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新旧が交差するアートの街 ウィンターシーズンに訪ねたいスイス・バーゼル(2)

場所
> バーゼル
新旧が交差するアートの街 ウィンターシーズンに訪ねたいスイス・バーゼル(2)

クリスマスイルミネーション輝くバーゼル市街

前編ではバーゼルのアートシーンを紹介したが、後編ではクリスマスシーズンのロマンチックな彩りを紹介。バーゼルのクリスマスマーケット(2025年は11月27日~12月23日)はスイス最大規模といわれ、旧市街の数か所で開催される。

バールフュッサー広場のクリスマスピラミッド

新旧が交差するアートの街 ウィンターシーズンに訪ねたいスイス・バーゼル(1)から続く

トラムが交差する旧市街の中心地がバールフュッサー広場。広場とその周辺には190を超える屋台が並び、クリスマスオーナメントや食べ物、飲み物などを販売。そしてその中心には高さ13メートルのクリスマスピラミッドがそびえる。遠くからでもよく分かり、待ち合わせに人気というが、この周辺は人でごった返しているので待ち人を見つけるのがちょっと大変かも。クリスマスピラミッドの下では温かい飲み物を販売している。

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クリスマスピラミッドはバールフュッサー広場の象徴

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屋台で掘り出し物を見つけたい

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伝統的なクリスマスの菓子・シュトーレンの屋台

さまざまな商品が並ぶ屋台はのぞいて見て回るだけでも楽しく、心がうきうきする。またクリスマスマーケットにつきもののグリューワイン(スパイスの入ったホットワイン)やソーセージを楽しめる屋内のブースもあり、ひと息つけるのもうれしい。グリューワインのカップ(デポジット代あり)は毎年デザインが変わるので、持ち帰る人も多いとか。旅の記念にぜひ。

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ジューシーなソーセージとグリューワインで休憩

幻想的なイルミネーションが美しいミュンスター広場

もう一つの会場はバーゼル大聖堂のあるミュンスター広場。ここには子ども向けのエリアがあり、木工細工などの体験ができるようになっている。またドイツのクリスマスマーケットでよく見られるユニークな料理・サーモンの直火焼きも。薪火(まきび)で香ばしく焼き上げたサーモンをパンに挟んで提供する。両会場とも、スイスらしいソーセージやラクレットのほかにも食べ物の屋台が充実している。

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ミュンスター広場の子ども向けエリア

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左:雪のようなイルミネーションが灯(とも)る 右:薪火で焼くサーモン

メイン会場以外でも旧市街は光にあふれ、暖かいムードに包まれ、ショーウィンドウのデコレーションも凝っている。なかでも立ち寄ってみたいのが「ヨハン・ヴァンナー」。1969年創業の一年中クリスマスオーナメントが購入できる専門店。バーゼルの街に飾られる主要なクリスマスツリーはもちろん、バチカン市国のクリスマスツリーの飾りつけも行っている。ダイアナ妃やマイケル・ジャクソンも常連客だったという店内には、歴史的な価値のあるオーナメントもあり、見るだけでも楽しい。

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ヨハン・ヴァンナー店内

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旧市街の一角もお洒落に変身

また、バーゼル市庁舎の中庭もクリスマス仕様に変身。その一角には大きなウィッシュブックが置かれ、願いを書き留めることができる。私も祈りを込めて、「世界の平和と安泰」と書き記した。

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ウィッシュブックに願いを

バーゼルはスイス・フランス・ドイツの国境の街だけに、クリスマスマーケットもスイスの伝統的なグッズや地元アーティストの作品が並ぶ屋台のほかに、ドイツ系の伝統料理などもあり、ミックスされた楽しさがある。寒い中でも家族や仲間が集まり、グリューワイン片手にいつまでもおしゃべりが尽きないといった様子も、ほほえましく映った。 

取材協力:スイス政府観光局、バーゼル観光局、ユングフラウ鉄道グループ

取材・文/関屋淳子 写真/竹崎恵子


(Web公開:2025年10月24日)


Writer

関屋淳子 さん

ウェブマガジン「旅恋.com」編集長。フリーランスを経て2010年に(株)旅恋を設立。生活情報誌、書籍、ウェブの編集や執筆、テレビ番組のナビゲーターなどを行う。温泉ソムリエ、温泉入浴指導員(厚生労働省認定)

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