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【紅葉の秘湯】源流の宿に思う人の温もり 山形・大平温泉 滝見屋(2)

場所
> 米沢市
【紅葉の秘湯】源流の宿に思う人の温もり 山形・大平温泉 滝見屋(2)

開放感いっぱいの男性用露天風呂。すぐそばに紅葉が迫る 写真/大平温泉 滝見屋

 

優しい温泉と料理で元気に

【紅葉の秘湯】源流の宿に思う人の温ぬくもり 山形・大平温泉 滝見屋(1)から続く

多くの人に支えられ、受け継がれてきた温泉に感謝しながら、ゆっくり流れる時を過ごす。宿の電気は自家発電。テレビはなく、携帯電話もつながらない。客室には若女将の仲間で米沢に移住した、里山ソムリエ・黒田三佳さんの著書が置かれていた。四季折々の里山や森の暮らしぶりが身近に感じられ読みふけった。

客室で川の音をBGMに、里山や森の暮らしの本を読む

さあ夕食の時間。山菜や旬の野菜、最上川源流で育ったヤマメなど、ご馳走(ちそう)が食卓に並ぶ。山菜や野草などの食べ方の知恵が詰まった「かてもの」料理は、米沢藩9代藩主・上杉鷹山(ようざん)が凶作に備えて推奨し、今に受け継がれている。臭みのないコイはカルパッチョで。コイもまた鷹山が養殖を始めたとされる特産品だ。一品一品が温泉のように優しい味わいで、体と心の栄養になると感じた。

ヤマメの塩焼きや山菜の薬膳鍋などがずらり。ご飯は山形県産のはえぬき。紅葉期には、芋煮やアケビ料理、ヤマメの骨酒などもおすすめ
ゆったりと過ごせる客室。川沿いの部屋からの眺めも良い

一晩ぐっすり眠り、朝風呂に入って朝食へ。食堂の大きな窓から見える川や木々もご馳走だなあと感じる。「紅葉の時期は、この窓からの景色もまるで絵画のようですよ」と安部さん。吾妻(あずま)連峰といっても東吾妻地域では黄色が主なのに対し、宿のある西吾妻地域では赤色がはっきり出て黄色や緑色とのコントラストが美しい紅葉なのだそう。

温泉や食、宿のもてなしで満たされ、元気をもらい、駐車場までの上り道も頑張ろう!と帰途についた。

文/堀内志保 写真/堀内 孝ほか

露天風呂の女湯もまた、川を間近に感じながら湯あみできる

ロープウェイで紅葉狩り🍁「天元台高原」

山麓の湯元駅からロープウェイで標高1350メートルの天元台高原駅へ。さらにリフトを3台乗り継ぎ、標高1820メートルの北望台へ。標高差があるため、山頂付近の草紅葉は9月上旬から始まり、ロープウェイ周辺でモミジなどが色付く10月下旬まで長い期間、紅葉が楽しめる。

■ロープウェイは~11月4日、8時20分〜17時(リフトや休日の営業時間はホームページを参照)/9月11日、10月23日休/ロープウェイ・リフト共通(往復)4500円/東北中央道米沢八幡原ICから21キロで湯元駅/TEL:0238-55-2236

  

大平温泉 滝見屋

🍁紅葉の見頃:10月上旬~11月初旬  
TEL:0238-38-3360
住所:米沢市李山12127
営業:4月下旬〜11月初旬 ※2024年の営業は終了しています
客室:全14室
温泉:カルシウム―硫酸塩泉/含硫黄―カルシウム―硫酸塩泉

■1泊2食料金(1人分)
2人1室利用 平日1万5330円~・休前日1万6430円~
1人1室利用 平日1万6430円~・休前日1万7530円~
日帰り入浴:10時30分~15時/不定休/1000円

交通:山形新幹線米沢駅から宿の駐車場まで送迎45分(宿泊者のみ。要予約)/東北中央道米沢八幡原ICから宿の駐車場まで20キロ(ICから7キロの案内所14時10分集合で送迎あり。要予約)。宿の駐車場から徒歩20分

※料金などは掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年10月号)
(Web掲載:2024年11月25日)

送迎車が立ち寄る案内所。山道の運転が心配なら車を止めて送迎車を利用しよう

Writer

堀内志保 さん

埼玉県生まれ。1999年から2年あまり社会人類学の調査でアフリカ大陸の沖に浮かぶマダガスカル島に滞在。『マダガスカルを知るための62章』(明石書店)では、市場と割礼祭の章を担当した。2003年から宮城県に住み、写真家の夫とともに東北各地の自然や歴史、食、温泉、手仕事などに触れ、新聞や雑誌に記事やエッセイを発表している。

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