貸切列車「ひとめぐり号」で秋の北海道を満喫してきました!【4日目】

上川駅に停車中の「ひとめぐり号」。ツアーでは多くの駅で長めの停車時間がとられ、参加者はホームで記念撮影を楽しめる
網走ならではの流氷体験に驚きと歓声
貸切列車「ひとめぐり号」で秋の北海道を満喫してきました!【3日目】から続く
ツアーもいよいよ最終日。見どころ満載の4日間はあっという間で、旅の終わりが名残惜しい。朝の日差しに輝く網走湖に見送られ、まずは貸切バスでオホーツク流氷館へ。
網走といえば冬に押し寄せる流氷が毎年話題となるが、その流氷について解説しているのがオホーツク流氷館だ。大迫力の映像で流氷を紹介しているほか、「流氷の天使」と呼ばれるクリオネを間近に見られる。氷点下15℃の流氷体感テラスには、本物の流氷100tを展示している。展望台からは、オホーツク海、網走湖、能取(のとろ)湖、濤沸(とうふつ)湖、藻琴(もこと)湖、さらには知床連山まで見渡す絶景が広がっていた。


原生林の紅葉を車窓に海の幸を味わう
最終日の乗車区間は、網走駅から遠軽駅、旭川駅を経て札幌駅までの約420km。沿岸部を離れ、内陸を走っていく。網走駅を出ると、列車は昨晩の宿の前を通過。宿のスタッフが線路際で手を振って見送ってくれた。4日間、各地で受けたおもてなしを思い出し、自然と心が穏やかになっていく。「ひとめぐり号」ならではの体験に感謝した。また、「ひとめぐり号」には随所で沿線の「応援隊」が乗り込んできて特産品を販売。北海道でしか買えない土産は売り切れ必至だ。
この日の駅弁は、「北の美味海鮮 磯宴」。ご飯にイクラとカニがどっさり乗り、「オホーツクが育んだ粒よりの美味しさをどうぞ」のキャッチフレーズ通り、大粒のイクラが口の中ではじける瞬間はまさに「口福(こうふく)」。こんなにのんびりと駅弁を味わうのは何年ぶりだろう……。



別れを惜しむも、大満足の4日間
紅葉に染まった山肌を眺めながら、列車はやがて遠軽駅に到着した。遠軽駅は、北海道で唯一、急勾配を上るためのスイッチバックがある駅。ここで列車の進行方向が入れ替わり、ツアー参加者も協力しあって座席を180度転換する。もう気心が知れた参加者たちは、協力しあって素早く座席を転換していた。
この先、冠雪した大雪山系を遠くに見ながら旭川駅へ。山深い山中を抜けると、北海道屈指の米どころ深川あたりで穏やかな平野の風景が広がり、ゴールの旭川を目指して快適に走る。山々が折り重なるように続く初山別(しょさんべつ)連峰のシルエットが西日に浮かびあがり、沿線では手を振ってくれる人もいて郷愁を誘う。
札幌駅到着を前に、アテンダントによる最後の挨拶が流れる。参加者とアテンダントが4日間を振り返って別れを惜しんでいる。「最後は少し悲しくなりますね。でもみなさんの笑顔を見ていると、きっと満足していただけんだなとうれしくなります」と、あるアテンダントは話してくれた。参加者の多くが、「また来年もぜひ参加したい」と語っていた。乗車距離約1200kmの旅は、乗って、食べて、温泉に浸かって、北海道の雄大さを再認識するとともに、魅力再発見の旅でもあった。

