【ひとり、秘湯へ】森を歩いてたどり着く“隠し湯”を巡る 銀婚湯~上の湯温泉~(2)
「もみじの湯」は石の湯船のすぐ横に大きなモミジの木があり、10月下旬には赤く色付いた葉が覆いかぶさる
肩肘張らないもてなしの心地よさ
【ひとり、秘湯へ】森を歩いてたどり着く“隠し湯”を巡る 銀婚湯~上の湯温泉~(1)から続く
客室は、旧館のトイレなし8畳和室がひとり旅にちょうどいい。玄関のすぐ上にあり、湯巡りにも好都合だ。トイレありがよければ本館の10畳和室も選べる。
食事はひとりでも個室の食事処でゆったりとれる。地元・落部港で水揚げされた魚介類をはじめ、食材の鮮度にこだわり、半径30キロ圏内から仕入れたものを丁寧に調理する。朝食には、近くの浜辺でスタッフが採取する「みみのり(銀杏草)」のみそ汁が出て、これがおいしい。

ひとり旅におすすめの旧館の8畳和室。建具などにレトロな趣がある

ローストビーフやホタテのバターしょうゆ焼きなど前菜だけでも種類豊富

「鶏すき」は森町駒ヶ岳の農場で平飼いで育てられたニワトリの生卵で食べる

豆や昆布がいっぱいで健康的な朝食。手前右が「みみのり」の味噌汁
隠し湯巡りは、夜は18時までで、朝は6時から。翌朝は前日入れなかった「どんぐりの湯」につかった。落部川のほとりにあり、朝日に照らされた水面がキラキラと光っている。すがすがしい空気と温泉を心ゆくまで楽しんだ。

ミズナラの木立の中にある「どんぐりの湯」は、敷地内の丸い石と木で組んだ湯船。こちらも落部川のほとりにある
自然も、温泉も、肩肘張らない普段着のもてなしもすべてが心地いい。多くの人が絶賛する理由はきっとそこにあるのだろうと思った。
五つの隠し湯のうち、杉の湯ともみじの湯は冬季閉鎖となるが、ほかは冬も除雪して通年入れるようにしている。雪景色の中で入る露天風呂も素敵だろうと想像し、季節を変えてまた来ようと誓った。
文・写真/野水綾乃
👀周辺のおすすめ観光
ハーベスター八雲


「農」の研究を通して「食」を考える実験農場として開業したレストラン。ハーブを食べて育った国産ハーブ鶏はここで誕生したもので、そのハーブ鶏を使ったオリジナルスパイスのフライドチキン(1ピース310円)や石窯ピザなどが人気。噴火湾の雄大な景色を一望するテラス席でできたてを頬張ろう。
■11時~17時30分、土・日曜、祝日10時30分~18時30分(季節により変動あり)/無休、12月~2月は月曜(祝日の場合は翌日)休/函館線八雲駅からバス7分、浜松温泉下車徒歩15分/TEL:0137-64-3113
八雲町情報交流物産館 丘の駅


道央道八雲PA直結の噴火湾パノラマパーク内にあるお土産処。町内で生産される海産物や畜産加工品などがそろう。八雲町は北海道の木彫りの熊の発祥地。8人の木彫り熊作家の作品をイラスト化したオリジナルの熊グッズもかわいい。近くには海に向かって約1キロ続くきれいな白樺並木もあるのでぜひ立ち寄ろう。
■10時~18時(1・2月は~16時)/月曜(祝日の場合は翌日)休/函館線八雲駅からバス7分、浜松温泉下車徒歩15分/TEL:0137-65-6100

銀婚湯
TEL:0137-67-3111
住所:八雲町上ノ湯199
ひとり泊データ
条件:通年可
客室:トイレなし8畳和室、トイレあり10畳和室など(全21室)
食事:夕・朝食=食事処
料金(税込み)
素泊まり なし
1泊朝食 平日・休前日1万1040円~
1泊2食 平日・休前日1万4670円~
※2025年12月1日から1泊朝食1万3460円~、1泊2食1万7090円~に変更
※2人1室利用の場合は1泊2食1万3350円~(同12月1日から1万5550円~に変更)
泉質:ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉など
日帰り入浴:12時~16時/月曜休(祝日の場合は営業)/800円
交通:函館線落部駅から送迎15分(要予約)/道央道落部ICから14キロ
銀婚湯など、北海道旅行・ツアーは👉こちら
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2025年11月号)
(Web掲載:2025年12月7日)


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