と青い海が見える。線路脇には、地元のボランティアグループが丹精込めて世話をする花々が咲いている。6月は、アジサイが見頃を迎えることだろう。

映画に出てきそうな、能登鹿島駅のかわいい木造駅舎

穴水でのお目当ては能登丼。能登丼は、奥能登産の米、メイン食材に地元産の魚や肉を使い、能登産の器と箸で提供される。4月下旬に営業を再開したという福寿司(ずし)の能登丼は、地物のネタがたっぷりのった海鮮丼だ。「避難所は眠れなくてね。片付けも大変だったけど、やっと店を開けられて、うれしい」と、大将の松本志郎さん・好美さん夫婦。またおいしい寿司が味わえるようになり、本当に良かった。

【関連記事】のと鉄道の終点・穴水で味わう、復活した「能登丼」

甘エビやアワビ、カニなどがのった福寿司の「能登丼」

最終日は敦賀まで足を延ばした。まずは敦賀駅から徒歩5分、敦賀ヨーロッパ軒駅前店で、福井名物のソースカツ丼で腹ごしらえ。

敦賀駅からバス10分の金ヶ崎には、かつて敦賀港駅があり、新橋から欧亜国際連絡列車がつながっていた。ヨーロッパへは、敦賀港でウラジオストク行きの船に乗り換え、そこから再び鉄道に乗り継いで向かったのだ。杉原千畝(ちうね)の「命のビザ」でヨーロッパから逃れてきたユダヤ人も、敦賀港にたどり着いた。人道の港 敦賀ムゼウムや敦賀鉄道資料館で、そんな歴史に思いを馳(は)せたい。

味わいたい北陸の幸のお店

味処 割烹しげはま

刺し身に焼き魚、かぶす汁、煮物、小鉢2品などが付くしげはま定食(2950円)がおすすめ。昼夜とも注文できる。
■12時~13時30分(平日は前日までに要予約)、17時~21時30分/木曜休/氷見線氷見駅から徒歩18分/TEL:0766-72-0114

 

福寿司

穴水一の老舗寿司店で、著名人も多く訪れる。能登丼(3450円)は、地元でとれた新鮮なネタが13~14種のっている。
■11時30分~ネタがなくなり次第終了/日曜休/のと鉄道穴水駅から徒歩5分/TEL:0768-52-1032

 

使ったのはこのきっぷ

北陸観光フリーきっぷ ◉1万7220円

出発地は名古屋、浜松または静岡で、北陸までの往復は特急ひだと特急しらさぎの普通車指定席が利用できる。どちらかの特急のみでの往復は不可。北陸の自由周遊区間内で
は、北陸新幹線の普通車自由席やJR各線、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道およびハピラインふくいの特急自由席と普通列車が乗り降り自由。出発駅と米原駅間は、東海道新幹線普通車指定席にも乗車できる。
■期間 有効期間4日間、通年利用可(12月28日~2025年1月6日は利用不可)。
■問い合わせ JR東海テレフォンセンターTEL:050-3772-3910

 

文/出口由紀 写真/宮川 透


●モデルコースは2024年5月15日現在の時刻表を基に作成しました。掲載している路線名は主なものです。
●「~円お得」は、モデルコースを通常の鉄道運賃・料金で回った場合と、お得きっぷを使った場合との差額です。
●施設の営業時間は、最終入館やラストオーダーがある場合は、その時間を記しています。

※記載内容は掲載時のデータです(一部8月下旬更新)

(出典:「旅行読売」2024年7月号)
(Web掲載:2024年8月28日)


Writer

出口由紀 さん

美味しいものには目がないライター。その土地の空気の中で味わう新鮮な特産品や郷土料理は、旅ならではの醍醐味だと思っている。最近感動したのは、生でかじった北海道の白いトウモロコシと夏の日本海の岩ガキ。土地それぞれの言葉を聞くのも好きで、一期一会の出会いと会話を楽しみながら旅をする。

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