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【はじめてのひとり旅の宿】ゆじゅく金田屋 <群馬・湯宿温泉> 湯のまちさんぽも楽しい宿

場所
> みなかみ町
【はじめてのひとり旅の宿】ゆじゅく金田屋 <群馬・湯宿温泉> 湯のまちさんぽも楽しい宿

里山の風情を感じる坪庭を眺めながら入浴できる「文殊の湯」。22時に男女が入れ替わる

かけ流しの源泉につかり、昔ながらの風情にホッとする

三国峠の玄関口、赤谷(あかや)川沿いに湧く開湯約1200年の湯宿温泉。石畳の道と3か所の外湯がある小さな温泉街に立つ金田屋は、1868年創業の老舗だ。玄関脇の蔵座敷2階には、歌人・若山牧水が『みなかみ紀行』の道中に泊まった部屋が当時のまま残り、談話室「牧水の間」として利用されている。

温泉はナトリウム・カルシウム―硫酸塩泉の無色透明な湯がかけ流しになっている。蔵座敷風で石造りの「弘須(こうす)の湯」とヒノキの木枠の湯船「文殊の湯」を男女交替で利用する。温泉の注ぎ口に付着した白い結晶は、温泉成分の硫酸カルシウムと二酸化ケイ素だ。宿泊プランは素泊まりと朝食付きだけなので、ひとり旅の宿泊客が多いという。朝食は酵素玄米のご飯を中心に、地元野菜など旬の新鮮な食材を使った献立だ。夕食は隣の食堂「やまいち屋」で、うどんやそば、定食などが食べられる。

2.食事.jpg
玄米と小豆の発酵食品、酵素玄米と地元野菜を中心とした朝食の一例

昔日の佇(たたず)まいを残す温泉街でノスタルジックな風情の部屋にいると、いにしえの文人の心象風景に触れられそうだ。徒歩約20分の道の駅たくみの里では、そば打ちやアクセサリー作り、土鈴絵付けなどが体験できる。

3.部屋.jpg
赤谷川を眺められる次の間付きの6畳和室

4.外観.jpg
湯宿温泉街の石畳に面して立つ2階建ての宿

文/田辺英彦


ゆじゅく金田屋
TEL:0278-64-0606
住所:みなかみ町湯宿温泉608
【ひとり泊データ】
条件:通年可
客室:トイレなし6畳和室〜トイレなし8畳+3畳和室など(全9室)
食事:朝食=食事処
料金:素泊まり7150円〜、1泊朝食8830円〜、1泊2食なし
交通:上越新幹線上毛高原駅からバス20分、湯宿温泉下車すぐ/関越道月夜野ICから11キロ

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2025年3月号)
(Web掲載:2025年11月25日)


Writer

田辺英彦 さん

東京都大田区出身、埼玉県在住。旅行ガイドブック編集・執筆、出版業界誌執筆などを経てフリーランスに。東北・八幡平の温泉群と、低山ハイク、壊れかけたもの・廃れたものが好き。

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