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【低山と温泉へ】海外からも登山者が訪れる自然豊かな修験道の山 高尾山②<標高599m・歩行距離7km・歩行時間2時間30分>

場所
> 八王子市
【低山と温泉へ】海外からも登山者が訪れる自然豊かな修験道の山 高尾山②<標高599m・歩行距離7km・歩行時間2時間30分>

かすみ台展望台にはベンチがあり、一休みしながら眺望が楽しめる。東京の低山ながら素晴らしい眺め!

最後はリフトで楽々下山

【低山と温泉へ】海外からも登山者が訪れる自然豊かな修験道の山 高尾山➀<標高599m・歩行距離7km・歩行時間2時間30分>から続く

山頂の食事処で昼食をとり、小休止したら1号路で下山する。こちらは麓まで舗装道で歩きやすいが、急勾配なので勢いに任せて下ると膝が痛くなる。ゆっくり下るのがコツだ。

登山道で唯一、髙尾山薬王院を通過するのも1号路の特徴といえる。744年に聖武天皇の勅令により高僧の行基(ぎょうき)が開いたと伝わる古刹(こさつ)で、その後に中興の祖・俊源大徳(しゅんげんだいとく)が現在の本尊・飯縄大権現(いづなだいごんげん)を勧請(かんじょう)した。高尾山のそこかしこで見られる天狗(てんぐ)は飯縄大権現の眷属(けんぞく)になる。下山では奥の院(不動堂)、本社(飯縄大権現堂)、本堂の順で参拝していく。とくに本堂に掲げられた大天狗・小天狗の大きな面は圧巻で、一見の価値がある。

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1号路は薬王院の表参道で平均樹齢700年といわれる杉の巨木が並んでいる(写真/高尾ビジターセンター)

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江戸期に建てられた薬王院本社には極彩色の彫刻が施されている

② 1~3の近くに入れば入れるDSC05635.jpg
天狗像に守られた薬王院本社への階段

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赤い顔で鼻の高い大天狗の面。小天狗は青い顔でカラスのようなクチバシを持つ

108段の男坂を下り、浄心門をくぐった先には、ひょっとこの口に似た根を持つ蛸杉(たこすぎ)がある。参道整備で根を伐採されそうになったが、前夜に根を動かし難を逃れたという。

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タコの足のように曲がりくねった根を持つ1号路の蛸杉。樹齢450年以上と伝わる

空気が澄んだ日には、江の島や横浜ランドマークタワーも望めるかすみ台展望台を過ぎると、ケーブルカーとリフトの乗り場がある。そのまま登山道を歩いて下山しても45分ほどだが、ここはリフトを使いたい。空を飛んでいるような爽快な気分になれるからだ。リフトの山麓駅に到着したら、高尾山口駅まで戻り、駅隣接の温泉で疲れを癒やそう。

文・写真/内田 晃

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駅舎の内外装に杉材を使った高尾山口駅

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リフトは片道490円。ケーブルカーも同料金で乗車できる

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かわいいサルや多彩な山野草が見られる高尾山さる園・野草園

🍜立ち寄りグルメ

⑪ pixta_120546664_M.jpg

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曙亭(あけぼのてい)

大正期から続く老舗そば店。高尾山の山頂近くにある食事処3軒のうち南側の展望台に最も近い。そばはやや太めで歯応えがあり、濃い口のそばつゆによく合う。一番人気はとろろそば1200円。味噌田楽550円も一緒に味わいたい。
■10時~15時(土・日曜、祝日は~16時)/不定休/TEL:042-663-1386

♨立ち寄り温泉

⑪ メイン 1.露天岩風呂(ぬる湯).jpg

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写真/京王電鉄

極楽湯 ◉京王高尾山温泉

高尾山口駅に隣接する日帰り温泉施設。地下1000メートルから湧き出る温泉はアルカリ性単純温泉で、柔らかな肌触りが特徴だ。露天風呂のあつ湯とぬる湯で楽しめる。このほか、露天炭酸石張り風呂、ヒノキ風呂(マイクロバブル)、替り風呂、サウナなどがある。食事処では天ざるそば、海鮮丼などが味わえる。
■8時~21時45分/無休(施設点検による臨時休あり)/入館1100円(土・日曜、祝日、繁忙期は1300円)/八王子市高尾町2229-7/京王高尾線高尾山口駅からすぐ/TEL:042-663-4126


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【登山データ】

■交通 [鉄道]新宿駅から京王線特急40分の北野駅で京王高尾線に乗り換え13分、高尾山口駅下車[車]圏央道高尾山ICから国道20号経由1.5キロ(P有料あり)
■問い合わせ/TEL:042-664-7872(高尾ビジターセンター

アドバイス

登山者は年間300万人と言われるほど人気なので、のんびり山歩きするなら週末は避け、平日がよい。1号路以外は山道になるのでトレッキングシューズだと安心。ケーブルカー、リフトで下山する場合は最終時間のチェックを忘れずに。

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2025年6月号)
(Web掲載:2025年6月25日)


Writer

内田晃 さん

東京都足立区出身。自転車での日本一周を機に旅行記者を志す。四国八十八ヵ所などの巡礼道、街道、路地など、歩き取材を得意とする。著書に『40代からの街道歩き《日光街道編》』『40代からの街道歩き《鎌倉街道編》』(ともに創英社/三省堂書店)がある。日本旅行記者クラブ会員

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