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【旅と駅弁・駅麺】瀬戸内の“復活駅弁”を訪ねる 山陽線&予讃線の旅(1)

場所
> 神戸市、広島市、松山市
【旅と駅弁・駅麺】瀬戸内の“復活駅弁”を訪ねる 山陽線&予讃線の旅(1)

淡路屋が引き継いだ米田茶店(よねだちゃてん)の駅弁「かに寿し」

浜坂駅の「かに寿し」を神戸の淡路屋が復刻

今年は駅弁屋の廃業の知らせが多い。駅弁屋がなくなるということは、その味も失われるということ。しかし味を継承し、復活させている駅弁屋も少なくない。今回は、瀬戸内エリアの復活駅弁を食べ、製造元に話を聞きながら旅をした。

山陽線神戸駅では、かつて山陰線浜坂駅で売られていた米田茶店の駅弁「かに寿し」が買える。2019年1月に廃業した同店の味を引き継ぎ、販売を始めたのが、神戸に本社を置く淡路屋だ。

「同じ兵庫県にある駅弁がなくなると聞き、いても立ってもいられませんでした。こちらから連絡して、掛け紙も、見た目も、味も、そのまま継承させていただきました」と話すのは淡路屋の副社長、柳本雄基さん。「使っている酢など材料の指定はありましたが、実ははっきりしたレシピがなく、6~7回は試作しました。そのたびに米田さんに食べてもらい、最後にOKをいただきました」。販売開始は3か月後の19年4月10日の「駅弁の日」。復活した駅弁にふさわしい誕生日となった。

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「かに寿し」を手に話す淡路屋の副社長、柳本雄基さん。貴重な昔の掛け紙コレクションも見せてくれた

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駅構内にある淡路屋 JR神戸駅店

かに寿し

特製合わせ酢のバランスが絶妙なカニを堪能
1380円【神戸駅、新神戸駅ほか】山陽線ほか TEL:078-431-1682(淡路屋)

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山陽線で西へ向かう。姫路駅では「まねきのえきそば」を食べ、ホームに出ると正面に姫路城が現れた。白鷺城とも呼ばれるその姿は、改札を出てすぐの2階展望台からも見られる。新幹線で向かった福山駅で浜吉(はまきち)の「元祖珍辨(ちんべん)たこめし」を買い、尾道駅を訪れた。尾道は何度も来ているが、千光寺公園の展望台がリニューアルされてからは初めて。素晴らしい尾道の風景を眺めつつ、ボーッと鳴る船の汽笛や、列車がゴトゴト走る音などを聞いていると、街が生きているように感じる。

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まねきのえきそば。カツオ節とサバ節のそばだしに、中華麺という珍しい組み合わせが特徴。天ぷらえきそば500円

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「まねきのえきそば」の姫路駅在来線上り店は旧国鉄の車両をイメージした外観

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姫路城に見送られるように発車する山陽新幹線。ホームからも姫路城の姿を望める

元祖珍辨たこめし ◉浜吉(福山)

驚くほど軟らかい煮ダコのほか、タケノコ煮やシイタケ煮、煮エビなど。タコの足が8本なことから、8角形の箱を採用しているのがユニーク。1280円

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ゆるやかな階段で地上63メートルまで上ることができる千光寺公園の展望台「PEAK(ピーク)」

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尾道―糸崎駅間の漁港の横を走る115系電車。新型車の増備で近く引退の運命にある

下関駅の「ふく寿司」を広島駅弁当が引き継ぐ

宿泊地の広島では広島駅弁当の「ふく寿司」を購入。かつて山口にあった下関駅弁当が1989年に販売を開始したが、会社の廃業により、小郡(おごおり)駅弁当が引き継ぐ。しかしこちらも2015年に廃業し、広島駅弁当が継承、今に至る。広島駅弁当の鉄道部課長、夏目祐(ゆう)さんは「引き継いだ時は情報も少なく、醤油(しょうゆ)が何ccなどレシピや成分表から組み立てました。素材も当時と同じものは入手困難で、まったく同じ味の復刻は難しい。変えてはいけないものは変えずに『当時の思い出を、今の味で再現する』ことを意識して、できるだけ当時の味を目指しました」

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広島駅弁当の鉄道部課長、夏目祐さん

ふく寿司

3社が引き継いできた味とパッケージ
1380円【広島駅、新山口駅ほか】山陽線 TEL:082-286-0181(広島駅弁当)

ふく寿司.jpg

実は私が鉄道好きになるきっかけの「寝台特急はやぶさ」に乗車した際、買った駅弁がこの「ふく寿司」だった。まさにここから駅弁好きになったのだ。08年のことなので、最初の下関駅弁当製造のものである。お話を聞けて非常に感慨深い。

モデルコース

《1日目》
神戸    10:11発
 ↓ (山陽線快速)
姫路    10:49着
      12:50発
 ↓ (山陽新幹線)
福山    13:27着
      13:58発
 ↓ (山陽線)
尾道    14:17着
      17:46発
 ↓ (山陽線)
糸崎    17:54着
      17:55発
 ↓ (山陽線)
広島    19:12着 <泊>

《2日目》
広島    10:20発
 ↓ (広島電鉄)
広島港   10:52着
      11:20発
 ↓ (瀬戸内海汽船クルーズフェリー)
松山観光港 14:00着
 ↓ (連絡バス)
高浜    14:43発
 ↓ (伊予鉄道)
大手町   15:01着
      15:06発
 ↓ (伊予鉄道)
JR松山駅前 15:08着
 ↓ (徒歩)
松山    15:45発
 ↓ (予讃線)
下灘    16:34発
      17:08発
 ↓ (予讃線)
松山    18:02着

文/やすこーん 写真/坪内政美 イラスト/吉井みい

【旅と駅弁・駅麺】瀬戸内の“復活駅弁”を訪ねる 山陽線&予讃線の旅(2)へ続く


やすこーんさんプロフィール400x600.jpg

やすこーん=文

漫画家&⽂筆家。駅弁・駅そば・お酒・温泉を巡る鉄道旅が好き。代表作は『おんな鉄道ひとり旅』(⼩学館)ほか。最新刊は『ひとりで楽しむ鉄道旅 駅弁めぐり篇』(⽞光社)、『イラストで読む!鉄道知識と旅の基本 鉄道イロハ 』(イカロス出版)。ホームページは👉こちら

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2025年12月号)
(Web掲載:2026年1月25日)


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