冬の風物詩、スイス・チューリヒのクリスマスマーケットを訪ねる(2)
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色鮮やかなイルミネーションイベントのイルミナリウム
チューリヒ名物、歌うクリスマスツリーに釘付け
冬の風物詩、スイス・チューリヒのクリスマスマーケットを訪ねる(1)から続く
クリスマスマーケットはチューリヒ中央駅だけでなく、市内数か所で開かれている。駅の近く、スイス国立博物館の中庭で開催されるのが、イルミナリウムという色鮮やかなイルミネーションイベント。2017年から行われており、プロジェクションマッピングやレーザーショーなどで光の世界を演出している。
マーケットと同様にフードブースがあるほか、スイスの名物料理・チーズフォンデュがいただけるレストラン、音楽ライブなども開催され、にぎやかだ。どちらかといえば、ファミリー層より若者たちが集っている。ドリンク類もホットワインのほかにビールやジンなど種類も豊富で、ドリンク片手にきらびやかな会場を見て回りたい。
次はチューリヒだけ?の特別なクリスマスツリーを見に行く。駅から歩いて10分ほど、ヴェルトミューレ広場に設置されているのは、「Singing Christmas Tree」という不思議なクリスマスツリー。なんと、クリスマスツリーのように組まれたステージで、その名のとおり、子どもたちがクリスマスソングを歌っている。子どもたちは赤い帽子とマフラーをしていて、キャンドルの明かりのよう。きっとこの日のために練習を重ねたのだろう、声を合わせて一生懸命に歌っている。
観光客はもちろんだが、子どもたちの家族や友人が見守り、手を振ったり、ビデオを撮ったりと楽しそうだ。大きな拍手を受けて、アットホームな雰囲気で盛り上がる。愛らしい天使の歌声とはまさにこのことで、微笑ましく、心が温かくなった。
家族連れや若者で夜遅くまでにぎわうアドヴェントは、スリなどの被害も多発するそうだ。用心に越したことはないが、ほかのヨーロッパの国に比べると、スイスは比較的治安が良く、人通りの少ない路地でも安全に歩けることを実感する。旧市街の小さな広場には地元感漂うマーケットがあり、大きなマーケットとは異なる、ほのぼのとした風情がある。
クリスマス仕様の店のショーウインドーをのぞいたり、街角に立つオブジェやツリーで記念撮影をしたり、それだけでなんとも満ち足りた気分になるのは、こじんまりとしたチューリヒという街の温かさのせいかもしれない。
ぜひ一度、本場のアドヴェントの雰囲気を味わいに出かけてみてはいかがだろう。
取材協力:スイス政府観光局、チューリヒ観光局、ユングフラウ鉄道グループ
取材・文/関屋淳子 写真/yOU(河崎夕子)
(Web公開:2024年10月12日)