【ひみつのかき氷】日光で天然氷のかき氷を食べ比べ!
大自然が生み出すまろやかな天然水と真冬の寒さを利用して自然の中で作られる天然氷。古くからの天然氷の蔵元は全国で5軒のみとされ、そのうち3軒が栃木県日光市に集まっている。蔵元ごとの個性を感じるかき氷を食べ比べてみよう。
日光の天然氷の蔵元は、松月氷室(しょうげつひむろ)、三ツ星氷室、四代目徳次郎の3軒。いずれも日光連山の麓のひっそりとした場所に設けた製氷池で、清冽な沢の水を流し込んで作られる。冬の寒さで2週間ほどかけて凍らせることで、密度が高くて硬い、夏まで溶けない氷ができあがる。
天然氷のかき氷を出す店では、あえてその氷を常温に置き、少しゆるめてから削るという。蔵元直営の「松月氷室」では、使う直前まで1~2度の冷蔵庫で保管し、ふんわり削る。体温との差が小さくなるので、すっと口の中で溶け、天然水の丸みのある味わいが余韻を残す。「日光さかえや」はきめ細かい雪のような食感、「日光珈琲(コーヒー)御用邸通(どおり)」は大きく削り驚くほどふわふわ。趣向を凝らしたシロップと、削り方で変わる食感や口溶けの良さを味わってほしい。
松月氷室
ピスタチオベリー ◎1430円
ナッツの風味と香ばしさを引き立てたピスタチオソースとキイチゴなどのベリーの酸味が相性抜群! 地元産「とちおとめ」だけで作る「生イチゴプレミアム」も人気。店舗は6月に改装オープンし、以前の5倍の60席になった。
営業:11時~1日の整理券配布終了まで(土・日曜、祝日は10時30分~)※整理券は9時ごろから店頭で配布/月曜(祝日の場合は翌日)休
交通:日光線今市駅から徒歩6分/日光宇都宮道路今市ICから1キロ
住所:日光市今市379
問い合わせ:0288-21-0162
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日光さかえや
日光産イチゴかき氷 ◎1300円
名物の揚げゆばまんじゅうとともに人気なのが、市内のイチゴ農園から届く「とちあいか」や「紅ほっぺ」をぜいたくに使ったかき氷。三ツ星氷室の天然氷を使い、ゆば専門店らしく自家製豆乳シロップがたっぷり。
営業:9時30分~17時(かき氷の提供は10時~16時30分) /不定休
交通:東武日光線東武日光駅からすぐ/日光宇都宮道路日光ICから1キロ
住所:日光市松原町10-1
問い合わせ:TEL:0288-54-1528
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日光珈琲 御用邸通
カフェ・オーレ ◎1430円
蔵元・四代目徳次郎直伝の削り方で作るかき氷は、形を保っているのが不思議なぐらいふわふわ。「カフェ・オーレかき氷」は自家焙煎(ばいせん)豆の香り豊かなカフェオレベースをシロップに使用。中に隠れたアイスクリームもうれしい。
営業:10時~17時/月曜、第1・3火曜(祝日の場合は翌日)休
交通:東武日光線東武日光駅からバス9分、西参道入口下車すぐ/日光宇都宮道路日光ICから3キロ
住所:日光市本町3-13
問い合わせ:TEL:0288-53-2335
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天然氷ってどうしておいしいの?
多くの時間と手間が生み出す天然氷のおいしさ
天然氷づくりは、まず秋に、池の底の土を耕してならすところから始まる。冬になり、雪や雨が降らないタイミングを見計らって天然水を注ぎ込む。気温がマイナス5度~10度になると氷が張り始める。上から下へゆっくり、空気や不純物が押し出されながら凍ることで、透明な氷ができるのだ。14日~20日かけて氷の厚さが15㌢くらいになったら切り出して、氷室に保管する。硬くて溶けにくく、薄く削れるため、フワフワの食感が生まれるのだとか。時間と手間暇もおいしさの秘密なのかもしれない。
文/野水綾乃 写真/越 信行
※記載内容はすべて掲載時のデータです。メニューが終了している場合もあります。
(出典:「旅行読売」2024年8月号)
(Web掲載:2024年9月4日)