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【旅して開運】癒やしとご利益を求めて、日本三古泉の名湯で開運めぐり 道後温泉<愛媛>(1)

場所
> 松山市
【旅して開運】癒やしとご利益を求めて、日本三古泉の名湯で開運めぐり 道後温泉<愛媛>(1)

美しくよみがえった道後温泉本館。周辺の店で大正ロマン風の貸衣装が借りられる

温泉街のパワースポットを巡る開運めぐり

日本三古湯に数えられる道後温泉には、温泉にまつわる開運スポットが多い。その伝統や文化を広めるため、2013年から地域のまちおこしプロジェクト「道後温泉開運めぐり」が始まり、特に女性観光客に人気を集めているという。

「道後温泉本館の約5年半の保存修理工事完了に先がけて、ようやく2024年7月に全館営業を再開しました。工事で建物を覆っていた素屋根テント膜も取り払われ、建物北側の開運スポット『玉の石』も見学できるようになったので、この機会にぜひ」と言う広報担当の渡部(わたなべ)和也さんの言葉にも惹(ひ)かれ、開運祈願に訪れた。

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神の湯女子浴室。美人の湯で知られるアルカリ性単純温泉をかけ流している

温泉街のパワースポットを巡る徒歩約40分の「開運めぐり」は、伊予鉄道の道後温泉駅から歩き始める。駅前の道後温泉観光会館でマップと開運グッズを入手し、まずは道後温泉別館 飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)へ。中庭を流れる湯の川に「湯玉石」があり、宇和島産アコヤ真珠に温泉をかけ願う「湯真珠(ゆまたま)」(2000円)で祈った。

ランチ休憩には、近くの郷土料理店「かどや」の「宇和島鯛めし」がおすすめ。生の鯛の切り身をご飯にのせ、だししょうゆをかけて食べる豪快な料理を味わいたい。

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かどやの宇和島鯛めし

道後温泉本館では霊験あらたかな「玉の石」へ。温泉につかり、病から回復して喜んだ少彦名命(すくなひこなのみこと)が、この石の上で舞ったという伝説が残り、温泉をかけると願いが叶(かな)うという。本館が改築された明治期の1894年以前から存在し、信仰を集めているそうだ。

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「玉の石」には少彦名命が舞った時の足跡が残ると言われている

令和保存修理工事について、前出の渡部さんは「文化財的価値を保持し受け継ぐ保存修理工事のほか、より快適に利用できるよう冷暖房設備や脱衣室の洗面台、3階に貸切室2部屋を新設しました」と話す。

本館を東へ進むと、夫婦円満、延命、火除けなどのご利益で知られる圓満寺(えんまんじ)がある。境内には、カラフルな「お結び玉」(祈願300円)が、鈴なりに結ばれていて目を引いた。お寺の方から「地蔵堂に祀(まつ)られている『湯の大地蔵尊』をまねてお結び玉を手のひらに載せ、願いを込めてください」と教えてもらった。

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色とりどりの「お結び玉」

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「湯の大地蔵尊」を祀る圓満寺

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ちりめんなどの生地を使い地元の人が丁寧に手作り

上人坂を進むと、時宗(じしゅう)の開祖・一遍(いっぺん)上人の生誕地の宝厳寺(ほうごん)に至る。開運アイテム「捨莉紙(しゃりがみ)がみ」(500円)は、一遍の「捨てる思想」を反映したもの。自分が執着している物事を書き、手水舎(ちょうずしゃ)で洗い流すと紙が溶けて消え、心まで軽くなった気がした。

文/児島奈美 写真/宮川 透

【旅して開運】癒やしとご利益を求めて、日本三古泉の名湯で開運めぐり 道後温泉<愛媛>(2)へ続く

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宝厳寺の手水舎で「捨莉紙」を洗い流す

モデルコース(日帰り)

道後温泉駅
 ↓(徒歩3分)
飛鳥乃温泉[湯玉石]
 ↓(徒歩2分)
道後温泉本館[玉の石]
 ↓(徒歩3分)
圓満寺
 ↓(徒歩5分)
宝厳寺
 ↓(徒歩10分)
伊佐爾波神社
 ↓(徒歩8分)
中嶋神社
 ↓(徒歩すぐ)
湯神社
 ↓(徒歩すぐ)
第四分湯場
 ↓(徒歩すぐ)
放生園
 ↓(徒歩すぐ)
道後温泉駅

🍚かどや 道後椿坂店

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飛鳥乃湯泉近くにある郷土料理店。本店は1955年に宇和島で創業した駅前食堂で、宇和海や瀬戸内海の海産物を中心に愛媛の味覚を提供。「宇和島づくし鯛めし膳」2500円は鯛めしに加え、じゃこ天など南予料理の小鉢3種が付く。ハイカラ通りに姉妹店も。
■11時~14時30分、17時~21時30分(鯛めしは売り切れ次第終了)/元日休/伊予鉄道後温泉駅から徒歩3分/TEL:089-931-5400


道後温泉開運めぐり
■TEL:089-943-8342(道後温泉観光会館)

道後温泉本館
■6時~23時(札止め22時30分※コースにより異なる)/12月に1日休館あり/700円〜/伊予鉄道後温泉駅から徒歩5分/松山市道後湯之町5-6/TEL:089-921-5141

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2025年1月号)
(Web掲載:2025年11月5日)


Writer

児島奈美 さん

神戸生まれ。学生時代にバイクで北海道、九州、信州を巡って旅に目覚め、約40か国渡航。1か月のキャンプ旅でも太って帰ってくる食いしん坊で、現在は、旅・グルメ・人物インタビューを中心に、ガイドブックや雑誌、Webなどの制作に携わる。「旅行読売」ではルポがメイン。鉄子や歴女の道も着々と歩む。

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